米国で初となる暗号資産法案の形成において、大手ステーブルコイン(米ドル等に価値が連動する暗号資産)発行企業のテザー(Tether)社が利益を得ていたと報じられました。裁判記録によると、現・米商務長官のハワード・ラトニック(Howard Lutnick)氏はテザー社のバンカーだった際、同社にとって不利益となる法案の阻止に関与したとされています。さらに、元ホワイトハウス側近のボー・ハインズ(Bo Hines)氏が同社の望む施策を推進した後に同社へ移籍したとの指摘もなされています。暗号資産規制の策定における政界関係者と企業の距離感に関する事象として注目されています。
裁判記録が示す法案阻止の経緯
裁判記録(court filing)の記述によると、米商務長官のハワード・ラトニック氏は、過去にテザー社のバンカーを務めていた時期に、同社にとって不利な法案の阻止に関与したとされています。ラトニック氏は当時、金融機関の担当者として同社の資金管理等に関わる立場にあり、同社に不利益をもたらす可能性のある規制の抑止に成功したと裁判資料の中で示されています。
元ホワイトハウス側近の政策関与と企業移籍
元ホワイトハウス側近であるボー・ハインズ氏に関しても、暗号資産法案の形成に関与した動きが指摘されています。有識者などの見解によると、ハインズ氏はホワイトハウス在籍時にテザー社が要望していた政策措置を推進し、その後同社に入社したとされています。政府内部で政策策定に携わった人物が、関連する施策を推し進めた直後に該当企業へ移籍したという一連の流れが指摘されています。
暗号資産規制の策定における透明性の重要性
米国における最初の暗号資産法案の策定段階において、政界や行政の関与者が特定の暗号資産企業に有利な影響を与えたとされる点は、業界にとっても重要な意味を持ちます。法規制の形成過程において、規制対象となる企業と政策決定者との関係性がどのように法案内容へ反映されるかという観点は、今後のWeb3市場における規制環境の公正性や透明性を評価する上で注目される可能性があります。
ポイント
- 米国初の暗号資産法案の形成過程においてテザー社が利益を得ていたことが報じられました
- 米商務長官のハワード・ラトニック氏がテザー社のバンカー時代に同社に不利益な法案を阻止したと裁判記録に記されています
- 元ホワイトハウス側近のボー・ハインズ氏がテザー社の望む施策を推進した後に同社へ移籍したと指摘されています
- 政策決定者と暗号資産企業の関係性が暗号資産規制の策定過程に与える影響の観点から注目されます