仮想通貨マイニング大手プーリンが米破産法11条を申請 負債1億7300万ドル超で資産売却へ

シンガポールを拠点とする暗号資産マイニングプール運営会社のプーリン(Poolin)が、米ニュージャージー州の連邦破産裁判所に連邦破産法11条の適用を申請しました。同社の負債総額は1億7,300万ドル(約283億円)超に上り、申請時点ですでにマイニング事業を停止しています。中国での採掘禁止令や市場価格の下落に伴う流動性危機、米国進出時の電力確保の誤算などが重なった結果と見られます。

破産法11条申請の概要と資産売却計画

プーリンは、事業を継続しながら債務再編や資産売却を進める連邦破産法11条(Chapter 11)の適用を通じて清算を目指しています。現在は資産の保全や売却手続きに必要な最小限の人員のみを残しており、傘下のLonestar Dream(LSD)もすでに操業を終えています。

同社は買い手候補との交渉を経て、資産購入先となるThor CALAPとの間でストーキングホース契約(基本合意)を締結しました。この合意により、米国テキサス州西部の2つの拠点をそれぞれ1,500万ドルと3,700万ドル、合計約5,200万ドルで譲渡する計画であり、無担保債権者への配当も見込まれています。

経営悪化に至った市場環境とウォレット危機

プーリンの経営不振は、2021年5月に中国当局が暗号資産マイニングを禁止したことに端を発します。2022年半ばにビットコイン価格が2万ドルを割り込むと、担保資産に対してテザー(Tether)から追加証拠金の請求が相次ぎました。同社は担保をアンタルファ(Antalpha)に移管して約2億1,300万ドルを借り入れましたが、市場の下落傾向は止まりませんでした。

2022年9月にはプーリンのウォレット部門が流動性危機に陥り、出金を停止しました。残高が100ドルを超える利用者に総額約1億6,370万ドル相当のIOU(借用証書)を発行する事態となり、同年11月にビットコインが1万6,800ドルを下回ると事業停止に追い込まれ、アンタルファによる担保清算が実行されました。

米国進出における電力確保の誤算と過剰投資

中国での事業縮小を受け、同社は米国テキサス州西部でマイニング拠点の整備を進めていました。しかし、当初見込んでいた600メガワットの電力供給枠に対し、実際に確保できたのは100メガワットにとどまりました。

この供給枠の誤算により設備の過剰発注が発生し、余剰機材を割安で売却せざるを得ない状況に陥りました。これにより累計で約880万ドルの設備売却損が発生し、米国子会社2社の累積損失は約4,590万ドルに達しました。暗号資産価格の変動だけでなく、マイニングインフラの計画ミスが財務を一段と圧迫した事例と言えます。

ポイント

  • 仮想通貨マイニングプール大手のプーリンが、1億7,300万ドル超の負債を抱えて米連邦破産法11条の適用を申請しました。
  • テキサス州のマイニング2拠点を合計約5,200万ドルでThor CALAPへ譲渡する基本合意を締結し、清算手続きを進めています。
  • 2021年の中国マイニング禁止令、価格下落に伴う担保清算、2022年のウォレット出金停止が経営悪化の主な要因となりました。
  • 米国での電力供給枠の見込み違いによる過剰投資と設備売却損が、事業縮小を加速させた点で注目されます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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