スイスのフィンテック企業Taurusは、機関投資家向けカストディプラットフォーム「Taurus-PROTECT」において、レイヤー1ブロックチェーン「ZIGChain」のサポートを開始しました。ZIGChainはイスラム法(シャリア)に準拠した金融商品のために設計された初のレイヤー1とされており、4兆ドル(約600兆円)を超える規模のイスラム金融市場を見据えています。欧州の銀行水準のカストディ事業者がシャリア準拠のチェーンを直接サポートするのは今回が初めてであり、Web3業界におけるイスラム金融の普及を加速させる可能性があります。
ZIGChainのネイティブトークン「ZIG」の保管に対応
Taurusは2026年4月23日、自社のエンタープライズ向けインフラを通じてZIGChainのサポートを開始したと発表しました。これにより、銀行や金融機関、プロ投資家は、セキュリティとガバナンスが確保された「Taurus-PROTECT」を用いて、ZIGChainのネイティブトークンである「ZIG」を安全に保管・管理できるようになります。2018年に設立されたTaurusは、世界13拠点でデジタル資産の発行や保管を支えるインフラを提供しており、今回の対応によって顧客がアクセスできるネットワークの選択肢をさらに広げた形です。
イスラム法に準拠した独自のブロックチェーン技術
今回サポート対象となったZIGChainは、Cosmos SDK(ブロックチェーンを効率的に開発するためのソフトウェア開発キット)を基盤に構築されたレイヤー1ブロックチェーンです。最大の特徴は、イスラム教の法体系である「シャリア」に準拠した金融商品やオンチェーン投資戦略向けに設計されている点にあります。ZIGChainの共同創業者であるAbdul Rafay Gadit氏は、Taurusによるサポート開始について、機関投資家への展開に向けた重要な一歩であると述べています。
600兆円規模のイスラム金融市場への影響
世界のイスラム金融市場は4兆ドル(約600兆円)以上の規模に達するとされており、デジタル資産の領域でもその潜在需要が注目されてきました。Taurusのような欧州の銀行水準を満たすカストディ事業者が、シャリア準拠のネットワークを直接サポートすることは、これまで規制やコンプライアンスの観点から参入を躊躇していた金融機関にとって、新たな投資機会を提供するものと見られます。TaurusのマネージングディレクターであるBashir Kazour氏は、中立的なインフラを通じて、金融機関がデジタル資産エコシステムへ安全にアクセスできる環境を維持していく姿勢を強調しています。
ポイント
- スイスのTaurusが、シャリア準拠のレイヤー1「ZIGChain」のサポートを開始しました。
- ネイティブトークン「ZIG」の機関投資家向けカストディ(資産保管)が可能になります。
- 4兆ドル規模とされるイスラム金融市場への、Web3を通じたアクセスを容易にする狙いがあります。
- 欧州の銀行水準の事業者がシャリア準拠チェーンを公式にサポートする初の事例として注目されます。
- Cosmos SDKを基盤とするZIGChainの、機関投資家レベルでの採用拡大が期待されます。