台湾金融監督管理委員会が暗号資産とステーブルコインの関連規則を策定へ。最速で2027年第1四半期に施行する方針

台湾の金融監督管理委員会(FSC)の彭金隆主任委員は、暗号資産およびステーブルコインに関する新たな規制について、最速で2027年第1四半期に施行される見通しを明らかにしました。台湾では2026年6月に暗号資産事業者やステーブルコインなどを規制する「仮想資産サービス法」が可決されており、金管会は現在9本の関連規則を策定しています。現在台湾で流通するステーブルコインは海外発行のものが中心ですが、法的枠組みの整備により、健全な市場育成とリスク管理の両立が進むと見られます。

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監修:ブロックチェーン総研編集部

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仮想資産サービス法に基づく9本の規則策定と施行予定

台湾の立法院(国会)は6月30日、暗号資産事業者やステーブルコインを包括的に規制する「仮想資産サービス法(Virtual Asset Services Act)」を可決し、7月22日に公布しました。同法の施行日は行政院が別途定めることとされていますが、法案には台湾国内におけるステーブルコイン発行の法的枠組みが盛り込まれています。

9月2日に台北で開催された「FinTechOn 2026 & AFA Summit」の開会挨拶において彭氏は、世界的な議論が「発展させるべきか否か」から「いかに健全に発展・監督していくか」へシフトしていると指摘しました。金管会は現在、仮想資産サービス法に基づく9本の関連規則を策定しており、これらにはステーブルコインに関する規定が含まれています。関連規則は最速で2027年第1四半期に正式に公布および施行される予定です。

あわせて彭氏は、人工知能(AI)と金融の融合が本格的な実用段階に入ったと言及しました。今後は伝統金融、デジタル金融、ブロックチェーン金融の3つが並行して発展していくとの認識を示し、イノベーションの促進とリスク管理を両立させる方針を示しています。

サプライチェーン効率化への期待と資金洗浄リスクへの懸念

台湾フィンテック協会(TFTA)の王儷玲理事長は同サミットにおいて、ステーブルコインが国際的なサプライチェーンにおける資金移動を効率化する可能性に言及しました。ステーブルコインの活用により、多国籍企業の流動性管理の改善や、輸出入事業者の決済サイクルの短縮が期待されると述べています。

王氏は、ステーブルコインにとって本質的な要素は「コイン」そのものではなく「安定性」であると指摘しました。その安定性を担保するためには、準備資産、償還体制、技術、そして規制に対する信頼が必要不可欠であり、国境を越えて利用される資産であるからこそ国境を越えたガバナンスが求められると説明しています。

一方で、ステーブルコインを含むデジタル資産に対しては、マネーロンダリング(資金洗浄)や制裁回避への悪用を懸念する指摘も存在します。国連薬物犯罪事務所(UNODC)の2024年の報告書では、東アジアや東南アジアにおいてトロン(TRON)上のUSDTが資金洗浄に選好されている実態が挙げられています。台湾における新法および関連規則の策定作業は、こうした不正利用のリスクを抑制しつつ、実用的な決済基盤としての信頼性を確保する試みとして位置づけられます。

ポイント

  • 台湾金管会が「仮想資産サービス法」に基づく9本の関連規則を策定中であり、最速で2027年第1四半期に施行される方針です。
  • 新法にはステーブルコイン発行の枠組みが盛り込まれており、海外発行資産に依存する市場構造に新たな選択肢をもたらす点で注目されます。
  • 台湾当局は伝統金融、デジタル金融、ブロックチェーン金融の3者が並行して発展する金融市場の形成を目指しています。
  • 国際サプライチェーンにおける決済サイクルの短縮や流動性管理の効率化が期待される一方、資金洗浄などのリスクを抑える国際的なガバナンスが課題とされています。
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