CFTCのセリグ委員長、予測市場における不正追及を表明

米商品先物取引委員会(CFTC)のマイケル・セリグ委員長は、議会証言において予測市場における不正行為を厳格に追及する方針を明らかにしました。同氏は現在、5名で構成される委員会の唯一の委員という異例の状況にありますが、投資家保護のための規制策定を遅らせるべきではないと主張しています。予測市場が急速に拡大する中で、規制当局による監視体制の強化はWeb3業界の透明性確保に向けた重要な動きとなります。

不正行為への厳格な対処と監視体制の強化

CFTCのセリグ委員長、予測市場における不正追及を表明

セリグ委員長は米下院農業委員会の公聴会において、予測市場(イベントの結末を予測して売買する市場)における不正、操作、インサイダー取引に対して「法の全力を挙げて」対処すると証言しました。特に、政府の非公開情報を利用した疑いのある取引など、予測市場における複数の調査が現在進行中であることを認めています。

また、同委員長は職員数の減少という課題に対し、人工知能(AI)や自動化ツールを活用することで監視能力を補完していると説明しました。マイクロソフトの「Copilot」などのツールをワークフローに組み込むことで、複雑化するデジタル資産や予測市場の監視をより効率的かつ効果的に実施しているとしています。

単独委員による規制策定の継続

現在、CFTCは5名の委員枠のうちセリグ氏のみが承認されている「単独委員」の状態にあります。議会からは、本来は超党派の合意が必要な重要な規制策定を単独で進めることへの懸念も示されましたが、同氏はこれに反論しました。

セリグ委員長は、米国民の利益と市場の健全性を守るためには規制の策定を停滞させることはできないと述べ、既存の委員が自身一人であっても職務を遂行する姿勢を強調しています。これには、予測市場に関する連邦レベルでの排他的な管轄権の主張や、州ごとの賭博規制との整合性を図るためのルール作りが含まれます。

予測市場の管轄権と今後のスケジュール

CFTCは予測市場で取引されるイベント・コントラクト(特定の事象に関する契約)について、商品取引法に基づくデリバティブ(金融派生商品)としての管轄権を主張しています。これに対し、一部の州からは州法による賭博規制の対象であるとの反発も出ていますが、セリグ委員長は連邦法が優先されるとの立場を維持しています。

今後の展開として、CFTCは2026年3月に予測市場に関する規則制定案の事前通知(ANPRM)を発行しており、これに対するパブリックコメントを2026年4月30日まで募集しています。このプロセスを通じて、インサイダー取引の禁止や、テロ・暗殺・戦争といった公序良俗に反する契約の制限など、具体的な規制の枠組みが構築される見通しです。

ポイント

  • セリグ委員長は予測市場における不正やインサイダー取引に対し、厳格な法執行を行う方針を議会で表明しました。
  • 職員減少を補うため、AIを活用した高度な市場監視体制の構築を進めている点が注目されます。
  • 委員が自身一人という状況下でも、市場保護のために規制策定を継続する強い姿勢を示しています。
  • 予測市場をデリバティブとして連邦政府が管轄することを強調し、州法との境界線を明確にしようとしています。
  • 2026年4月末までパブリックコメントを募集しており、予測市場の法的枠組みが具体化する段階にあります。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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