BOOSTRY(ブーストリー)は2026年4月2日、2025年度の国内セキュリティ・トークン(ST:ブロックチェーン等の技術を用いて発行されるデジタル証券)市場に関する総括レポートを公開しました。同レポートによると、2025年度の公募ST発行額は単年度で1650億円に達し、累計発行額は前年度比で約2倍となる3333億円を記録しています。不動産を裏付けとした案件が市場の大部分を占める一方で、対象資産の多様化や二次流通市場の進展が見られるなど、国内の金融インフラとしての定着が進んでいると見られます。
発行額は前年度比で約2倍に拡大、大型案件の組成も加速
2025年度の国内ST市場は、公募による発行額が単年度で1650億円となり、累計では3333億円に到達しました。前年度と比較して市場規模は約2倍に拡大しており、発行されたトークン数も累計で82本(うち2025年度は24本)となっています。
この成長の背景には、1案件で100億円を超える大型案件が計7本組成されたことがあります。また、アセットマネージャーや地域金融機関といった多様な事業者の新規参入が続いており、市場のプレイヤーが多層化していることが示されています。
不動産アセットが中心も、資産の多様化と二次流通が伸展
アセット別の内訳では、不動産を裏付けとした特定受益証券発行信託型のSTが1408億円と、全体の約85%を占めています。次いで社債(204億円)、プライベートエクイティ(24億円)、不動産裏付けの匿名組合出資持分(14億円)となっており、依然として不動産が市場を牽引する構図が続いています。
一方で、資産の多様化も進んでいます。プライベートエクイティやベンチャーキャピタルを対象としたSTが登場したほか、大阪デジタルエクスチェンジ(ODX)において初となる社債の取扱いが開始されました。二次流通市場については、ODXが運営する「START」において、2026年3月末時点で8つのトークンが取引されており、時価総額は336億円規模となっています。不動産STにおいて想定を上回る早期償還の事例が複数確認されていることも、流通市場の動向として報告されています。
2026年度には累計5300億円規模への成長を予測
BOOSTRYは今後の市場展望について、2026年度の公募ST発行額は単年度で2000億円に達すると予測しています。これにより、累計発行額は5300億円規模まで拡大する見込みです。対象資産の広がりや二次流通の活性化を背景に、国内ST市場はさらなる拡大フェーズに入ると予測されます。
ポイント
- 累計発行額が3333億円に達し、前年度から約2倍の急成長を遂げた点。
- 発行額の約85%を不動産関連が占めているが、社債やプライベートエクイティなど資産の多様化が始まっている点。
- 100億円超の大型案件が7本誕生し、多様な事業者の参入により市場の厚みが増している点。
- 大阪デジタルエクスチェンジ(ODX)の「START」を通じた二次流通が進行し、時価総額336億円規模の取引基盤が構築されている点。
- 2026年度には単年度で2000億円の発行が見込まれ、累計5300億円規模へ到達するという継続的な成長予測が示された点。