ブータン政府の投資部門であるドゥルック・ホールディングスが、約320 BTC(約2300万ドル相当)のビットコインを移動させたことが明らかになりました。同国は2024年末のピーク時と比較してビットコインの保有量を約70%減少させており、資産の売却を加速させているとみられます。これらの資金は、国家規模の開発プロジェクトであるゲレプー・マインドフルネス・シティの財源に充てられる見通しです。
約2300万ドル相当の資産移動と売却の動き
ブロックチェーン分析プラットフォームのOnchain Lensの報告によると、2026年4月8日、ブータン政府系ファンドのドゥルック・ホールディングスが合計319.7 BTCを移動させました。このうち約250 BTCは以前に売却目的で使用されたウォレットへ送られ、残りの69.7 BTCは新しい別のアドレスへ移動されています。
今回の移動分は、現在のレート(1ドル=160円換算)で約2267万ドル(約36億2720万円)に相当します。ブータン政府は2026年に入ってから、これまでに合計2億1570万ドル相当のビットコインを移動させており、そのうち約1億6260万ドル分がラベルのないウォレットへ送付された後、売却された可能性が高いと分析されています。
ビットコイン保有量はピーク時から大幅に減少
ブータンのビットコイン保有量は、2024年末のピーク時と比較して約70%減少しています。現在の残高は約3954 BTCとなっており、国家資産としての暗号資産(仮想通貨)の構成が大きく変化しています。
同国はこれまで、豊富な水力発電による電力を活用した国家主導のマイニング(採掘)を通じてビットコインを蓄積してきました。しかし、直近1年以上にわたってマイニングによる大きな資産流入が確認されていないことから、マイニング活動を大幅に縮小、あるいは停止している可能性も指摘されています。現時点で、政府からの公式な停止発表は行われていません。
国家プロジェクト「ゲレプー・マインドフルネス・シティ」への投資
一連のビットコイン売却は、ブータンが進める大規模な国家開発プロジェクト「ゲレプー・マインドフルネス・シティ」の資金を確保するための戦略的な動きとみられています。
このプロジェクトは、持続可能なビジネスや経済ハブの構築を目指す特別経済特区であり、マイニングによってほぼゼロコストで蓄積したビットコインを現預金化することで、インフラ整備や都市開発の財源に充てる狙いがあるとされています。ビットコインを単なる貯蔵資産としてではなく、国家の成長を支える流動性バッファーとして活用するブータン政府独自の経済戦略が鮮明になっています。
ポイント
・2026年4月8日に約320 BTC(約2300万ドル相当)が移動され、その多くが売却用ウォレットへ送付されました。
・2024年末のピーク時からビットコイン保有量は約70%減少しており、現在の残高は約3954 BTCです。
・売却益は、国家プロジェクトであるゲレプー・マインドフルネス・シティの資金に充てられるとみられます。
・過去1年間、マイニングによる顕著な流入が見られないことから、国家主導の採掘事業が縮小している可能性があります。
・ビットコインを国家開発の直接的な財源として活用する、ブータン政府の具体的な出口戦略が注目されます。