世界最大の資産運用会社であるブラックロックが、Nasdaq-100指数に連動する新たなETF(上場投資信託)の提供に向けて、米証券取引委員会(SEC)に書類を提出しました。ティッカーシンボル「IQQ」として計画されているこの新ファンドは、長年同指数において市場を独占してきたインベスコの「QQQ」に直接挑戦するものです。業界では、ブラックロックが競合を上回る低コストを提示することで、テック系ETF市場のシェアを大きく塗り替える可能性があると注目されています。
信託報酬の引き下げによる直接的な競争
ブラックロックが申請した「iShares Nasdaq-100 ETF(IQQ)」の最大の武器は、その低価格な手数料設定にあると見られています。ETFアナリストのエリック・バルチュナス氏の予測によると、IQQの信託報酬(管理費用)は0.12%(12ベーシスポイント)程度に設定される可能性があります。
これは、現在市場をリードしているインベスコの主力商品「QQQ」の0.18%や、その低コスト版である「QQQM」の0.15%をさらに下回る水準です。ブラックロックは、投資コストに敏感な長期投資家や機関投資家をターゲットに、価格競争を通じて市場シェアの獲得を狙っていると見られます。
インベスコによる独占状態の終焉と市場への影響
Nasdaq-100指数は、ナスダック市場に上場する金融セクターを除く時価総額上位100社で構成される指数です。1985年の指数算出開始以来、ナスダック取引所はライセンス供与に慎重な姿勢を取ってきました。そのため、米国市場において同指数を直接追随する純粋なETFは、事実上インベスコの独占状態が続いていました。
インベスコが運用する「QQQ」の運用資産残高(AUM)は約3,740億ドル、「QQQM」は約700億ドルに達しており、ウォール街でも屈指の収益性を誇る独占市場となっています。今回、ブラックロックがこの市場に参入することは、インベスコ以外の運用会社が米国で直接的なNasdaq-100連動ETFを提供する初の事例の一つになるとされており、投資家にとっては選択肢の拡大とコスト低減というメリットをもたらすと期待されています。
ポイント
- ブラックロックがiSharesブランドでNasdaq-100連動ETF「IQQ」をSECに申請しました。
- 予想される信託報酬は約0.12%とされており、インベスコの既存製品(0.18%および0.15%)を下回る見込みです。
- Nasdaq-100指数を直接追随するETFにおいて、インベスコ以外の運用会社が参入するのは米国市場で極めて稀なケースとされています。
- 業界最大手のブラックロックが参入することで、テック系銘柄への投資資金の流入経路が再編される可能性があります。
- 投資コストの低減は、Web3を含むテクノロジー分野へ投資するビジネスパーソンにとっても、ポートフォリオの効率化に寄与する重要な動向です。