TONブロックチェーンが大幅アップグレード、処理速度が10倍に向上

TONブロックチェーンが大幅アップグレード、処理速度が10倍に向上

Telegramの創設者であるパベル・デュロフ(Pavel Durov)氏は、TON(The Open Network)ブロックチェーンが大規模なアップグレードを完了し、処理速度が従来の10倍に向上したことを発表しました。このアップデートにより、取引の確定時間は1秒未満へと短縮され、ネットワークの利便性が劇的に改善されています。今回の刷新は、TONが掲げるエコシステム拡大に向けた重要な一歩と位置づけられています。

取引確定時間の短縮とユーザー体験の向上

TONブロックチェーンが大幅アップグレード、処理速度が10倍に向上

デュロフ氏が4月9日に発表した内容によると、今回のアップグレードによってTONブロックチェーン上の取引は1秒未満で確定(ファイナリティ)するようになりました。アップグレード以前は、ユーザーが取引の確定を待つ時間は5秒以上に及んでいました。

処理速度が10倍に向上したことで、ユーザーはほぼリアルタイムでの決済やアプリケーション操作が可能になります。同氏は「TONブロックチェーンがアップグレードされ、10倍高速になった」と述べており、この改善がネットワーク全体のパフォーマンスを底上げしたことを強調しています。

技術的背景と「Catchain 2.0」の導入

今回の高速化は、コンセンサスアルゴリズム(ネットワークの合意形成の仕組み)の更新によって実現されたとされています。検索情報によれば、今回のアップデートでは「Catchain 2.0」という新しいメカニズムが導入されました。

これにより、ブロックの生成速度は従来の6倍に加速し、約400ミリ秒ごとに新しいブロックが生成されるようになったと報告されています。技術的な構成としては、データ転送をリアルタイムで行うストリーミングレイヤーの導入などが含まれており、これらが組み合わさることで「1秒未満の確定」という高いパフォーマンスが達成されたと見られます。

「Make TON Great Again」に向けたロードマップ

デュロフ氏は、今回のアップグレードを「Make TON Great Again(MTONGA)」と称する全7段階の計画の第1段階であると説明しています。この計画は、TONをより強力で使いやすいブロックチェーンへと進化させるための包括的なロードマップです。

次のステップとしては、すでに安価に設定されている取引手数料をさらに6分の1に削減することが計画されています。また、ブロック生成速度の向上に伴い、バリデータ(ネットワークの検証者)への報酬が増加することで、ステーキングのインセンティブが強化される可能性も指摘されています。これに伴い、新規発行されるToncoinによる年間インフレ率が、一時的に従来の0.6%から3.6%程度に上昇するとの予測もありますが、ステーキングへの参加者が増えることで新たな均衡点に落ち着くと見られています。

ポイント

  • TONブロックチェーンがアップグレードされ、全体の処理速度が従来の10倍に向上しました。
  • 取引の確定時間が5秒以上から1秒未満へと短縮され、即時性が大幅に改善されています。
  • 技術的には「Catchain 2.0」の導入により、ブロック生成速度が6倍に加速したとされています。
  • 今回の刷新は全7段階からなる「MTONGA」計画の第1段階であり、エコシステムの拡大を目的としています。
  • 次の段階では、ネットワーク手数料をさらに6分の1に削減することが予定されています。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、ブロックチェーン領域を中心に、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン(ST)、ステーブルコイン、NFTなどのトークン活用を専門とする編集チームです。Web3・ブロックチェーン領域に特化したコンサルティングファームである株式会社Pacific Metaが、国内外41カ国・150社以上のプロジェクトを支援してきた知見をもとに、記事の企画・監修を行っています。

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