暗号資産運用会社のBitwise(ビットワイズ)は2026年4月10日、分散型取引所(DEX)であるHyperliquid(ハイパーリキッド)のネイティブトークン「HYPE」に連動する現物ETF(上場投資信託)の第2次修正届出書を米証券取引委員会(SEC)に提出しました。このETFはステーキング機能を組み込んでいる点が特徴で、承認されれば特定のプロトコル収益に裏打ちされたDeFi(分散型金融)関連の現物ETFとして米国初の事例となる可能性があります。
申請されたETFの概要と運用体制
提出された修正版の登録届出書「Form S-1」によると、同ETFの名称は「Bitwise Hyperliquid ETF」で、ティッカーシンボル「BHYP」としてNYSE Arcaへの上場を目指しています。
年間の運用手数料は0.67%に設定されました。大きな特徴として、信託資産となるHYPEトークンのステーキング機能が組み込まれており、これによって発生する報酬を投資家に還元する仕組みが含まれています。
資産の保管や管理体制についても具体的な指定がなされています。デジタル資産のカストディアン(保管業者)には、連邦規制対象のデジタル資産銀行であるAnchorage Digital(アンカレッジ・デジタル)が選定されました。また、検索情報によれば、現金の管理や純資産価値(NAV)の計算はBNYメロンが担当し、WintermuteやFlowdeskといった大手マーケットメイカーが取引相手方として名を連ねているとされています。
HYPE現物ETFを巡る各社の動向
HYPEの現物ETFを巡っては、Bitwise以外にも複数の資産運用会社が参入を競っています。
21Shares(21シェアーズ)は2025年10月に「21Shares HYPERLIQUID ETF」の届出書を提出しており、この分野における先駆けとなりました。続いてGrayscale(グレースケール)も2026年3月に「Grayscale HYPE ETF」の申請を行っています。
Bitwiseは欧州市場において、既に2026年4月9日にドイツ証券取引所のXetra(ゼトラ)でHYPEのステーキング機能を備えたETP(上場取引型金融商品)を上場させています。米国での今回の修正申請は、こうした欧州での実績を踏まえた動きと見られます。
Hyperliquid(ハイパーリキッド)の市場背景
ETFの対象となるHyperliquidは、永久先物(パーペチュアル)取引に特化した分散型取引所であり、独自のレイヤー1ブロックチェーン上で構築されています。
Hyperliquidは、中央集権型取引所(CEX)に近い操作性と、ブロックチェーンによる透明性・自己管理(セルフカストディ)を両立させている点が特徴です。2026年第1四半期時点での取引高や収益は、DeFiプロトコルの中でも極めて高い水準にあるとされています。
これまで米国の現物ETFはビットコインやイーサリアムといったインフラ層の資産が中心でしたが、特定の取引所プロトコルのトークンであるHYPEを対象としたETFの申請が進んでいることは、Web3業界のビジネスがより直接的に伝統的金融市場へと統合され始めていることを示唆しています。
ポイント
- BitwiseがHYPE現物ETFの修正届出書を提出し、ティッカー「BHYP」での上場を計画しています。
- 運用手数料は0.67%で、米国での現物ETFとしては珍しいステーキング報酬の還元機能が含まれています。
- カストディアンにはAnchorage Digitalが指定され、機関投資家向けの規制に準拠した体制が整えられています。
- 21SharesやGrayscaleもHYPE現物ETFの申請を行っており、資産運用各社による獲得競争が激化しています。
- HYPEは高い収益性を誇る分散型取引所Hyperliquidのトークンであり、DeFiプロトコルに特化したETFの先駆けとして注目されます。