ウィスコンシン州司法省は2026年4月23日、PolymarketやKalshiを含む5つのプラットフォームに対し、違法なスポーツ賭博を提供しているとして訴訟を提起しました。当局は、これらのプラットフォームが「イベント契約」と称して提供する取引が、実質的には州法で禁止されている商業的ギャンブルにあたると主張しています。急速に拡大する予測市場に対し、州レベルでの規制リスクが顕在化した事例として、業界に大きな影響を与える可能性があります。
訴訟の概要と対象企業
ウィスコンシン州のジョシュ・コール司法長官は、デーン郡の裁判所において3件の訴訟を提起したことを発表しました。提訴の対象となったのは、予測市場プラットフォームのPolymarket(ポリマーケット)およびKalshi(カルシ)、そしてKalshiの市場を自社サービス内で提供しているRobinhood(ロビンフッド)とCoinbase(コインベース)、さらにCrypto.com(クリプトドットコム)の計5社とその関連会社です。
今回の法的措置は、これらの企業がオンラインプラットフォームを通じて、スポーツの結果を対象とした取引を州民に提供していることを問題視したものです。当局は、これらの活動が州内のギャンブル規制を回避しながら行われている違法な商業的ギャンブルであると断定し、プラットフォームの活動停止を求めています。
当局が主張する違法性の根拠
ウィスコンシン州司法省の主張によれば、各プラットフォームで扱われる「イベント契約(特定の出来事の結果を予測する取引)」は、法的・実務的に通常のスポーツ賭博と区別がつかないものとされています。州法では、特定の部族による運営など限定的な例外を除き、商業的なスポーツ賭博は原則として禁止されています。
司法省は、これらの企業が1件の取引ごとに手数料を徴収している点を指摘し、違法な賭博行為を仲介することで利益を得ていると主張しました。また、一部のプラットフォームが「金融商品」としての側面を強調していることに対し、コール司法長官は、どのような名称であっても実態がスポーツの結果に金銭を賭ける行為である限り、州法を遵守する必要があるとの姿勢を明確にしています。
業界への影響と今後の展望
今回の訴訟は、連邦レベルでの規制議論が進む中で、州当局が独自の判断に基づいて予測市場への介入を強めたことを示しています。当局は、対象企業がウィスコンシン州の居住者に対してスポーツ関連のイベント契約を提供することを永久に禁止する差し止め命令を求めています。
特に、予測市場の基盤を提供する企業だけでなく、それらを統合して提供する大手金融・暗号資産プラットフォームも一斉に提訴されたことは、今後のWeb3ビジネスにおけるコンプライアンスの重要性を再認識させるものとなります。州レベルでの法的判断が、他州の規制当局の動向や、予測市場全体のビジネスモデルに波及する可能性が注目されます。
ポイント
- ウィスコンシン州司法省が、Polymarket、Kalshi、Coinbase、Robinhood、Crypto.comの5社を提訴しました。
- スポーツの結果を予測する「イベント契約」が、州法における違法な商業的ギャンブル(スポーツ賭博)に該当すると主張されています。
- 州当局は、対象企業が州内居住者に対してサービスを提供することを停止させるための差し止め命令を求めています。
- 予測市場が提供する「イベント契約」の実態が、既存のギャンブル規制の枠組みで厳しく問われる事例となりました。
- 連邦規制とは別に、州独自のギャンブル法に基づく規制リスクがプラットフォーム運営者にとっての大きな課題となることが示唆されます。