デジタルIDプロジェクトのWorldは、ネイティブトークンであるWLDのアンロック速度を2026年7月24日から大幅に引き下げると発表しました。今回の変更により、全体のアンロック率は約43パーセント減少し、市場へのトークン供給ペースが鈍化する見通しです。供給の増加スピードを調整することは、市場における売り圧力の緩和や価格の安定性に影響を与える可能性があるため、プロジェクトの長期的なトークノミクス(トークンの経済設計)において重要な施策となります。
アンロック計画の具体的な変更内容とスケジュール
今回の発表によると、供給ペースの調整は2026年7月24日から実施されます。具体的な内訳として、コミュニティ向けトークンのアンロック量は従来の1日あたり320万WLDから160万WLDへと50パーセント削減されます。また、開発チームおよび投資家向けについても、1日あたり190万WLDから130万WLDへと約32パーセント削減される計画です。
これにより、全体では1日あたり約510万WLD供給されていたものが、約290万WLDへと縮小されます。Worldのトークン設計では、特定の期日に大量のトークンが解放されるアンロック・クリフが存在せず、15年間にわたって日次で段階的に供給を続ける平準化されたモデルが採用されています。今回の変更は、この継続的な供給の枠組みを維持しつつ、そのスピードを緩やかにするものです。
プロジェクトの背景と現在の流通状況
Worldは、OpenAI(オープンAI)のCEOであるサム・アルトマン氏が共同創業者を務めるTools for Humanity(ツールズ・フォー・ヒューマニティ)が主要開発を担うプロジェクトです。ユーザーが唯一無二の人間であることを証明するデジタルIDを付与し、AIと人間を区別するためのインフラ構築を目指しています。
2026年4月時点の統計では、総供給量100億枚のうち約49億枚(49パーセント)がすでにアンロック済みであり、そのうち33億枚が市場で流通しています。発表当日、WLDの価格は約0.28ドルで推移し、前日比で約3パーセント上昇しました。時価総額は約9億ドル規模となっていますが、この価格変動が今回の発表のみによるものかは明確ではなく、市場全体の動向も影響している可能性があります。
ポイント
- 2026年7月24日より、WLDトークンの1日あたりのアンロック量が約510万枚から約290万枚へと削減されます。
- コミュニティ向け配分は50パーセント減、チームおよび投資家向けは約32パーセント減となり、全体で約43パーセントの供給減速となります。
- 急激な供給増を招くアンロック・クリフを設けない独自の設計を維持しつつ、市場への流入ペースを調整する狙いがあると見られます。
- AIと人間を区別するインフラ構築を目指すプロジェクトにおいて、長期的なトークン価値の安定化を図る施策として注目されます。