東急不動産および東急リゾーツ&ステイが運営する「東急ステイ公式宿泊権リセールサービス」において、株式会社POCKET RDが自社のWeb3 BaaS「Digital Double」を提供したことが2026年4月9日に発表されました。このサービスはホテルの宿泊予約をNFT化し、二次流通を可能にすることで、宿泊業界におけるキャンセル問題の解決を目指すものです。
NFT活用による宿泊予約の流動化と業界課題の解消
「東急ステイ公式宿泊権リセールサービス」は、ホテルの宿泊予約をNFT(非代替性トークン)として発行する仕組みを採用しています。予約者が急な予定変更などで宿泊できなくなった際、その宿泊権を公式の二次流通市場で他者に売買することが可能です。
この取り組みは、宿泊業界が長年抱えてきた「直前のキャンセル問題」や「需給のミスマッチ」の解消を目的としています。宿泊者にとっては、返金不可のプランでも権利を譲渡できる選択肢が生まれ、ホテル側にとっては空室リスクの低減や新たな宿泊機会の創出につながるとされています。
POCKET RDの「Digital Double」によるWeb3インフラ構築
今回のシステム構築において、POCKET RDはWeb3 BaaS(Blockchain as a Service、ブロックチェーン技術をパッケージ化して提供するクラウドサービス)である「Digital Double」を活用しました。同社は以下の技術領域を担当しています。
- 宿泊権のNFT化(トークン設計)
- ウォレット管理機能の提供
- 二次流通マーケットの実装
- ブロックチェーンインフラの構築
「Digital Double」は、専門知識や開発コストを抑えつつ、NFTやウォレットを活用したサービスを短期間で実装できるソリューションとされています。今回の事例では、利用者がブロックチェーン技術を意識することなく、安全に宿泊権を取引できる環境が整備されました。
全国展開と社会実装への期待
本サービスは2026年1月に一部施設で開始されましたが、先月末より全国の施設へと導入が拡大されています。また、一般社団法人日本Web3ツーリズム協会が主催する「Japan Tourism NFT Awards 2025」のオープンカテゴリー部門でグランプリを受賞するなど、観光分野におけるWeb3社会実装のモデルケースとして評価されています。
東急不動産グループは、これまでもニセコでのスキーNFT発行や長崎でのローカルDAO構築など、Web3技術を実ビジネスに統合する取り組みを推進してきました。今回の宿泊権リセールサービスの全国展開は、30万人規模の潜在的なウォレット利用圏を見据えた、Web3の本格的な実用化フェーズへの移行を示すものと見られます。
ポイント
- ホテルの宿泊予約をNFT化し、公式市場での二次流通(再販売)を可能にするサービス。
- POCKET RDのWeb3 BaaS「Digital Double」が、NFT発行から二次流通までの技術基盤を支援。
- 宿泊業界の課題である直前キャンセルによる損失や、予約のミスマッチの解消を目指す。
- 2026年3月末より全国の東急ステイ施設へ導入を拡大し、実社会への普及が進んでいる。
- 観光分野におけるWeb3活用の先進事例として「Japan Tourism NFT Awards 2025」グランプリを受賞。