ブロックチェーンはここまで普及した

知識ゼロからわかる実例集と数値データ(2026年版)

この資料は、ブロックチェーンが世の中にもたらす価値を、実際のデータと実例で理解していただくためのものです。専門用語には初出時に短い説明を、大きな数字には身近な換算を添えています。前提知識は不要です。

データ最終確認日 2026年7月28日(変動する数字は第3章末尾のリアルタイムデータ一覧から最新値を確認できます)

序章なぜ今、ブロックチェーンなのか

ブロックチェーンと聞いて、投機や怪しい儲け話を連想する方は少なくないと思います。しかし2026年現在、実際に起きているのは、世界最大級の金融機関がこの技術を本番運用し、既存の金融インフラを置き換え始めているという現実です。

  • 月間1,100兆円の決済が、銀行振込網を超えた ステーブルコイン(価格が1ドルや1円に固定されたデジタルのお金)の月間決済額は、2026年2月に7.2兆ドルに達しました。日本円で約1,100兆円、日本の国家予算のおよそ10倍がひと月で動いた計算になります。この金額は、アメリカ全体の銀行振込ネットワークであるACHの月間処理額を史上初めて上回りました(Artemis集計・Forbes報道)。
  • 世界最大級の銀行が、すでに本番運用中 米JPMorganのブロックチェーン部門Kinexysは、累計4兆ドル(約600兆円)超を処理し、いまも1日あたり平均70億ドル(約1兆円)超を動かしています(2026年6月時点、CoinDesk報道)。2026年6月には対応通貨に日本円が加わりました。世界最大の資産運用会社BlackRockは、ブロックチェーン上で発行する投資ファンドBUIDLを約30億ドル規模まで拡大させています(RWA.xyz)。
  • 資産をブロックチェーンに乗せる市場が、1年で約3倍に 株式や国債などの資産をブロックチェーン上のデジタル証券に変換することを、トークン化と呼びます。この市場は2026年7月時点で約310億ドル(約4.7兆円)に達し、1年前の約3倍に成長しました(RWA.xyz)。トークン化の世界最大手Securitizeは、2026年7月2日にニューヨーク証券取引所へ上場しています(報道)。
  • 各国で法整備が進んだ 米国では2025年に、ステーブルコインを正式に位置づけるGENIUS法が成立しました(米ホワイトハウス)。日本は世界に先行して、改正資金決済法でステーブルコインを法制化しています。韓国では2026年1月に、9年間続いた法人の暗号資産投資禁止が解除されました(報道)。ルールが整い、大企業が参入できる環境になっています。

本資料では、この変化を支える技術の仕組み(第1章)、世の中がどう変わるのか(第2章)、そして国内外の実例とデータ(第3章)を順に説明します。

第1章ブロックチェーンの仕組み

ブロックチェーンの正体は、突き詰めれば次の一文に要約できます。

中央の仲介者なしで取引できる、改ざん困難なデータベースです。

  • 信頼して共有できる、唯一のデータベース 利害の一致しない企業同士でも、「これが唯一の正解」と信頼して共有できるデータベースです。競合同士でも同じ台帳を使えるため、各社がバラバラの台帳を突合・照合する手間と、それぞれが台帳を守るセキュリティコストが消えます。
  • 契約がプログラムで自動実行される スマートコントラクト(事前に定めた条件が満たされると、契約がプログラムで自動実行される仕組み)により、相手を信用できなくても契約が確実に履行されます。信用調査・担保・債権回収といった「信用のためのコスト」を削れます。
  • 金融行為を、誰もが低コストで この2つの性質により、金融機関という仲介者を通すしかなかった金融行為を、誰もが低コストで実行できるようになります。それが世の中に何をもたらすのかは、次章で説明します。
図1共有データベースにより、各社の台帳が1つの正解に置き換わる
従来 各社が自前の台帳を持つ
A社 A社の台帳 B社 B社の台帳 C社 C社の台帳 突合・照合の手間

会社ごとに台帳が分かれ、内容が食い違っていないかを互いに確認し合うコストと、各社が自社の台帳を守るセキュリティコストが発生します。

ブロックチェーン 全員で1つの台帳を共有する
共有台帳 唯一の正解 A社 B社 C社

利害の一致しない企業同士が、同じ1つの台帳を「これが唯一の正解」と信頼して共有します。突合・照合の手間が仕組みごと不要になります。

スマートコントラクトが契約を自動実行するまで

  1. 1 条件を決めて合意する 「商品が届いたら代金を支払う」といった契約条件を、当事者間で決めます。
  2. 2 条件をプログラムにする 合意した条件を、ブロックチェーン上のプログラム(スマートコントラクト)として記録します。
  3. 3 条件の成立を検知する 「商品が届いた」という条件の成立を、プログラムが確認します。人の判断は挟まりません。
  4. 4 契約が自動で実行される 支払いが自動で実行され、結果は共有台帳に記録されます。誰でも検証できます。

相手を信用できなくても契約が確実に履行されるため、信用調査・担保・債権回収といった「信用のためのコスト」を削れます

仕組みをさらに詳しく知りたい方へ

仕組みの詳しい解説(エクセルとスプレッドシートの比喩、コスト構造の分解など)は、代表・岩﨑のnote「ブロックチェーンの正体は金融の民主化である」に書いています。

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第2章世の中がどう変わるのか

金融行為の自動化・デジタル化ができる

そもそも金融とは、お金が余っている人から、必要としている人へ、投資や融資といった形でお金を渡し、経済活動を良くしていく仕組みです。この仕組みにかかるコストが大きいほど、お金は必要としている人に行き渡らなくなります。

あらゆる金融行為は、① 合意(条件を決める)、② 決済(実行する)、③ 保管(記録を守る)の3プロセスでできています。各プロセスには、互いを完全には信頼できない当事者同士が正しい状態を保つための人的コストが積み上がっており、米金融業界の雇用コストは1時間あたり64.39ドルと、民間全体の平均の約1.4倍にのぼります(米労働省、2025年3月時点・同年6月公表)。ブロックチェーンはこの3プロセスを直接置き換え、コストを大幅に削減します。プロセスごとの詳しい分解は、第1章のnoteに書いています。

図2金融行為の3プロセス(合意・決済・保管)をブロックチェーンが直接置き換える
従来(人的コスト) ブロックチェーン 1 合意 契約書の作成・審査・照合 スマートコントラクトとして記録 2 決済 銀行・清算機関の中継 条件成立と同時にプログラムが実行 3 保管 各社が台帳を守り、突合・照合 改ざん困難な共有台帳が記録

コスト削減がもたらす2つのインパクト

「コストが下がるだけか」と思われるかもしれません。しかし、この削減は2つの大きな変化につながります。

  • 利回りの改善 従来の金融は、勘定システム、清算ネットワーク、資産の保管、事務処理といった多層のインフラと人手で支えられ、その維持費が手数料として利用者に上乗せされてきました。中間のコストが圧縮されれば、その分は預金者や投資家の利回りに回る余地になります
  • 資産へのアクセスの拡大 取引にコストがかかるために大きな単位でしか扱えなかった資産を、小口化できるようになります。株式取引は100株単位が基本で、最低投資額が100万円を超える銘柄もありますが、デジタル化で取引コストが下がれば、小さな単位から投資できます。さらに、金融機関が採算の合わない地域には進出しないという構造も変わります。インターネットにつながりさえすれば、銀行のない地域でも資産を保有し、運用できるようになります

世界で共通に使われる「金融の民主化」という言葉

この変化は、金融の民主化と呼ばれています。従来は一部の金融機関や大口投資家にだけ許されていた金融行為を、誰もが実行できるようになる流れを指します。これは個人の思いつきではありません。世界最大の資産運用会社BlackRockや世界経済フォーラム(WEF)をはじめ、既存の金融と経済の中心にいるプレイヤー自身が、同じ言葉で期待を発信しています。

BlackRock(Larry Fink CEO)世界最大の資産運用会社
年次書簡で、トークン化は投資へのアクセス、株主の議決権行使、利回りの3つを民主化すると述べました"Tokenization makes investing much more democratic. It can democratize access. … It can democratize shareholder voting. … It can democratize yield."
世界経済フォーラム(WEF)国際的な非営利財団
暗号資産は金融の世界を民主化していると発信しました"Cryptocurrencies are democratising the financial world. Here's how"(記事タイトル)
Coinbase米国最大の暗号資産取引所
ブロックチェーンは金融の自由と経済的エンパワーメントへの扉を開くとし、DeFi(銀行を介さずブロックチェーン上で動く金融サービス)を金融の民主化と位置づけました
Circle米ドルステーブルコイン最大手の一角
GENIUS法は世界中の消費者と企業に金融の民主化をもたらす機会だと述べました"The GENIUS Act—short for Guiding and Establishing National Innovation for U.S. Stablecoins—provides an opportunity to democratize finance for consumers and businesses around the world while enhancing American economic competitiveness."
a16z世界有数のベンチャーキャピタル
ステーブルコインが旧来の金融システムを更新し、金融アクセスの民主化を世界的に進めると予測しました

歴史の類推も参考になります。インターネットは、メディアの民主化を起こしました。テレビ局や新聞社にしか許されなかった情報発信を、いまでは誰もが行えます。当時のテレビ局が自分たちの特権の民主化を予想していなかったように、同じことが金融に起きないとは、誰にも断言できません。既存金融の頂点にいるBlackRockでさえブロックチェーンに注力しているのは、この認識の表れです。

AIエージェントの経済圏は、拡大する

ここまでは、人間の金融の話でした。次に起きるのは、AIエージェント(人の指示を待たず、自律的に判断してタスクを実行するAI)が経済の主体になるという変化です。

まず、AIエージェントの経済圏が拡大すること自体は、すでに業界の前提になっています。① 能力の進化です。AIは文章の生成にとどまらず、調査・判断・実行という一連の業務を自律でこなす段階に進み、Google、OpenAI、Anthropicといった主要AI企業がこぞってエージェント機能の製品化を進めています。② 企業への浸透です。調査会社Gartnerは、2028年までに日常業務の意思決定の15%がAIエージェントによって自律的に行われ、企業向けソフトウェアの33%がエージェント型AIを搭載すると予測しています。③ 経済活動の担い手としての、構造的な優位です。人間は休息が必要で、同時に見られる対象の数に限りがあり、疲労や感情で判断がぶれます。AIは24時間365日働き続け、数千の対象を同時に監視し、判断の質を一定に保ちます。しかもコストは、人間よりはるかに低く済みます。

実際、Webで活動する主体は、すでに入れ替わり始めています。世界最大級のインターネットインフラ企業Cloudflareの計測では、2026年6月、Webページへのリクエストの57.5%がbot(プログラムによる自動アクセス)によるものとなり、史上初めて人間(42.5%)を上回りました(NBCニュース報道)。別の大手調査(Imperva 2026 Bad Bot Report)でも、Web全体のトラフィックの53%が自動化されたアクセスです(2025年)。なかでもAIエージェントによるトラフィックは前年比8,000%増と、最も速く伸びています。インターネット上で活動する主体の過半は、もう人間ではありません。

規模の予測も出そろっています。AIエージェント市場は、2025年の78.4億ドルから2030年に526億ドルへ、年率46.3%で拡大する見込みです(MarketsandMarkets調べ)。コンサルティング大手McKinseyは、AIエージェントが仲介する商取引が2030年までに世界で3〜5兆ドル(約450〜750兆円)に達しうると推計しています(2025年10月)。カード決済大手Visaがデータ分析のArtemisと共同で「エージェント決済」の分析レポートを公表する段階まで、この前提は共有されています。

AIの経済インフラは、クリプト(ステーブルコイン)になる

問題は、その経済活動の支払いを、どのインフラが担うのかです。AIはコードを書き、戦略を立て、顧客対応をこなします。しかし、できないことが1つあります。AIは、自分自身のお金を持てません。銀行はKYC(口座開設時の本人確認)を求めますが、ソフトウェアであるAIはそれを満たせないからです。一方、暗号資産のウォレット(ブロックチェーン上の口座にあたるもの)は、秘密鍵と呼ばれる暗号情報さえあれば、AIでも数分で作成できます。

この構造を、当事者たちはどう見ているのでしょうか。代表的なブロックチェーンの1つであるEthereumの共同創業者Vitalik Buterin氏は2026年1月、AIエージェントが活動資金を持つ手段は暗号資産しかないと指摘しました(発言解説)。Coinbase CEOのBrian Armstrong氏は、近い将来、AIエージェントの取引が人間の取引を上回ると予想しています(発言報道)。Binance創業者のChangpeng Zhao氏はさらに踏み込み、AIエージェントは人間の100万倍の決済を行い、暗号資産を使うと予測しました(発言報道)。

そのウォレットで使う決済通貨が、ステーブルコインです。

比較表なぜAIの資金移動はステーブルコインなのか
銀行送金・クレジットカード ステーブルコイン
決済主体 口座開設もカード発行も本人確認が前提で、AIは名義を持てません プログラムが秘密鍵を持ち、AIがそのまま決済主体になれます
権限の制御 利用限度額など粗い制御に限られ、送金先を仕組みとして縛れません 送金先と上限をブロックチェーン側で強制できます。AIが乗っ取られても、資金は許可の範囲外に出ません
稼働時間 営業時間と締め処理で止まります 24時間365日稼働し、着金が即時に確定します
少額決済 固定手数料(1件数十円以上)があり、少額決済は原価割れします 数円未満の手数料(取引を検証するネットワークの維持者に支払うガス代)で成立します。エージェント決済の共通規格x402は、すでに累計1億件超を処理しています(詳細は第3章)
検証 取引明細は金融機関の内部に閉じています 全取引が公開され、AIの支払いを事後に監査できます

決済大手と日本も、この方向で動いています。Visa自身が、自社ネットワークでのステーブルコイン決済が年換算70億ドル(約1兆円、前四半期比+50%)に達したと公表しました(2026年4月、Visa公式発表)。日本では改正資金決済法がステーブルコインを電子決済手段として位置づけており、円建てステーブルコインのJPYCは、AI間決済を主要用途の1つに掲げています。自由民主党のデジタル社会推進本部も2026年5月、決済・融資・資産運用の自動化・24時間365日化を国家目標に据え、オンチェーン金融を次世代の金融インフラと位置づける提言を公表しました(当社マガジンの解説記事)。

AIの権限を制約する設計ができる

AIにお金を持たせると聞くと、想定外の取引をしないかが心配になります。この懸念に対しては、ブロックチェーン側で対策を設計できます。

Vitalik Buterin氏自身が、AIに巨額の取引を丸ごと任せることには慎重で、AIが提案し人間が確認する設計を推奨しています(発言報道)。重要なのは、スマートコントラクトでAIの権限をあらかじめ制約し、すべての行動をブロックチェーンに記録して誰でも検証できるようにする、という設計が可能なことです。従来のAIのブラックボックス問題を、ブロックチェーンが解消する構図になります。

当社が開発するAutoFundは、この設計思想の実装例です。Safe(スマートコントラクト型のウォレット)でAIの操作範囲を制約し、利用枠を管理する部品であるAllowance Moduleで、1日に動かせる金額の上限を設定します。AIエージェントはその範囲内でのみ資産運用を実行し、すべての行動がブロックチェーン上に記録されます。

経済の自動運転という到達点

ここまでの変化は、経済の自動運転の始まりです。

AIがデータを読んで判断し、スマートコントラクトが実行し、ブロックチェーンが記録し、誰でも検証できます。この一連のループが、人間の介在なしに回り続けます。

金融取引から資産運用、企業経営、監査まで、人間が手を動かし、判断し、記録してきた経済活動の各レイヤーが、順にこのループへ移行していきます。コストはゼロに近づき、かつて大企業だけが持っていた能力が、あらゆる組織と個人に届くようになります。次章では、この変化がどこまで現実になっているかを、国内外のデータと実例で確かめます。

この章の詳しい解説

この章の詳しい解説は、代表・岩﨑のnote「AI×ブロックチェーンで世の中はどうなるのか?」に書いています。

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第3章すでに世の中に普及している例

各実例の末尾に、主体(誰が使っているか)と、置き換える既存インフラを記しています(国内事例はその旨を明記しています)。数字にはすべて取得時点を明記し、変動する数字には、最新値をいつでも確認できるリアルタイムデータへのリンクを添えています。本資料の数字が古くなっても、リンク先でいつでも最新値を確認できます。

各数値の出典は、本章の該当セクションにリンク付きで記載しています。

用途実需の規模時点
決済・送金ステーブルコイン月間決済額7.2兆ドル(約1,100兆円)。調整後の年間取引量は約33兆ドル2026年2月〜6月
資産のトークン化約310億ドル(約4.7兆円)。1年で約3倍2026年7月
投資・取引中央集権取引所の月間取引高4.4〜6.0兆ドル(約660〜900兆円。現物とデリバティブの合計)2026年1〜5月
貸借最大手Aaveだけで預かり資産(TVL)約140億ドル(約2.1兆円)。総預入額のピークは約730億ドル(約11兆円、2025年9月)2026年7月
保険分散型保険市場が約35億ドル、年率約48%で成長2025年
AIエージェント決済決済規格x402で累計1億件超2026年7月
保有者ステーブルコイン保有アドレス約2.69億(日本の人口の2倍超)2026年半ば

3-1世界の普及マップ 誰が、なぜ使っているのか

ブロックチェーンの使われ方は、地域によって理由が異なります。ブロックチェーン分析大手Chainalysisが151カ国を対象に毎年公表する世界普及指数(2025年版)をもとに整理します。

図3地域別のオンチェーン受取額と成長率(2024年7月〜2025年6月。棒の長さは前年比成長率)
アジア太平洋2.36兆ドル(約354兆円)
前年比+69%(全地域最速)
中南米ブラジル単独で3,180億ドル(約48兆円)
前年比+63%
サブサハラ・アフリカナイジェリア921億ドル(約14兆円)で世界6位
前年比+52%
北米2.2兆ドル
前年比+49%
欧州2.6兆ドル
前年比+42%

絶対額では北米・欧州が依然最大ですが、成長率では新興国を含むアジア太平洋・中南米・アフリカが先行しています。棒の長さは前年比成長率の比較です。

地域オンチェーン(ブロックチェーン上)の受取額と成長率(2024年7月〜2025年6月)特徴
アジア太平洋2.36兆ドル(約354兆円)、前年比+69%で全地域最速です普及指数の世界1位はインドで、2年連続です。3位パキスタン、4位ベトナムと上位を占めます
中南米前年比+63%。ブラジル単独で3,180億ドル(約48兆円)、世界5位ですブラジルでは暗号資産の取引フローの90%超がステーブルコインです(ブラジル中央銀行)。自国通貨のインフレから資産を守る用途で使われています
サブサハラ・アフリカ前年比+52%。ナイジェリアは受取額921億ドル(約14兆円)で世界6位です銀行口座の代替と送金に使われています。ナイジェリアはDeFi利用のサブ指数で世界3位です
北米・欧州北米2.2兆ドル(+49%)、欧州2.6兆ドル(+42%)。絶対額では依然最大です米国は普及指数2位です。ETFや機関投資家の本番運用が主導しています

(出典 Chainalysis 2025 Global Crypto Adoption Index。リアルタイムデータ chainalysis.com 年次更新)

投資・取引の市場も、規模の把握に役立ちます。世界の中央集権取引所の月間取引高(現物とデリバティブの合計)は4.4〜6.0兆ドルで推移しています(2026年1〜5月、CCData)。なかでも個人の取引市場として突出しているのが韓国です。調査会社Kaikoによると、2026年時点でウォン建て取引ペアは世界のスポット取引(現物の売買)の約30%を占め、米ドルに次ぐ第2の通貨です。週間取引額は約260億ドル(約3.9兆円)、投資家は1,300万人を超え(PANews)、2026年1月には9年間続いた法人の暗号資産投資禁止が解除されました(報道)。

個人への普及

企業や機関投資家だけの話ではありません。世界の暗号資産保有者は7.41億人に達し、1年で12.4%増えました(2025年末、Crypto.com「Market Sizing Report」)。世界人口の約9%、日本の人口の約6倍にあたる人数です。インターネットの普及史に重ねると、Googleが上場した2004年頃と同じ位置にあたります。米国では成人の約30%、人数にして7,040万人が保有しています(2026年、Security.org調べ)。ステーブルコインを月に1回以上使うアクティブユーザーも約4,700万人にのぼります(Visa Onchain Analytics)。

新興国のウォレット普及

銀行口座の代わりに使われる、暗号資産ウォレット

従来、銀行は採算の合わない地域には進出せず、身分証明の壁もあり、世界には銀行口座を持てない人が数十億人規模で存在してきました。

暗号資産のウォレットは、インターネットにつながるスマートフォンさえあれば数分で作成でき、資産の保有・送金・受け取りができます。銀行の店舗網と口座開設の手続きを、ソフトウェアが置き換えた形です。

ナイジェリアのウォレット普及率(Consensys×YouGov国際調査、2024年。オンライン調査の回答者ベース)84%

同調査では南アフリカで66%、ベトナムで60%、フィリピンで54%、インドで50%にのぼります。全人口ベースで見ても、ナイジェリアでは約12%にあたる約2,590万人がデジタル資産を活発に利用しており、その大半が米ドル連動のステーブルコインです(Yellow Card、2025年)。IMFは、サブサハラ・アフリカのステーブルコイン流入の約60%を同国が占めると報告しています(IMF公表)。前掲のとおり、年間オンチェーン受取額は921億ドル(約14兆円)で世界6位です。

出典 ConsensysYellow CardIMFChainalysis | 主体は新興国の個人、置き換える既存インフラは銀行口座そのもの

日本でも、国内の暗号資産口座数は約1,400万に達しました(2026年6月時点、読売新聞)。日本市場の主要な数字は以下のとおりです。

指標数値補足時点・出典
口座数延べ約1,347万口座日本の人口で単純に割ると、約10人に1人が口座を持つ計算です(複数保有を含む延べ数です)2025年10月末、JVCEA(日本暗号資産等取引業協会)
稼働口座数約829万口座取引や残高のある口座で、稼働率は約60%です同上
預かり資産5兆円超国内取引所に預けられている暗号資産と現金の合計です。内訳はビットコイン59%、XRP15%、イーサリアム13%です同上
1口座あたりの預かり額平均約37万円預かり資産を延べ口座数で単純に割った参考値です。稼働口座だけで割ると約60万円になります同上から算出
現物取引高月間2兆円前後2025年を通じた水準です2025年、JVCEA

(リアルタイムデータ jvcea.or.jp 自主規制団体JVCEAが月次で公式統計を更新しています)

象徴的なのはメルカリで、フリマの売上金でビットコインを購入できるサービスの口座数が約400万と、国内全体の3割を占めています。しかも利用者の約85%は暗号資産の取引が初めての人です(メルコイン発表東洋経済報道)。投資家向けの専用口座ではなく、日常のアプリが入口になり始めています。

機関投資家・企業・国家への普及

個人とは反対の、機関投資家や企業の側でも参入が進んでいます。2024年1月に上場した米国のビットコイン現物ETF(証券口座で買える上場投資信託)は、開始21ヶ月で運用資産1,475億ドル(約22兆円)に達し、ETF史上最速級の成長と評されました(2025年9月末、SEC提出書類)。累計の資金流入は約590億ドルで、ETF全体でビットコインの発行上限2,100万枚のうち約6〜7%を保有しています(2026年前半、業界集計)。最大手BlackRockのIBITは単独で約73万BTC(発行上限2,100万枚の約3.5%)を保有します(2026年7月時点、bitbo集計)。運用資産の金額自体は価格に連動して増減しますが、保有枚数と流入は積み上がってきました。

老後資産への組み込みも始まっています。米国最大級の公的年金CalPERSは、ビットコイン保有企業Strategyの株式を通じて、約1億ドル規模の間接的な投資を持つと報じられています(Crypto Briefing)。Fidelityは、米国の確定拠出年金401(k)でビットコインを組み入れられる選択肢を提供しており、1〜3%程度の配分を一つの目安として示しています(InvestmentNews)。企業では、米Strategy(旧MicroStrategy)が約84万BTC(発行上限の約4%)を保有し、BlackRockのETFと世界最大の保有者の座を争う規模です(2026年7月時点、The Block集計)。国内でも、メタプラネットをはじめビットコインを財務戦略として保有する上場企業が登場しています。国家のレベルでは、米国が2025年3月の大統領令で、政府保有のビットコインを戦略準備として保持する方針を定めました(米大統領令)。

普及の理由は地域によって異なります。① 新興国では、インフレや銀行不安から資産を守るために、必要に迫られて使われています。② 先進国では、機関投資家がインフラとして本番運用しています。③ 韓国などでは、個人の投資・取引の市場として定着しています。理由は違っても、世界のあらゆる地域で利用が同時に拡大しています。

3-2ステーブルコイン オンチェーン金融のコア

第3章の各領域に入る前に、すべての土台となるステーブルコインを説明します。トークン化された資産の決済通貨も、貸し借りの担保も、AIエージェントの支払い手段も、すべてステーブルコインの上に載っています。オンチェーン金融(ブロックチェーン上で行われる金融全般)の基軸通貨レイヤーであり、役割は決済手段の1つにとどまりません。

仕組み

ステーブルコインは、価格が1ドルや1円に固定されるよう設計されたデジタルのお金です。発行体は、利用者から受け取った法定通貨を現金や短期国債などの安全資産で保管し、それを裏付けに同額のトークンを発行します。利用者がトークンを発行体に戻せば、法定通貨で払い戻されます。この発行と償還を発行体と直接行うのは、主に取引所や大口の事業者です。個人などの多くの利用者は、暗号資産取引所を通じてステーブルコインを購入・売却します。主要な発行体は、裏付け資産の内訳を外部機関の検証報告や当局への提出書類で開示しています(詳しくは第4章のQ9で扱います)。価格が変動する暗号資産と異なり、支払い・送金・価値の保存にそのまま使えます。

図4ステーブルコインの発行と償還の仕組み
① 法定通貨(円やドル)を渡す 利用者 発行体 ③ 同額のステーブルコインを発行 ② 安全資産で保管 現金・短期国債 内訳は外部検証で開示 ④ トークンを発行体に戻せば、法定通貨で払い戻し(償還)
  1. 1 利用者が法定通貨を渡す 利用者は発行体に、円やドルなどの法定通貨を渡します。
  2. 2 発行体が安全資産で保管する 受け取った法定通貨を、現金や短期国債などの安全資産で保管します。内訳は検証報告や当局への提出書類で開示されます。
  3. 3 同額のトークンを発行する 保管した資産を裏付けに、同額のステーブルコインを発行します。価格は1ドル・1円に固定されます。
  4. 4 トークンを戻せば法定通貨で払い戻し(償還) 利用者がトークンを発行体に戻せば、法定通貨で払い戻されます。

価格が変動する暗号資産と異なり、支払い・送金・価値の保存にそのまま使えます

規模

主要な数字は以下のとおりです。

指標数値補足時点・出典
流通残高(時価総額)約3,150億ドル約47兆円です。日本の国家予算の4割に相当する残高が常時流通しています2026年6月、DeFiLlama
保有アドレス数約2.69億日本の人口の2倍超です。アドレスは口座に近いもので、1人が複数持てるため、人数そのものではありません。残高のあるアドレスを数えた値で、集計方法によっては5億超とする調査もあります2026年半ば、rwa.xyz
月間アクティブユーザー約4,700万人月に1回以上ステーブルコインを使っている人の数です2025年、Visa Onchain Analytics
発行体シェアUSDT約59%、USDC約24%最大手Tetherが発行するUSDTと、2位のCircleが発行するUSDCで83%を占め、ほぼ全てがドル建てです2026年6月、DeFiLlama
月間決済額7.2兆ドル(2026年2月)米国の銀行振込網ACHを史上初めて超えました2026年2月、Artemis集計・Forbes報道
年間取引量(調整後)約33兆ドル(2025年、前年比+72%)ボットや重複を除いた実質ベースで、VisaとMastercardの年間取扱高の合計を上回ります2025年通年、Artemis集計・Bloomberg報道

(リアルタイムデータ defillama.com/stablecoins および visaonchainanalytics.com Visaがブロックチェーンデータ会社Alliumと運営する無料の公式ダッシュボードです)

発行体の収益規模

最大手Tetherの2024年の純利益は、約130億ドル(約2兆円)にのぼります(Tether公表・BDO検証の報告書)。収益の柱は、利用者から預かった資金を米国債などの安全資産で運用して得る利息です。創業10年でこの規模に達しました。第2位のUSDCを発行するCircleは2025年に米国で上場し、いまでは流通残高770億ドル、2026年1〜3月だけで21.5兆ドルのオンチェーン取引量を、米国の証券監督当局SECへの提出書類(四半期報告書)で開示しています(Circle発表)。ステーブルコインの実態を、上場企業の監査済み開示で確認できる時代になりました。

USDTとUSDCの使い分け

上位2銘柄は、実際の使われ方が異なります。当社子会社キリフダがオンチェーンの送金データを分析したレポート(2026年5月)によると、発行額と保有アドレス数ではUSDTが最大である一方、移転総額と取引件数ではUSDCが上回ります。ウォレット間の送金に絞るとUSDTが優勢になることから、USDTは新興国を中心とする日常の送金・決済に、USDCはDeFiなどのオンチェーン運用に、それぞれ強みを持つ構図が読み取れます。1回あたりの送金額の中央値も、USDT(Tronチェーン)の359ドルに対して、USDC(Baseチェーン)は19.27ドルと対照的です(2024年5月以降の集計)。利用時間帯にも違いがあり、USDTの取引は南アジア・中東・アフリカの生活時間帯に集中しています。日本の制度上も、USDCが電子決済手段として国内提供できる一方、USDTは暗号資産として扱われるという違いがあります(2026年5月時点)。
▶ キリフダのレポート「年間送金額10,000兆円の2つのドル。USDTとUSDCは結局、誰が使ってるのか

法整備の現在地

米国では2025年にGENIUS法が成立し、ステーブルコインの発行ルールが連邦レベルで定まりました。EUでは包括規制MiCAが施行済みです。日本は世界に先行して改正資金決済法で法制化しており、送金業者が発行する資金移動業型と、信託銀行が発行する信託型の2類型が用意されています。

円建てステーブルコインJPYC(国内)

corporate.jpyc.co.jp

1円と同じ価値で使える、日本発のステーブルコイン

従来、日本円をデジタルのまま24時間動かす手段がなく、銀行振込は営業時間と手数料の制約を受けてきました。

JPYC社が2025年8月に資金移動業登録を取得し、10月27日に日本初の資金移動業型の円建てステーブルコインJPYCの発行を開始しました。銀行の営業時間に縛られない円のデジタル送金・決済を可能にするものです。

JPYCの累計発行額(2026年5月30日時点、JPYC発表30億円超

口座開設は約1.9万件で、直近3ヶ月で約2.6倍のペースで拡大しています。特筆すべきは使われ方で、1日の取引量が流通残高の100%を超える日があります。貯蓄として保有されるだけでなく、決済・送金のために繰り返し使われています。LINE NEXTのウォレットUnifiでの取り扱いが2026年5月に始まり(JPYC発表)、9,500万人超のLINEユーザーへの導線ができました。USDC発行元CircleのPartner Stablecoinsプログラムにも参画しています。さらに、物流大手AZ-COM丸和ホールディングスが約2,300社の協力会社への支払いにJPYCを導入する方針と報じられ(日本経済新聞)、企業間の実務決済への採用も始まろうとしています。

出典 JPYC株式会社公表資料(リアルタイムデータ corporate.jpyc.co.jp) | 主体は国内スタートアップと提携大手企業、置き換える既存インフラは銀行振込・現金、地域は国内

信託型でも、JPYSC(SBI新生信託銀行、発行開始の発表)や、3メガバンクが共同で検討する「3メガコイン」などの準備が進んでおり、日本円のオンチェーン化は2類型の並走で進んでいきます。

ドル以外への広がり

EUの規制MiCAに準拠したユーロ建てステーブルコイン8種の合計時価総額は6.74億ドルで、1年で128%増えました(2026年6月時点、Dectaレポート)。韓国では、ウォン建てのKRWQが登場しています。基軸はドルですが、各国通貨のデジタル化が追随する構図です。

数字の読み方(調整後と未調整の区別)

ステーブルコインの取引量は、集計方法によって年間46兆ドル(a16z・Elliptic調べ)とも33兆ドル(Artemis集計・Bloomberg報道)とも報じられます。前者はボットの反復取引などを含む未調整の値で、後者はArtemis社がそれらを除いた調整後の値です。さらに厳格な基準では約9〜10兆ドルとする推計もあります(a16z調べ)。参考までに、Visaの年間取扱高は約17兆ドル(現金取引を含む総取扱高、2025年度・同社年次報告書)、Mastercardは約10.6兆ドル(2025年、Nilson Report)です。調整後の33兆ドルは、世界のカード決済を担うこの2社の合計すら上回る規模になっています。本資料は、一貫して保守的な調整後の数字を使います。なお、調整後33兆ドルのうち、モノやサービスの購入といった実体経済の支払いは年間3,500億〜5,500億ドルとの推計もあります(BCG×Alliumの白書。国際決済銀行(BIS)も引用しています)。現時点の主用途は取引・送金・価値の保存であり、日常の買い物への利用は、これから拡大する余地があります。

3-3資産のトークン化(発行) 資産をブロックチェーンに乗せる

株式、国債、不動産、ファンドの持分といった資産をブロックチェーン上のデジタル証券に変換する工程が、トークン化です。従来の証券化・発行市場・引受業務にあたる領域で、資産のライフサイクルの入口になります。

市場全体では、トークン化された資産(ステーブルコインを除く)は約310億ドル(約4.7兆円)で、1年で約3倍に成長しました(2026年7月時点、RWA.xyz)。内訳は米国債・MMF(マネー・マーケット・ファンド。安全性の高い短期運用商品)が約130億ドル、企業向け私募融資(限られた投資家が企業に直接貸し付ける融資)が約80億ドル、金が約50億ドル、不動産が20〜30億ドルで、残りは機関投資家向けファンドなどです。保有者は約96万人にのぼります。将来については、米大手銀行Citiが2030年に5.5兆ドル(約830兆円)、コンサルティング大手BCGが2026年4月のレポートで2030年に14兆ドル(約2,100兆円)という予測を出しています。

Securitize

securitize.io

株式やファンドをデジタル証券に変換して管理する、米国のインフラ企業

従来、ファンドや証券の発行には、名簿管理・権利移転・配当支払いのたびに複数の事務業者と紙の手続きが必要で、時間と費用がかかってきました。

Securitizeは、発行から名簿管理、売買、償還までをブロックチェーン上で一気通貫に処理する基盤を提供しています。米SECに登録された、証券会社、株主名簿を管理する名義書換代理人、取引所の外で証券を売買できる私設取引システムの3つの資格を持つ、規制準拠のインフラです。

Securitizeがトークン化した運用資産の残高(2026年6〜7月時点、世界最大)40億ドル超(約6,000億円)

顧客にはBlackRock、Apollo、KKR、BNY、Hamilton Lane、VanEckが並びます。2026年7月2日にニューヨーク証券取引所へ上場し(ティッカーSECZ)、約4億ドルを調達しました。上場に際して自社株の一部(約3億ドル相当)をトークン化しており、自社の技術を自社の株式で実演した形です。NYSEとは、ブロックチェーン上で直接発行される証券の基盤づくりでも提携しています。

出典 SEC提出書類、CoinDesk等(Securitize公式) | 主体は米金融インフラ企業と大手資産運用会社、置き換える既存インフラは証券化・発行市場・名義書換の事務、地域は米国

BlackRock BUIDL

blackrock.com

世界最大の資産運用会社BlackRockがブロックチェーン上で発行する投資信託

従来、MMFの購入・換金は営業日・営業時間に縛られ、決済に日数がかかってきました。

BUIDLは、米国債等を裏付けとするファンドをブロックチェーン上で発行し、24時間365日の保有・移転を可能にしました。

BUIDLの残高(2026年前半時点、トークン化ファンドとして世界最大)約25〜30億ドル(約3,800〜4,500億円)

8つのブロックチェーン上で稼働しています。Franklin Templetonの同種ファンドBENJIも約25億ドル(2026年7月時点)まで拡大しており、ApolloやKKR、Hamilton Laneといった大手も未公開資産のトークン化ファンドを本番稼働させています。

出典 RWA.xyz、各社公表資料 | 主体は世界最大級の資産運用会社、置き換える既存インフラはMMF・投信の販売網と決済事務、地域は米国

Ondo Finance(発行側)

ondo.finance

米国債の利回りをトークンの形で受け取れるようにする米国企業

従来、米国債の利回りにアクセスするには、証券口座と最低投資額、営業時間内の手続きが必要でした。

Ondo Financeは、短期米国債を裏付けに、保有しているだけで利回りが積み上がるトークンUSDYや、機関投資家向けのOUSGを発行しています。

USDYの残高(2026年4月時点、利回り年4.65%)約7.4億ドル

5つのブロックチェーンで流通しています。取引・運用の側面は次のセクションで扱います。

出典 Ondo公表資料 | 主体は米フィンテック企業、置き換える既存インフラは債券投資の口座・販売網、地域は米国

国内ST市場(国内)

progmat.co.jp

日本の法制度上のデジタル証券(ST)の発行市場

従来、優良不動産への投資は機関投資家や富裕層に限られ、個人には単位が大きすぎました。発行体側も、証券化の組成コストが重く、小口の商品は採算が合いませんでした。

国内ではST(セキュリティトークン。ブロックチェーン上で発行するデジタル証券)として法制化され、三菱UFJ信託銀行系のProgmatなどのプラットフォーム上で、不動産や社債の発行が積み上がっています。優良不動産への投資が10万円程度から可能になりました。

国内STの累計公募発行額(野村ホールディングス発表、2026年4月公表)3,300億円超

2025年度は前年度比2倍に拡大しました。業界のアウトルックでは、私募等を含む案件残高が2026年中に1兆円を突破する予測が示されています(Progmat「STマーケットアウトルック2026」)。初期の代表例には、物流施設を裏付けに約69億円を調達したケネディクスの案件があります(同社発表)。

出典 野村ホールディングス、Progmat(リアルタイムデータ progmat.co.jp および齊藤達哉氏の定期更新note) | 主体は国内の信託銀行・証券会社・不動産会社、置き換える既存インフラは証券化の組成・名義管理事務、地域は国内

さらに象徴的な動きとして、米国の証券決済インフラそのものを担うDTCC(証券保管振替機関)が、トークン化した証券決済の本番テストを2026年7月に開始し、同年10月のサービス拡大を予定しています(BlackRock、Goldman Sachs、JPMorganなど50社超が参加しています。CoinDesk報道)。「置き換えられる側」の中枢が、自ら乗り換えの準備を始めています。

(このセクションのリアルタイムデータ rwa.xyz トークン化資産の残高・内訳・保有者数を常時更新しています)

3-4投資・資産運用(取引・運用) 24時間365日の取引と運用

トークン化で乗った資産を取引し、運用する場です。従来の取引所・証券会社・資産運用会社にあたる領域です。オンチェーンの市場には営業時間がなく、世界中から同じ条件でアクセスできます。

Hyperliquid

hyperliquid.xyz

先物など価格の変動を売買する金融商品(デリバティブ)を扱う、ブロックチェーン上の取引所

従来、取引所の運営には、マッチングシステム、清算、カストディ(資産の保管管理)、大量の管理部門が必要で、巨大な組織と費用を前提としてきました。

Hyperliquidは、注文のマッチングから清算までをすべてブロックチェーン上のプログラムで処理する、オンチェーンのデリバティブ取引所です。かつて「月間3,300億ドルを11名で運営」と報じられた(Cointelegraph)極端な少人数運営でも知られています。

Hyperliquidの年間取引高(2025年)約2.95兆ドル(約440兆円)

創業3年で、東証プライム市場の年間売買代金(2025年に約1,420兆円、JPX)のおよそ3割に相当する規模です。月間取引高は約1,800〜2,000億ドル(約27〜30兆円)で、大手取引所CoinbaseやKrakenの月間出来高を上回ります(2026年前半時点)。2026年2月には、Rippleの機関投資家向け部門Ripple Primeが接続し、米国の機関投資家がオンチェーンのデリバティブ市場へ直接アクセスする先行事例になりました(Ripple公式発表、2026年2月4日)。

取引される資産も変わり始めています。2025年10月に始まった市場開設機能(HIP-3)では、S&P500・原油・金・銀・NVIDIA株などの非クリプト銘柄が24時間取引されており(最大の市場開設者Trade.xyzだけで90超の市場を運営しています。業界報道)、2026年春には、出来高上位10市場のうち7つをトークン化された株式・コモディティが占め、プラットフォーム全体の出来高の約4割に達しました。週末に伝統市場が閉まる間も原油や金を取引できる場として使われ、NYSEを傘下に持つICEのCEOは、取引の活動量においてHyperliquidはNasdaqより大きいと述べています(2026年5月)。伝統的な金融資産の取引が、すでにオンチェーンへ移り始めています。

出典 DeFiLlamaHyperliquid Strategies決算資料crypto.news解説OAK Research(ICE CEO発言) | 主体はオンチェーン取引所と接続する機関投資家、置き換える既存インフラは取引所・清算機関の運営組織。後述するx402以前から、自動売買ボットが最も活発に利用してきた市場の1つ

Hyperliquid Vaults

app.hyperliquid.xyz/vaults

誰でも自分のファンドを開設できる、Hyperliquid上の機能

従来、他人のお金を預かって運用するファンドを作るには、運用業のライセンス、管理会社・信託・監査の体制、多額の初期費用が必要でした。投資家の側も、ファンドの中身は月次レポートなどの開示資料でしか確認できませんでした。

Hyperliquidのボールト(Vault)機能では、ウォレットがあれば誰でも自分のファンドを組成できます。所定の手数料と最低100ドルの自己資金で開設でき、預ける側は10ドル程度の少額から出資できます。運用者の全取引・全ポジションはリアルタイムで公開され、誰でも検証できます。中身がすべて見えるファンド、いわゆるトランスペアレント・ファンドです。

運用者は常にファンド総額の5%以上を自己資金で保有する義務があり、損失が出れば自分も一緒に被ります。報酬は利益の10%のみで、成果が出なければ受け取りはありません。運用者が途中で方針を変えるリスクは残るため預ける側の見極めは必要ですが、判断材料になる取引履歴は全件公開されています。

第2章で述べた「金融の民主化」の運用版です。大手運用会社にしか作れなかったファンドを、個人が数分で開設できるようになりました。AIエージェントが運用者になる形(前掲のAutoFund)にも、そのままつながる仕組みです。

出典 Hyperliquid公式ドキュメント(リアルタイムデータ app.hyperliquid.xyz/vaults 各ボールトの残高・運用成績を常時公開しています) | 主体は個人の運用者と少額の出資者、置き換える既存インフラはファンド運用のライセンス・管理体制・開示プロセス

Ondo Global Markets

ondo.finance

米国株をトークン化して24時間売買できるようにしたサービス

従来、米国外の投資家が米国株にアクセスするには、現地証券会社の口座、時差、決済日数の壁がありました。

Ondo Global Marketsは、米国の主要株式・ETFをトークン化し、ブロックチェーン上で24時間365日取引できるようにしました。対象は260超の銘柄です。

Ondo Global Marketsの預かり資産(2026年5月時点、開始8ヶ月未満・株式トークン分野で世界シェア約70%)10億ドル(約1,500億円)

2026年5月には、トークン化した米国債の国境をまたぐ償還をJPMorganと初めて実施しました(Ondo発表)。同様の動きとして、米証券会社RobinhoodもEU圏で米国株連動トークンを提供しています。BlackRockのBUIDLも分散型取引所Uniswap上で取引可能になり、機関向け商品とオンチェーン市場の接続が進んでいます。

出典 Ondo・各社公表資料 | 主体は米フィンテック企業と海外の個人投資家、置き換える既存インフラは証券会社の取引時間・国境の制約

ODX「START」(国内)

odx.co.jp

ST(デジタル証券)を売買できる、国内の私設取引システム

従来、デジタル証券を買っても、売りたいときに売れる市場がなければ資産として不完全でした。

大阪デジタルエクスチェンジ(ODX)が私設取引システムSTARTを運営し、STの売買を可能にしました。

STARTで取引されるSTの時価総額(2026年3月末時点、8トークン)336億円

出典 野村ホールディングス発表 | 主体は国内の証券会社と個人投資家、置き換える既存インフラは証券取引所の上場・流通の仕組み、地域は国内

AutoFund(当社事例・国内)

pacific-meta.co.jp/products/autofund

権限を制約したAIエージェントが資産運用を行う、当社のプロダクト

オンチェーンの市場は24時間365日動き、数百の運用先の利回りとリスクを同時に監視して資金を動かし続けることは、人間には物理的にできません。

当社Pacific Metaが開発するAutoFundは、AIエージェントが運用判断と実行を担います。第2章で述べたとおり、Safe(スマートコントラクト型ウォレット)で操作範囲を制約し、Allowance Moduleで1日に動かせる金額の上限を設定したうえで、すべての行動をブロックチェーンに記録します。

出典 当社プレスリリース | 主体はAIエージェント、置き換える既存インフラは運用担当者の監視・執行業務、地域は国内

(このセクションのリアルタイムデータ defillama.com 各取引所・プロトコルの預かり資産と出来高を常時更新しています)

参考 バリデーター(ブロックチェーンの運営を支える機能)

ここまで紹介した金融サービスの土台として、ブロックチェーンそのものを動かし続ける仕組みにも触れておきます。既存の金融に直接対応する存在はありませんが、PoS(資産の預け入れで取引を確定する方式)のブロックチェーンでは、バリデーターと呼ばれる参加者が取引の検証と記録を担い、ネットワークを運営しています。

  • 仕組み バリデーターは資産を預けて(ステーキング)取引の検証に参加し、対価として報酬を受け取ります。Ethereumの場合、32ETHの預け入れで参加できます。不正をすると預けた資産の一部が没収される仕組み(スラッシング)があり、正しく運営することが経済的に合理的になるよう設計されています(ethereum.org
  • 規模 Ethereumでは約4,100万ETH、流通量の約34%が過去最高の水準までステーキングされており、バリデーター数は約90万にのぼります(2026年7月時点、beaconcha.in)。報酬水準はおおむね年2〜3%程度です(同時点、業界報道
  • 事業者 この検証業務を、個人や機関投資家に代わって担う専門事業者が育っています

Lido

lido.fi

資産を預けて報酬を得るステーキングを、少額から利用できるようにしたサービス

Ethereumのステーキングには本来32ETHが必要ですが、Lidoのプールに預ければ少額から参加できます。預け入れの証としてstETHというトークンを受け取り、保有したまま他のオンチェーン金融サービスでも利用できます。

Lidoの預かり資産(2026年7月時点、この分野の最大手)約190億ドル(約2.9兆円)

出典 報道によるDeFiLlama集計値

Figment

figment.io

資産運用会社や取引所などの機関投資家に代わってバリデーターを運用する専門事業者

ノードの構築・運用を代行する非カストディ型のインフラを40超のブロックチェーンで提供し、1,500超の機関顧客を持ちます。資産運用大手Grayscaleが、ETH上場商品のステーキング先に同社を選定しています。

Figmentのステーク運用額(2026年2月時点。2026年7月の報道では約150億ドル超とされ、市況により変動します)約180億ドル(約2.7兆円)

出典 Business Wire

このほか、米最大手取引所Coinbaseも自社バリデーターで約450万ETHを運用し、Ethereumのステーキング総量の約12%を占めています(2026年1〜3月期、Coinbase公表)。

3-5銀行(預金・貸借) 貸し借りの自動化

預金と貸付という銀行の中核機能にあたる領域です。

Aave

aave.com

銀行を介さずにお金の貸し借りができる、ブロックチェーン上の市場

従来、お金の貸し借りには銀行の与信審査・店舗網・回収体制という大きな組織が間に立ち、その費用が貸し手の低い利回りと借り手の高い金利に反映されてきました。

Aaveはこの仲介をプログラムに置き換えます。貸したい人と借りたい人をスマートコントラクトが自動でマッチングし、金利は需給に応じてアルゴリズムが秒単位で計算します。担保が不足すれば自動で精算されるため、貸し倒れをプログラムで防ぐ設計です。借りる側は、保有する暗号資産を売却せずに現金相当の資金を得る用途が中心です。

Aaveに預けられている資産の残高(TVL。預入から貸出を差し引いた純残高、2026年7月時点)約140億ドル(約2.1兆円)

20超のブロックチェーンに展開しています。貸出に回った分も含む総預入額は、ピーク時に約730億ドル(約11兆円)に達しました(2025年9月、報道)。その後、2026年4月の市場混乱(Q4参照)を経て縮小しています。市場はAaveだけではなく、次に述べるMorphoやSpark(貸借部分で約36億ドル)など、複数の貸借プロトコル(ブロックチェーン上で自動で動く金融サービスの仕組み)が並び立っています。

出典 DeFiLlama等各社公表資料 | 主体は世界中の個人・機関投資家、置き換える既存インフラは銀行の与信・貸付オペレーション

Morpho

morpho.org

企業が自社サービスに貸し借りの機能を組み込むために使う、オンチェーンの貸借プロトコル

従来、金融アプリを提供する企業が貸付サービスを始めるには、与信・貸付のシステムと管理体制を自前で構築する必要がありました。

Morphoは、スマートコントラクトで動く貸借市場を部品として提供します。企業は自社アプリの裏側にMorphoを組み込む形で、貸し借りの機能を提供できます。

Morphoの預かり資産(2026年6月時点)約68億ドル(約1兆円)

米最大手取引所Coinbaseは、自社アプリのビットコイン担保ローンの裏側にMorphoを採用しました。表側は普通の金融アプリでも、裏側はオンチェーンという構成の代表例です。当社Pacific Metaの子会社キリフダは、Morphoを日本の規制に対応した形で国内事業者のサービスに組み込むための「Lending as a Service(LaaS)」を2026年7月14日に発表しました。利用範囲をスマートコントラクトで制限するGateway基盤に加えて、API・SDK、管理画面、導入・運用の支援を提供し、取引アプリやウォレットアプリがDeFiレンディング機能を組み込めるようにするものです(キリフダ プレスリリースあたらしい経済報道)。キリフダは2026年2月にPacific Metaの連結子会社になっています(当社プレスリリース)。

出典 DeFiLlamaMorpho発表等各社公表資料 | 主体はDeFiをインフラとして使う既存事業者、置き換える既存インフラは貸付システムの自前構築。国内の導入支援は当社グループの事例

(このセクションのリアルタイムデータ defillama.com 貸借プロトコル別の預かり資産を常時更新しています)

3-6決済・送金 お金を動かすインフラ

お金を動かす領域で、既存のACH・SWIFT(国際銀行間の送金メッセージ網)・カード決済網にあたります。ステーブルコイン決済の全体規模(月間7.2兆ドル、米ACH超え)は前掲のとおりです。ここでは、銀行と送金の現場で何が起きているかを扱います。

Kinexys by J.P. Morgan

jpmorgan.com/kinexys

JPMorganが自社で運営する、ブロックチェーン上の送金・決済網

従来、国際送金は複数の中継銀行を順に経由する方式のため、着金まで数日かかり、手数料が積み上がり、いまお金がどこにあるかも見えませんでした。

JPMorganは自社のブロックチェーン基盤Kinexysで、法人向けの国際決済を24時間365日・ほぼ即時で処理しています。

Kinexysの累計処理額(2026年6月時点)4兆ドル超(約600兆円)

日次で平均70億ドル(約1兆円)超を動かしています。対応通貨は2026年6月に日本円を加えて8通貨になりました。さらに2025年11月には、預金を裏付けとするトークンJPM Coin(JPMD)を、米Coinbase系の公開ブロックチェーンBase上で稼働させ、世界のシステム上重要な銀行(G-SIB)として初めて、実際の機関投資家のドルを公開チェーンで決済しました(報道)。

出典 JPMorgan公表資料(2026年4〜6月時点。リアルタイムデータ jpmorgan.com/kinexys) | 主体は世界最大級の銀行と法人顧客、置き換える既存インフラはSWIFTと、送金を中継する海外の提携銀行網(コルレス銀行網)

海外送金コスト

世界銀行が四半期ごとに集計する、国際送金手数料の実態

世界銀行の最新調査によると、200ドル(約3万円)を海外送金すると、平均で6.36%、金額にして約12.7ドル(約1,900円)が手数料に消えます(2025年Q3)。銀行経由では平均14.99%に達します。国連は2030年までに3%への引き下げを目標に掲げていますが、まだ遠い水準です。

ステーブルコインによる送金は、着金までの時間を数日から数秒へ、費用を数千円から数十円へ圧縮します。前掲のとおり、ブラジルでは暗号資産の取引フローの90%超がステーブルコインで、送金とインフレ対策の実需として定着しています。

200ドルの海外送金にかかる手数料の世界平均(2025年Q3)6.36%

出典 世界銀行 Remittance Prices Worldwide(リアルタイムデータ remittanceprices.worldbank.org 四半期更新) | 主体は世界中の生活者、特に新興国への送金者、置き換える既存インフラは既存の国際送金網

置き換えられる側も動いています。SWIFT自身がブロックチェーン型の共有台帳の構築を発表し、接続する約11,000の銀行をオンチェーン決済につなぐ構想を進めています。2026年7月には、17行によるパイロット稼働が始まりました(SWIFT発表)。決済大手Stripeは、ステーブルコイン企業Bridgeの買収を経て、2026年3月に決済特化のブロックチェーンTempoを稼働させました(報道)。VisaとMastercardは、後述するAIエージェント決済の標準化団体に発起メンバーとして参画しています。国内では、前掲のJPYCが実店舗決済やインバウンド向け決済網のプロジェクトを進めています。

3-7保険 査定なしの自動支払い

守る領域で、既存の保険会社の業務にあたります。分散型保険の市場は約35億ドル(約5,300億円)と、他の領域よりまだ小さい規模ですが、年率約48%で成長しており(2025年時点、Research and Markets)、実際に保険金が支払われる本番事例がすでに動いています。

Lemonade Crypto Climate Coalition

lemonade.com

米保険会社Lemonadeなどが共同で運営する、客観データで保険金を自動支払いする農家向けの保険

従来、小規模農家にとって、従来型の保険は保険料が高すぎるか、そもそも商品が存在しませんでした。保険会社側も、損害査定(本当に被害が出たかを人が確認する作業)のコストが小口契約では採算に合いませんでした。

米保険会社Lemonadeの財団が、Etherisc、Chainlink、再保険(保険会社が入るための保険)の大手Hannover Re、ケニアの保険テック企業Pulaなどと共同で、パラメトリック型(降雨量などの客観データを条件に、査定なしで自動支払いする方式)の作物保険を提供しています。スマートフォンを持たない農家でも、フィーチャーフォンのSMSだけで加入から受け取りまで完結します。

1ドル前後からの保険料で、2シーズン累計でカバーしたケニアの農家の数13,000超

アフリカの3億の小規模農家への拡大を視野に入れています(発表)。世界最大級の再保険会社Hannover Reが参画している事実は、既存の保険業界がこの仕組みを本気で評価している証拠でもあります。

出典 Lemonade財団Etherisc公表資料 | 主体は新興国の農家と既存の保険・再保険会社、置き換える既存インフラは保険の損害査定と販売網

Etherisc

etherisc.com

保険金の支払いを自動化する仕組みを開発する企業

従来、フライト遅延の保険金を受け取るには、証明書類を集めて請求し、審査を待つ必要がありました。

Etheriscの航空遅延保険では、フライトの遅延データを条件に、請求手続きなしで保険金が自動的に支払われます。

航空遅延保険の累計支払額(2025年時点)1,300万ドル(約20億円)

このほか、スマートコントラクトの事故を補償し合う分散型共済Nexus Mutualも、累計1,800万ドル(約27億円)超の支払い実績を積み上げています(Nexus Mutual公表)。

出典 業界レポートEtherisc | 主体は世界の旅行者、置き換える既存インフラは保険金の請求・査定プロセス

3-8監査・コンプライアンス 抜き取り検査から全件検証へ

検証する領域で、既存の監査法人やコンプライアンス部門の業務にあたります。ブロックチェーン上の取引はすべて公開記録として残るため、監査のあり方そのものが変わり始めています。

Chainalysis

chainalysis.com

ブロックチェーン上の資金の流れを分析する最大手企業

従来、資金の流れの調査や監査は、会社ごとに分かれた台帳を突き合わせる作業で、専門家が数日を費やしてきました。監査は全件を見られないため、サンプルの抜き取り検査が原則でした。

ブロックチェーン分析最大手のChainalysisは、AIを組み込んだ調査エージェントを2026年3月に発表しました(同社発表)。複数のブロックチェーンにまたがる資金調査を、完全な監査証跡を残しながら数分で完了させます。同社のデータは、法廷で証拠能力を認められた実績を持ちます。

調査エージェントの土台になっている、10年以上かけて蓄積した調査実績約1,000万件

あわせて同社はChainlinkと提携し、コンプライアンスのルールをコードとしてオンチェーンで自動執行する仕組み(Automated Compliance Engine)の構築も進めています(同社発表)。

出典 Chainalysis公表資料(リアルタイムデータ chainalysis.com/blog) | 主体は捜査当局・金融機関・監査の担い手、置き換える既存インフラはサンプルベースの期末監査と手作業の資金調査

この領域の変化は、開示の水準にも表れています。前掲のとおり、Circleはステーブルコインの残高と取引量をSECへの四半期報告書で開示しており、取引所が準備金の保有をオンチェーンで証明するProof of Reservesという慣行も広がっています。「人を信頼する」から「コードとデータを検証する」への移行が、監査の現場で進んでいます。

3-9AIエージェント 各領域を横断する経済主体

最後に、領域ではなく主体の軸で整理します。第2章で述べたとおり、AIは銀行口座を持てず、ブロックチェーンだけがAIの経済インフラになれます。その変化がどこまで進んでいるかを、数字で確認します。

指標数値補足時点・出典
x402の累計決済件数1億件超AIやプログラムがWeb上で自動的に支払う共通規格です。約3四半期で1億件に達しました2026年3〜7月、Chainalysis・Visa×Artemis
x402の累計決済額約1,500万ドル(約23億円)件数に対して金額はまだ小さく、立ち上がり期です2026年7月、Visa×Artemis
標準化団体の発足40社が参画2026年7月15日、Linux Foundation傘下にx402 Foundationが発足しました。Visa、Mastercard、Stripe、AWSが名を連ねます2026年7月、Linux Foundation
1件あたりのコスト0.0001ドル未満カード決済の最低手数料(約30セント)の約3,000分の1です。1円未満の支払いが商売として成立しますx402ホワイトペーパー
AIエージェントのオンチェーンID登録約2万エージェント(集計により幅があります)ERC-8004という規格で、AIが身元・信用履歴・行動記録を持てます2026年6月、業界統計
AIエージェント関連トークン550超のプロジェクト市場全体の時価総額は数十億ドル規模で推移しています2025〜2026年、CoinGecko

取引の主体も、すでにAIへ移り始めています。円建てステーブルコインJPYCの発行元・岡部典孝代表は、ステーブルコインの取引量の95%以上がすでにAI(ボット)によるものであり、今後99%になりうると述べています(2025年11月のイベント発言より)。

x402

x402.org

AIやプログラムがWeb上でその場で支払うための共通規格

従来、AIエージェントがデータやAPIを利用するたびに支払いをしようとしても、クレジットカードには約30セントの最低手数料があり、1円単位の支払いは商売として成立しませんでした。そもそもAIはカードも銀行口座も作れません。

x402は、Webの仕組みに30年以上前から予約されていた「402 Payment Required(支払いが必要です)」という信号を使い、AIがステーブルコインでその場で支払う共通規格です。米Coinbaseが開発しました。

x402の累計決済件数(開始から約3四半期、2026年7月時点)1億件超

2026年7月15日には、オープンソースの標準化を担うLinux Foundationの傘下に標準化団体x402 Foundationが発足し、Visa、Mastercard、Stripe、AWSを含む40社が参画しています。並行して、Googleの同種規格AP2(60超の組織が参画)やStripeの独自規格も立ち上がっており、大手が、AIが支払うことを前提に動き始めています。決済の件数は1億件を超えた一方、金額はまだ約1,500万ドルにとどまります。有力視される規格に大手が早期に参画している段階であり、金額の拡大はこれからです。

出典 Visa×Artemis「Agentic Payments from the Ground Up」レポートLinux FoundationChainalysis分析(2026年7月時点) | 主体はAIエージェント、置き換える既存インフラはカード決済網の手数料構造

Kova(国内)

kova-agent.com

AIエージェントに日本語で指示して支払いまで任せられる、国内発の実行基盤

従来、AIエージェントに買い物や資産の預け入れを頼んでも、最後の支払いの段階では人間がカード情報を入力し、サービスごとにログインする必要がありました。

国内発のKova(Komlock lab開発、ベータ版)は、Claude CodeなどのAIエージェントに決済と署名の能力を与える実行基盤です。「お米5kgをJPYCで購入して」と日本語で指示すると、エージェントが商品を探し、本章で紹介したx402の仕組みを使って円建てステーブルコインJPYCでの支払いまで完了させます。「1000 JPYC預けて」と指示すれば、貸借市場Morphoへの預け入れも実行します。本資料で紹介してきた部品(AIエージェント、x402、JPYC、オンチェーン貸借)が、1つの体験としてつながった国内事例です。

秘密鍵は利用者の手元の環境だけに保管され(セルフカストディ)、署名の前に利用者の確認を挟む設計です。第2章で述べた、AIの権限を制約する設計と同じ思想です。決済規格はx402に加えて、Stripe系ブロックチェーンTempoが開発する決済規格MPPにも対応します。国内最大級の暗号資産取引サービスを運営するCoincheckが、AIエージェントが取引を行う時代に向けた共同研究のパートナーとして参加しています(Coincheck発表)。当社Pacific Metaも、エコシステムパートナーとして拡大を支援しています。

出典 Kova公式サイト(kova-agent.com 2026年7月時点) | 主体はAIエージェントと国内の生活者、置き換える既存インフラはサービスごとのログインとカード入力という支払い手続き、地域は国内

周辺の動きも並べます。CoinbaseはAIエージェント専用ウォレット(Agentic Wallets)を2026年2月にリリースしました(同社発表)。Sam Altman氏のWorldは、エージェントの背後に実在の人間がいることを暗号技術で証明するAgentKitを提供しています(報道)。そして運用の領域では、前掲の当社AutoFundが、権限を制約されたAIエージェントによる資産運用を実装しています。決済はx402、身元はERC-8004、運用はAutoFund、監査はChainalysisという形で、AIエージェントの経済活動に必要な部品が各領域で同時に揃いつつあり、前掲のKovaのように、それらを1つの体験につなぐプレイヤーが国内からも登場しています。

(このセクションのリアルタイムデータ coingecko.com AIエージェント関連トークンの時価総額を常時更新しています)

コラム 金融以外でも動いている

本資料は金融とAIに絞りましたが、ブロックチェーンの「利害の異なる相手と共有できる改ざん不能な台帳」という性質は、サプライチェーンの追跡、デジタルID、不動産登記、ゲーム内資産、行政記録などの領域でも実装が進んでいます。これらは別の機会に扱います。

第3章のリアルタイムデータ一覧

本章で使った変動する数字は、以下のリンク先でいつでも最新値を確認できます。

確認できるデータリンク更新頻度
トークン化資産(RWA)の残高・内訳・保有者数rwa.xyz常時
ステーブルコインの流通残高・チェーン別分布defillama.com/stablecoins常時
ステーブルコインの調整後取引量・利用者数visaonchainanalytics.com日次
貸借・取引プロトコル別の預かり資産と出来高defillama.com常時
Hyperliquidの各ボールトの残高・運用成績app.hyperliquid.xyz/vaults常時
国別・地域別の普及ランキングchainalysis.com年次
海外送金コストの世界平均remittanceprices.worldbank.org四半期
AIエージェント関連トークンの時価総額coingecko.com常時
国内ST市場の実績・展望progmat.co.jp随時
国内の口座数・預かり資産・取引高jvcea.or.jp月次
米ビットコインETFの資産・資金流入sosovalue.com日次
円建てステーブルコインJPYCの発行状況corporate.jpyc.co.jp随時
Kinexysの処理実績jpmorgan.com/kinexys随時

第4章Q&A

ここまで読んで、疑問や引っかかりが残っている方も多いと思います。よくいただく質問に、正面からお答えします。

Q1投機や詐欺のイメージと、ブロックチェーンは何が違うのか

ブロックチェーンは台帳の技術で、暗号資産はその上で動く応用の1つです。価格が乱高下する銘柄への投機は資産側の現象であり、技術そのものの価値とは切り分けて考える必要があります。本資料で扱ったBlackRockのファンドやJPMorganの決済網は、コインの価格と関係なく動いている業務インフラです。また、詐欺は技術ではなく人の行為であり、既存の金融でも起きてきました。ブロックチェーン上の取引はすべて公開記録に残るため、Chainalysisの事例のとおり、資金の追跡はむしろ容易になっています。

Q2ビットコインとブロックチェーンは同じものなのか

同じではありません。ブロックチェーンが技術で、ビットコインはその最初の応用です(2008年のサトシ・ナカモトの論文が起点です)。ブロックチェーン上で扱う資産の総称が暗号資産で、そのうち価格を1ドルや1円に固定したものがステーブルコインです。スマートコントラクトを備え、多くの金融アプリケーションの基盤になっているのがEthereumです。言葉の整理は巻末の用語集にまとめています。

Q3過去の投機ブームと何が違うのか。取引(トレーディング)の位置づけは

取引も金融の一用途であり、市場に流動性(売りたいときに売れる状態)を供給する機能を担っています。韓国だけで週間約260億ドル・投資家1,300万人超という取引市場は、それ自体が実需です。そのうえで、本資料が根拠にしたのは価格ではなく稼働の数字です。ステーブルコインの月間決済額7.2兆ドル、トークン化資産の1年で3倍、Kinexysの日次70億ドル、JPYCの累計発行額は、いずれもトークン価格が下がる局面でも伸びました。動いているのが投資家の期待ではなく日々の業務である点が、過去のブームとの違いです。

Q4FTXの破綻やハッキング事件をどう捉えるか

2つを区別する必要があります。FTXは中央集権的な「会社」による顧客資産の不正流用であり、ブロックチェーンという技術の破綻ではありません。構図としては既存金融の経営破綻や横領と同じです。なお、日本では利用者資産の分別管理(会社の資産と顧客の資産を分けて保全すること)が法律で義務づけられており、FTXの破綻時も、日本法人の顧客資産は保全されて全額が返還されました(Japan Times報道)。規制の設計が利用者を守った実例です。一方で、プログラムの欠陥を突くハッキングは実在するリスクで、2026年は上半期だけで、DeFi領域で121件・約9.4億ドルの被害が出ています(CryptoRank調べ)。最大手の貸借市場Aaveでも、2026年4月に担保関連で約2億ドルの不良債権が発生し、運営コミュニティが対応しました(CoinDesk報道)。技術が万能ではない事実は本資料の前提でもあります。だからこそ、AIやプログラムの権限をあらかじめ制約し、全行動を記録・検証するセキュリティ設計と、自動化の推進を常にセットで進める必要があります。

Q5価格が不安定なものを、決済や保険に使えるのか

価格が変動するのは、ビットコインをはじめとする暗号資産です。本資料で紹介した実務で使われているのは、価格が固定されたステーブルコインと、国債や不動産といった裏付け資産に価値が連動するトークン化資産です。価格が安定しているからこそ、決済、送金、給与、保険金の支払いに使えます。実際に、ブラジルでは暗号資産の取引フローの90%超がステーブルコインです。

Q6電力消費と環境負荷は大丈夫なのか

ビットコインが採用するPoW(計算競争で取引を確定する方式)は、大量の電力を消費します。この課題は事実です。一方、EthereumはPoS(資産の預け入れで取引を確定する方式)へ2022年に移行し、消費電力を99.9%以上削減しました(Ethereum Foundation)。本資料で紹介した金融の実例の大半は、PoS方式のブロックチェーン上で動いています。

Q7法律や、事故が起きたときの責任はどうなっているのか

発行や取り扱いのルールは急速に整いました。米国のGENIUS法、EUのMiCA、日本の改正資金決済法により、ステーブルコインやデジタル証券は当局の監督下にあります。SecuritizeがSEC登録の資格群を持ち、JPYCが資金移動業登録のうえで発行しているように、規制に準拠した設計が主流です。日本では制度整備がさらに進んでいます。暗号資産を金融商品取引法の対象へ移す改正法が2026年7月に成立し、税制では2026年3月に、税率を株式並みの約20%の申告分離課税(現行は最大55%の総合課税)へ引き下げる改正法が成立しました。適用は金商法改正の施行後で、2028年1月の開始が有力視されています(解説記事)。暗号資産ETFの国内解禁に向けた税制整備も、あわせて盛り込まれています。一方で、運営者のいないDeFiで事故が起きた場合の責任の所在など、未整備の論点は残っています。日本は世界に先行して法制化を進めてきた国であり、この整備の進み方自体が、企業が参入できる環境になりつつあることを示しています。

Q8秘密鍵をなくしたり、取引所が破綻したりしたら、資産はどうなるのか

保管の方法によって答えが変わります。取引所に預ける方式では、日本の場合、Q4で述べた分別管理の義務があるため、取引所の破綻時も顧客資産は保全の対象になります。ただし、銀行預金の預金保険(1金融機関あたり元本1,000万円までを公的に保護する制度)のような仕組みは、暗号資産にはありません。一方、秘密鍵を自分で管理する方式(セルフカストディ)では、第三者に資産を動かされる心配がない代わりに、秘密鍵を失うと資産に二度とアクセスできなくなります。復元用のリカバリーフレーズ(秘密鍵を復元するための単語の並び)を安全に保管することが利用の前提です。実務では、金額と用途に応じてこの2つの方式を使い分けます。

Q9ステーブルコインの裏付け資産は本当にあるのか。発行体が破綻したらどうなるのか

第3章で述べたとおり、発行体は利用者から受け取った資金を現金や短期国債などの安全資産で保管し、それを裏付けにトークンを発行します。主要な発行体は、裏付け資産の内訳を外部機関の検証報告や当局への提出書類で開示しており、第2位のUSDCを発行するCircleは、上場企業として監査済みの財務情報を公開しています。米国のGENIUS法と日本の改正資金決済法は、裏付け資産の保全と開示のルールを定めています。日本の資金移動業型では、破綻時の利用者への払い戻しに備えた資産の保全が義務づけられています。そのうえで、発行体の信用力と裏付け資産の質は銘柄ごとに異なるため、誰が、何を裏付けに発行しているかを確認して使うことが前提になります。

終章この変化にどう向き合うか

本資料で確認してきた数字を、もう一度並べます。月間1,100兆円の決済、累計600兆円を処理する銀行のオンチェーン網、1年で3倍になったトークン化市場、そしてAIが支払う1億件の取引です。これらは将来の予測ではなく、すでに動いている実績です。

コストがゼロに近いインフラの上で動く企業や個人と、従来のインフラのまま競い続けることは、それ自体が構造的な不利になっていきます。資産の運用でも、法人の財務や決済でも、この移行をいつ始めるかという問いは、すべての企業と個人に共通のものになりつつあります。

日本はなぜ実感が薄く、なぜこれからなのか

日本でブロックチェーンの必要性が実感されにくいのは、日本の金融インフラと、それを支える人々が優秀だからです。海外では、銀行の預金引き出し制限(2015年のギリシャでは1日60ユーロまで。CNBC報道)、年率100%を超えるインフレ(アルゼンチンの2024年は117.8%。統計局公表・報道)、銀行や自国通貨そのものへの不信が現実に起きており、必要に迫られた人々が先にブロックチェーンを使い始めました。第3章の普及マップで新興国が上位を占めるのは、この事情によるものです(海外の実例集は、代表・岩﨑のnoteにまとめています)。

日本は、人の力で世界最高水準の金融ガバナンスを実現してきた国です。ただし、世界の金融の標準がオンチェーンへ移っていくのであれば、日本だけが旧いインフラに留まる選択肢はありません。幸い、日本の法整備は世界に先行しており、円建てステーブルコインやST市場はすでに動き始めています。世界標準の移行に日本が遅れないようにすること、それが当社Pacific Metaのミッションです。当社は創業以来ブロックチェーン領域で、大手企業との研究開発・コンサルティングと、AI×ブロックチェーン領域のプロダクト(本資料で紹介したAutoFund)に取り組んでいます。

この領域で働くことに関心のある方へ

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巻末用語集

本文でつまずいた言葉があれば、こちらをご覧ください。

用語集全24語
用語説明
ブロックチェーン中央の仲介者なしで取引できる、改ざん困難なデータベース(台帳)の技術です
スマートコントラクト事前に定めた条件が満たされると、契約内容がプログラムで自動実行される仕組みです
ウォレットブロックチェーン上の口座にあたるものです。資産の保有・送金・受け取りに使います
秘密鍵ウォレットの持ち主であることを証明する暗号情報です。銀行の暗証番号にあたります
ガス代(ネットワーク手数料)ブロックチェーンで取引するときに、取引を検証・記録するネットワークの維持者へ支払う手数料です
ステーブルコイン価格が1ドルや1円に固定されるよう設計されたデジタルのお金です。現金や国債を裏付けに発行されます
発行体ステーブルコインやトークンを発行し、その裏付け資産を管理する主体のことです
償還トークンを発行体に戻し、裏付けとなる法定通貨や資産で払い戻しを受けることです
USDT/USDCドル建てステーブルコインの上位2銘柄です。USDTはTether社、USDCはCircle社が発行しています
暗号資産ブロックチェーン上で発行・取引される資産の総称です。ビットコインはその最初の例です
Ethereum(イーサリアム)スマートコントラクトを備えた代表的なブロックチェーンです。多くの金融アプリケーションの基盤になっています
DeFi銀行などの仲介者を介さず、ブロックチェーン上のプログラムが自動で提供する金融サービスの総称です
プロトコルブロックチェーン上で自動で動く金融サービスの仕組み・プログラムのことです。本文のAaveやLidoが代表例です
TVLプロトコルに預けられている資産の合計額です。オンチェーン金融の「預かり資産」にあたります
トークン化株式・国債・不動産などの資産を、ブロックチェーン上のデジタル証券に変換することです
RWAトークン化された現実資産(Real World Assets)のことです。国債やファンド、不動産が中心です
ST(セキュリティトークン)日本の法制度上のデジタル証券です。不動産や社債の小口投資に使われています
ETF(上場投資信託)証券取引所に上場し、株式と同じように売買できる投資信託です
ステーキングブロックチェーンの運営(取引の検証)に資産を預け、報酬を得る仕組みです
デリバティブ先物やオプションなど、資産の価格変動を売買する金融商品の総称です
流動性売りたいときに売れ、買いたいときに買える状態のことです。取引が活発な市場ほど流動性が高くなります
オンチェーンブロックチェーン上で処理・記録されている状態を指します
KYC金融機関が口座開設時に行う本人確認のことです
AIエージェント人の指示を待たず、自律的に判断してタスクを実行するAIのことです