米大手金融機関モルガン・スタンレーが提供するビットコイン現物ETF(上場投資信託)「Morgan Stanley Bitcoin Trust(MSBT)」への資金流入が加速しています。ローンチからわずか6営業日で、2024年1月から運用されている他社ETFの累計純流入額を塗り替えました。業界最低水準の手数料を背景とした急速な成長は、機関投資家による市場参入の勢いを象徴しています。
ローンチ短期間での急速な資金流入と低手数料戦略
モルガン・スタンレーのMSBTは、2026年4月8日のローンチからわずか6営業日で累計純流入額が1億300万ドル(約164億8000万円)に達しました。これにより、2024年1月の設立以来、約2年3カ月かけて8600万ドル(約137億6000万円)を積み上げてきたWisdomTree Bitcoin Fund(WBTC)を上回りました。
MSBTの急速な成長の要因の一つとして、業界最低水準である0.14%という手数料設定が挙げられます。Farside Investorsのデータによると、4月15日単体でも1930万ドル(約30億8800万円)の流入を記録しており、既存の投資信託からの乗り換えや新規資金の獲得が進んでいると見られます。
米国ビットコイン現物ETF市場の二極化
2026年4月15日の米国ビットコイン現物ETF全体では、1億8610万ドル(約297億7600万円)の純流入が記録されました。しかし、銘柄によって資金動向には大きな差が出ています。
最大手のBlackRock(ブラックロック)が提供するIBITには2億9190万ドル(約467億400万円)という突出した流入があった一方で、Fidelity(フィデリティ)のFBTCからは4730万ドル(約75億6800万円)、ARKBからは4220万ドル(約67億5200万円)の資金が流出しました。市場全体としてはプラス成長を維持しつつも、運用会社間でのシェア争いが激化している状況が伺えます。
主要金融機関による暗号資産市場への本格参入
モルガン・スタンレーの躍進に加え、他の大手金融機関の動きも活発化しています。かつて暗号資産に対して批判的な立場を取っていたGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)も、独自のビットコイン連動型ETFのローンチに向けてアメリカ証券取引委員会(SEC)へ申請を行いました。
現在、運用会社による暗号資産ETP(上場取引型金融商品)の申請が相次いでおり、伝統的な金融機関が暗号資産市場へ本格的に参入する流れが一段と加速しています。これは、ビットコインをはじめとする暗号資産が、機関投資家のポートフォリオにおいて一般的な投資対象として定着しつつあることを示唆しています。
ポイント
- モルガン・スタンレーのMSBTが、ローンチ後わずか6営業日で累計流入額1億ドルを突破しました。
- 業界最低水準の0.14%という手数料設定が、短期間での資金獲得に寄与した可能性があります。
- 2024年から運用されているWisdomTreeの累計流入額を、わずか1週間足らずで追い抜く異例の速さを見せています。
- ブラックロックへの一極集中が続く一方で、一部の既存ETFからは資金流出も見られ、市場の選別が進んでいます。
- ゴールドマン・サックスのETF申請など、大手金融機関の参入姿勢がより鮮明になっています。