金融庁がディーカレットDCPら3社によるトークン化預金の実証実験を採択、銀行間決済の高度化を検証

ディーカレットDCP、GMOあおぞらネット銀行、アビームコンサルティングの3社は、トークン化預金(ブロックチェーン技術を用いてデジタル化された預金)を活用した銀行間決済の高度化に関する実証実験を開始します。この取り組みは、金融庁が革新的なフィンテック実証を支援する「FinTech実証実験ハブ」の支援案件として採択されました。ブロックチェーン上でユーザー間の取引と銀行間の決済を完結させることで、既存の金融インフラにおける課題解決を目指します。

オンチェーン決済の普及に伴う銀行間決済の課題解決へ

金融庁がディーカレットDCPら3社によるトークン化預金の実証実験を採択、銀行間決済の高度化を検証

近年、ブロックチェーン技術を活用したトークン化預金やステーブルコイン(法定通貨等と価値が連動するように設計されたデジタル資産)による決済が普及しつつあります。これに伴い、複数の銀行をまたいでユーザーがデジタル資産を移動させる際、その背後で行われる銀行間の資金精算をいかに効率化するかが業界の課題となっていました。

今回の実証実験では、オンチェーン(ブロックチェーン上)でのユーザー間取引に伴って発生する銀行間決済についても、同じくオンチェーン上で完結させることを基本方針としています。24時間365日の稼働が可能な即時グロス決済(取引ごとに即座に決済を行う方式)を導入することで、決済リスクの低減、必要となる流動性の圧縮、および銀行側の業務負荷軽減を目指し、その適法性と実現性を検証するとしています。

「幹事行方式」と「連携方式」の2手法を検証

本実証実験では、主に以下の2つの実現方式が検証の対象となります。

一つ目は「幹事行方式」です。これは特定の民間銀行が幹事行となり、トークン化預金によるユーザー間の送金と、幹事行内での銀行間決済を同時に処理する仕組みです。

二つ目は「連携方式」です。ユーザー間の送金に伴う銀行間決済の処理に、ステーブルコインを活用する手法です。

これらの手法を通じて、法的な論点の整理や、システムとしての実効性が精査される見通しです。

金融庁「FinTech実証実験ハブ」による支援と実施体制

本プロジェクトは、金融庁の「FinTech実証実験ハブ」内に設置された「決済高度化プロジェクト(PIP)」における3件目の支援案件となります。ハブ全体としては14件目の採択です。

実施にあたっては、ディーカレットDCPが申請代表、GMOあおぞらネット銀行が代表銀行、アビームコンサルティングが事務局を務めます。また、北陸銀行をはじめとする複数の金融機関も参加を予定しています。民間企業と当局が連携し、次世代の金融インフラのあり方を検証する取り組みとして注目されます。

ポイント

・金融庁の支援を受け、トークン化預金を用いた銀行間決済の効率化を検証する。

・24時間365日の即時決済により、決済リスクの低減と流動性の効率化を目指す。

・「幹事行方式」と「ステーブルコイン連携方式」の2つの実現手法を比較検証する。

・銀行実務におけるブロックチェーン活用の適法性と実用性を明らかにする点で重要とされる。

・地方銀行を含む複数の金融機関が参加し、実務への適用を見据えた構成となっている。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、ブロックチェーン領域を中心に、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン(ST)、ステーブルコイン、NFTなどのトークン活用を専門とする編集チームです。Web3・ブロックチェーン領域に特化したコンサルティングファームである株式会社Pacific Metaが、国内外41カ国・150社以上のプロジェクトを支援してきた知見をもとに、記事の企画・監修を行っています。

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