MetaMaskとOndo Financeは2026年2月3日、トークン化された米国株およびETFをMetaMaskウォレットに直接導入する統合を発表した。この提携により、Ethereumメインネット上で200以上の米国証券が利用可能となる。しかし、米国・欧州・日本・中国など主要な金融市場がアクセスから除外されており、サービス提供地域は規制の緩い新興市場に限定されていると見られる。今回の発表にもかかわらず、ONDOトークンの価格はほとんど反応せず、過去1ヶ月間で37%以上の下落傾向を継続した。
発表内容の詳細
Ondo FinanceはMetaMaskとの統合をOndo Global Summitで発表しました。この統合により、Ondo Global Marketsを通じて、200以上のトークン化された米国株およびETFがMetaMaskモバイルウォレットで利用可能になります。
サービスの概要
| 提供銘柄 | Tesla、NVIDIA、Apple、Microsoft、Amazonなどの主要な米国株、およびSLV(銀)、IAU(金)、QQQ(ハイテク株)などのETFが含まれます。 |
| 利用方法 | MetaMask Swapsを通じてEthereumメインネットで提供されます。ユーザーはUSDCを使用してOndo Global Marketsのトークンを取得します。 |
| 取引時間 | 取引は週5日、24時間可能であり、トークンの転送は終日可能です。 |
Consensys(MetaMaskの開発元)の創設者兼CEOであるジョー・ルービン氏は、従来の証券取引が抱える断片的なアプリケーションや硬直化した取引時間といった課題に対し、今回の統合がより良いモデルを示すものだと述べています。
今回のサービスは、地理的なアクセス制限が設けられています。以下の国・地域からの利用は除外されています。
- 米国
- 欧州経済領域(EEA)
- 英国
- スイス
- カナダ
- 中国(香港を含む)
- シンガポール
- 日本
- 韓国
- ブラジル
これらの主要な金融市場の除外により、サービス提供地域は規制の緩い新興市場に限定されており、この制限が市場の反応を抑制した可能性が指摘されています。
市場の反応とRWAセクターの動向
統合発表時、ONDOトークンの価格は0.2811ドルで取引されており、過去1ヶ月間で37.3%下落していました。24時間の価格変動は0.2%の下落にとどまり、市場はこのニュースをトークン価値に影響しないものと見なした様子がうかがえます。
ONDOトークンは1月初旬の約0.45ドルから継続的に下落しており、今回のMetaMaskとの統合ニュースはこの下降トレンドを反転させるには至りませんでした。ONDOの時価総額は13.7億ドル、プロトコルのTVL(合計ロック額)は20億ドルを超えています。
ONDOの価格動向は、RWA(実世界資産)ガバナンストークン全体に見られる傾向に一致しています。CoinGeckoのデータによると、RWAセクターのTVLは成長しているにもかかわらず、2024年1月から2025年4月までの間に、ほとんどのRWAトークンは-26%から-79%のマイナスリターンを記録しており、構造的な価値蓄積の問題を抱えていることが示されています。
編集部コメント
トークン化された株式・ETFを「ウォレットから直接扱える」体験を提示した点で、今回の統合によりオンチェーン金融がより身近なものへと近づきました。一方で、主要な金融市場が軒並み対象外となっていることから、現時点では実験的な範囲の取り組みと言えるのではないでしょうか。
市場の反応が冷静だったことは、トークン化の可能性そのものよりも、「どの地域で、どの規模で使われるのか」が依然として重要視されていることを示しています。今後は、こうしたプロダクトが規制の明確化とともに主要市場へ拡張できるかどうかに焦点が当てられそうです。