ビットコインマイニング大手のRiot Platforms(ライオット・プラットフォームズ)が、2026年第1四半期に約2億8,950万ドル相当のビットコイン(BTC)を売却したことが明らかになりました。マイニング業界全体で、保有資産を売却してAI(人工知能)やハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)インフラへ投資する動きが加速しており、業界の構造変化が鮮明になっています。
マイニング企業の資産売却とAIインフラへの戦略シフト
Riot Platformsが発表した2026年第1四半期の運用報告によると、同社は期間中に3,778 BTCを、1 BTCあたり平均76,626ドルで売却しました。四半期末時点での同社の保有量は15,680 BTC(約11億ドル相当)となっており、そのうち5,802 BTCは担保として提供されています。
こうした大規模な売却は同社に限ったことではなく、業界全体で見られる傾向です。
- MARA(旧Marathon Digital): 2026年3月に約11億ドル相当(15,133 BTC)を売却。AI計算インフラへの転換を背景に、バランスシートの強化を図っています。
- Core Scientific: 2026年1月に1,900 BTCを売却。同社もAI分野へのシフトを進めており、第1四半期中に全保有ビットコインを売却する方針を示しています。
Riot PlatformsもAIおよびHPCインフラへの事業拡大を進めており、今回の売却もこうした戦略的な資金配分の一環である可能性があります。
運用能力の拡大と生産効率の変化
ビットコインの生産面では、Riot Platformsの2026年第1四半期の採掘量は1,473 BTCとなり、前年同期の1,530 BTCから約4%減少しました。
一方で、同社のハードウェア運用能力は大幅に向上しています。
- デプロイ済みハッシュレート: 四半期末時点で42.5 EH/s(エクサハッシュ/秒)に達し、前年同期比で26%増加しました。
- 平均稼働ハッシュレート: 36.4 EH/sとなり、前年比で23%向上しています。
生産量が微減する一方で運用能力が拡大している背景には、ネットワーク全体のディフィカルティ(採掘難易度)の上昇や、設備投資による規模の経済の追求があると考えられます。
米国における規制とプロダクトの進展
マイニング業界の動向と並行して、米国では機関投資家の参入を後押しする重要な動きが続いています。
- Coinbaseの信託憲章承認: 米通貨監督庁(OCC)は、Coinbase(コインベース)に対し、国内信託憲章(National Trust Charter)の条件付き承認を与えました。これにより、同社の信託業務における規制上の地位が強化されることとなります。
- Circleによる新たなラップドトークン: ステーブルコイン「USDC」の発行元であるCircle(サークル)は、ビットコインのラップドトークン「cirBTC」の計画を発表しました。これにより、ビットコインの流動性を他のブロックチェーンエコシステムへ展開する動きが加速すると見られます。
ポイント
- Riot Platformsが2026年第1四半期に3,778 BTC(約2.9億ドル)を売却。
- 大手マイニング各社が、AIやHPCインフラへの投資資金を確保するためにビットコインを売却する傾向が強まっている。
- Riot Platformsのハッシュレートは前年比26%増の42.5 EH/sに到達し、運用規模は拡大。
- CoinbaseがOCCから信託憲章の条件付き承認を取得し、規制遵守体制を強化。
- Circleがビットコインのラップドトークン「cirBTC」を計画しており、資産の相互運用性向上が期待される。