世界最大の暗号資産取引所バイナンスの創業者であるチャンポン・ジャオ(CZ)氏が、自身の半生と会社の法的危機を綴った回顧録を現地時間の火曜日に出版しました。本書は、米当局への有罪認否や服役生活、さらには規制当局関係者との初期の接点について、同氏の視点から詳細に語られた初の公式な記録です。業界を牽引してきた人物による手記は、Web3業界のビジネスパーソンにとって、規制対応やガバナンスの重要性を再認識させる貴重な資料となっています。
法的危機の経緯と4ヶ月間の服役生活
ジャオ氏は本書の中で、バイナンスが直面した法的危機について自身の見解を述べています。同氏はマネーロンダリング防止(AML:犯罪収益の洗浄を防ぐための規制)違反および米国の制裁違反について有罪を認めており、その背景にある経緯が詳細に記されています。
また、有罪判決後、米連邦刑務所で過ごした4ヶ月間の経験についても触れられています。外部の報道や検索情報によれば、同氏はカリフォルニア州の施設で服役し、その期間の大半をこの原稿の執筆に充てたとされています。世界的な企業のトップから受刑者となった経験、そしてそこからどのように自身の再起を捉えているかが、当事者の言葉で綴られている点が特徴です。
規制当局や業界競合との複雑な関係性
本書の注目点の一つは、米証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長との初期の関係についての記述です。ジャオ氏によれば、ゲンスラー氏がSEC委員長に就任する以前の2018年、バイナンス側から同氏に対して顧問(アドバイザー)への就任を打診した経緯があるとされています。最終的にこの提案は拒否されましたが、その後の規制当局による厳しい追及を知る上で、両者の初期の接点は興味深い事実として描かれています。
さらに、検索情報に基づくと、本書ではFTXの創業者であるサム・バンクマン=フリード氏とのライバル関係や、2022年のFTX破綻時のやり取りについても言及されているとされています。これらは、当時の市場に甚大な影響を与えた出来事の裏側を、当事者の視点から補完する情報として価値があります。
慈善活動への寄付と今後の位置づけ
ジャオ氏は、この回顧録から得られるすべての収益を慈善活動に寄付することを表明しています。同氏はバイナンスのCEOを退任した後、教育や慈善プロジェクトに注力する姿勢を見せており、本書の出版もその一環と位置づけられています。
また、2025年10月には当時のドナルド・トランプ大統領から恩赦を受けたとの報道もあり、法的な制約から解放された状態での出版となりました。本書は、一人の起業家がいかにして巨大なプラットフォームを築き、規制という壁に直面し、そこから何を学んだかを示す業界の歴史的な記録としての側面を持っています。
ポイント
・バイナンス創業者CZ氏による回顧録『Freedom of Money』が火曜日に出版されました。
・マネーロンダリング防止法違反を認めた経緯や、4ヶ月間の服役生活について同氏の視点で詳述されています。
・SECのゲンスラー委員長に対し、過去に顧問就任を打診していたなどの初期の接点が明かされています。
・本書の収益はすべて慈善活動に寄付される予定であり、同氏の社会貢献への姿勢が示されています。
・世界最大の取引所が直面した法的危機と規制当局との交渉過程は、今後のWeb3ビジネスにおけるコンプライアンスの重要性を理解する上で注目されます。