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ブロックチェーン総研by Pacific Meta

香港政府が暗号資産のディーリングやカストディを対象とするライセンス制度を整備へ。関連条例の改正案を年内に提出する方針

香港政府は、暗号資産の売買、保管、助言、運用サービスを対象とする新たなライセンス制度を整備し、関連する条例改正案を年内に提出する方針を明らかにしました。クリストファー・ホイ(許正宇)財経事務・庫務局長が10月5日の立法会政策説明会で説明したもので、金融戦略を従来の「規模」の追求から実体経済への貢献などの「機能」重視へと転換する取り組みの一環です。既存の取引プラットフォーム向け規制から周辺サービスへと監督の枠組みを拡大することで、投資家保護と金融の安定性を確保しながら市場の発展を促す狙いがあります。

監修:ブロックチェーン総研編集部

株式会社Pacific Metaが運営する編集チームです。ステーブルコイン、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン、NFTなどのトークン活用や、オンチェーン金融、AI×ブロックチェーン領域の事業開発・実装、暗号資産の基礎知識と国内取引所の使い方まで、ブロックチェーン事業の支援で得た知見をもとに記事の企画・執筆・監修を行っています。編集部や運営会社の詳細は公式サイトと編集方針をご覧ください。

暗号資産の周辺業務へ広がるライセンス制度

香港ではすでに暗号資産取引プラットフォーム(VATP)を対象としたライセンス制度が導入されています。今回の方針では、取引プラットフォーム単体にとどまらず、暗号資産のディーリング(売買)、カストディ(保管)、助言、運用といった周辺サービスを提供する事業者にも規制の対象が拡大されます。香港政府は投資家保護や金融安定性を確保しながら市場の発展を促す姿勢を示しており、香港内で暗号資産関連サービスを展開する事業者に対する監督体制をより強固に整備する目的があります。

金融戦略の転換とオフショア人民元・金取引の強化

今回の施策の背景には、香港政府が進める2つの戦略転換があります。1つは市場規模の拡大から実体経済への貢献や価格発見といった金融の中核機能の強化への転換であり、もう1つは単なる金融都市からテクノロジーやグリーン、民生分野の発展を支える都市への転換です。この方針に基づき、香港金融管理局(HKMA)と中国人民銀行による通貨スワップ協定の改善協議や7日物オフショア人民元流動性入札制度の導入など、オフショア人民元ハブ機能の強化が進められています。また、2027年第1四半期に稼働を予定している金の中央清算・決済システムの構築など、商品取引エコシステムの整備も推進されています。

税制優遇と法案提出のスケジュール

香港政府はビジネス参入を支援する環境整備として、重点産業の対象企業に対し、最長5年間、5%または通常税率の半分となる優遇税率を適用する制度の導入を目指しています。法人の場合、通常税率の半分は8.25%となり、関連する条例改正案は年末までに提出される方針です。暗号資産のライセンス制度に関する条例改正案についても年内の提出が予定されているほか、株式市場における上場制度の見直しや、今後2年間で1,000人分となる若者向け金融業界インターンシップ枠の提供などが計画されています。

ポイント

  • 香港政府が暗号資産のディーリング、カストディ、助言、運用サービスを包括するライセンス制度の整備方針を公表した点で注目されます。
  • 取引プラットフォーム向けに先行導入されていた規制を周辺業務にまで広げ、投資家保護と金融安定性を高める方針です。
  • 金融市場の規模追求から実体経済への貢献やテクノロジー支援といった機能重視へと、香港の金融戦略が転換されたことが示されています。
  • 重点産業向けの優遇税率導入や暗号資産関連ライセンスに関する条例改正案について、年内の提出が予定されています。

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