FIFAが2026年W杯の公式予測市場を開設 独自ブロックチェーンで大規模需要に対応

国際サッカー連盟(FIFA)は、2026年6月から開催されるワールドカップに向けて、ADI ChainのPredictstreetと提携し、公式の予測市場を立ち上げました。この市場はFIFA独自のレイヤー1ブロックチェーン上で稼働し、世界中のファンに対して透明性の高い取引環境を提供します。開幕まで70日を控えた2026年4月時点で、賭け金総額はすでに1200万ドルを突破しており、Web3技術を活用したファンエンゲージメントの規模が急速に拡大しています。

FIFA独自のインフラ構築と技術的背景

FIFAが2026年W杯の公式予測市場を開設 独自ブロックチェーンで大規模需要に対応

FIFAは今回の予測市場を運営するため、2025年半ばに立ち上げた独自のレイヤー1ネットワークを活用しています。このネットワークはAvalanche(アバランチ)のサブネットアーキテクチャを採用しており、特定の目的のためにカスタマイズされた独立したブロックチェーンとして機能します。

このインフラは、イーサリアム仮想マシン(EVM)と完全な互換性を持っているため、MetaMask(メタマスク)などの広く普及している暗号資産ウォレットから直接アクセスすることが可能です。処理能力は毎秒最大6500件(TPS)に達し、ワールドカップのような世界規模のイベントで発生する高頻度な取引をサポートする設計となっています。FIFAは以前、Algorand(アルゴランド)上で展開していたデジタル収集品プラットフォーム「FIFA Collect」もこの独自チェーンに移行させており、チケットシステムやゲーム体験を含めた包括的なデジタルエコシステムの構築を進めています。

急成長する予測市場と日本代表への評価

予測市場セクターは過去1年で劇的な成長を遂げています。TRM Labsのレポートによると、予測市場全体の月間取引量は2025年初頭の12億ドルから、2026年1月には200億ドル以上に急増しました。Polymarket(ポリマーケット)などの既存プラットフォームでもユーザー数が過去最高水準に達しており、ワールドカップの開催がこの傾向をさらに加速させています。

2026年4月6日時点の予測市場データでは、日本代表(サムライブルー)に対する関心も高まっています。日本がグループFを首位で通過する確率は28%と評価されており、3月に行われたイングランドとの親善試合での勝利を受けて数値が上昇しました。決勝トーナメント進出の確率は92%と非常に高く見積もられている一方で、大会全体での優勝確率は約2%にとどまっており、依然としてダークホース的な立ち位置と見なされています。

規制の明確化とエコシステムの拡大

今回の予測市場の盛り上がりの背景には、規制環境の整備も影響していると見られます。2026年3月25日には、米国の証券取引委員会(SEC)および商品先物取引委員会(CFTC)が、スポーツ関連のファントークンを「デジタルコレクティブル」として認める分類を共同で発表しました。

この決定を受けて、主要なGameFiプロトコルであるChiliz(チリーズ)のネイティブトークン(CHZ)が一時17%上昇するなど、市場はポジティブに反応しています。規制の明確化により、米国市場を含む広範な地域での普及に道が開かれた形です。また、日本国内においてもSorare(ソラーレ)などのプラットフォームを通じて、ファンタジースポーツのエコシステムが定着しつつあり、大会期間中にはオンチェーンでの活動がさらに活発化する可能性があります。

ポイント

  • FIFAがADI Predictstreetと提携し、2026年W杯の公式予測市場を独自チェーン上で開始しました。
  • インフラにはAvalancheのサブネット技術が活用され、毎秒6500件の取引処理とEVM互換性を実現しています。
  • 予測市場全体の月間取引量は200億ドルを超え、リテール主導の急成長セクターとして注目されています。
  • 日本代表のグループリーグ突破確率は92%と高い評価を得ている一方、優勝確率は約2%と予測されています。
  • 米国当局によるファントークンの分類定義など、規制の明確化がスポーツ関連Web3市場の追い風となっています。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、ブロックチェーン領域を中心に、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン(ST)、ステーブルコイン、NFTなどのトークン活用を専門とする編集チームです。Web3・ブロックチェーン領域に特化したコンサルティングファームである株式会社Pacific Metaが、国内外41カ国・150社以上のプロジェクトを支援してきた知見をもとに、記事の企画・監修を行っています。

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