資産運用会社であるヨークビル・アメリカ・エクイティーズ(Yorkville America Equities)は、2026年5月19日に米国証券取引委員会(SEC)に対し、SNS「トゥルース・ソーシャル(Truth Social)」ブランドの暗号資産ETF(上場投資信託)3件の登録申請を撤回しました。同社は、1933年証券法に基づく従来の申請から、より投資家保護や運用の柔軟性に優れるとされる1940年投資会社法の枠組みへ製品開発の焦点を移行する方針を示しています。今回の撤回は、同社がより競争力のあるETF戦略を模索するための前向きな戦略転換と説明されています。
撤回された暗号資産ETFの概要と手続き
今回、ヨークビル・アメリカ・エクイティーズがSECから登録申請を撤回したETFは、以下の3件です。
- トゥルース・ソーシャル・ビットコインETF(Truth Social Bitcoin ETF)
- トゥルース・ソーシャル・ビットコイン&イーサリアムETF(Truth Social Bitcoin & Ethereum ETF)
- トゥルース・ソーシャル・暗号資産ブルーチップETF(Truth Social Crypto Blue Chip ETF)
これらのETFは2025年6月から7月にかけて申請されていたもので、いずれもSECによる登録の効力発生には至っておらず、有価証券の販売も行われていません。今回の撤回申請はSECの規則「Rule 477(a)」に基づいて行われました。また同社は、すでに支払った申請手数料を将来の申請に充当することを可能にする「Rule 457(p)」の適用も申請しています。
1940年投資会社法への移行理由
ヨークビル・アメリカ・エクイティーズは、今回の撤回について「後退しているのではなく、より強固な製品プラットフォームとともに前進している」と述べています。
同社が新たな開発基盤として選択した1940年投資会社法(40 Act)の枠組みは、従来の1933年証券法(33 Act)と比較して、以下のメリットがあるとされています。
- 投資家保護の強化
- 高い運用の柔軟性
- 機関投資家の販売チャネルへの広範なアクセス
同社のプレジデントであるスティーブ・ニームツ(Steve Neamtz)氏は、1940年投資会社法の構造を利用することで、1933年証券法の枠組みでは実現できなかった、差別化された投資戦略を投資家に提供できるようになると説明しています。一方で、今回の撤回において、1940年投資会社法の枠組みで新たな暗号資産ETFを具体的に再申請するかどうかについては、現時点で明言されていません。
ポイント
- 2026年5月19日、ヨークビル・アメリカ・エクイティーズが「トゥルース・ソーシャル」ブランドの暗号資産ETF3件(ビットコイン、ビットコイン&イーサリアム、暗号資産ブルーチップ)のSEC登録申請を撤回しました。
- 同社は、1933年証券法に基づく申請から、より投資家保護や運用の柔軟性に優れるとされる1940年投資会社法の枠組みへ戦略を転換する方針を示しています。
- 支払済みの申請手数料を将来の申請に充当する手続きを行っており、将来的に新たな金融商品の申請を行う可能性を残している点で注目されます。
- 同社プレジデントは「後退ではなく前進」と強調していますが、1940年投資会社法のもとで具体的にどのような暗号資産関連製品が再申請されるかは明言されておらず、今後の開発動向が注視されます。