米ドル連動型ステーブルコインであるUSDTなどを発行するテザー(Tether)社が、韓国において複数の商標申請を行ったことが明らかになりました。申請された商標には韓国ウォンとの連動を示唆する名称が含まれており、市場ではウォン連動型ステーブルコインの提供に向けた準備ではないかとの憶測が広がっています。この動きは、法規制の整備が進む韓国市場における同社の戦略的な布石として、Web3業界のビジネスパーソンから注目を集めています。
韓国における商標申請の背景と詳細
報道などによると、テザー社の運営企業であるTether Operations Limitedが、韓国特許庁(KIPRIS)に対して複数の商標出願を行いました。申請された商標の中には、同社の社名ロゴやゴールド裏付けのデジタル資産であるTether Gold(XAUT)のほか、韓国ウォンとの連動を強く連想させるKRWTやWONTETHERといった名称が含まれているとされています。
これらの商標の多くは、仮想通貨やコンピュータソフトウェアに直接関連する区分で申請されていると報じられています。同社はこれまで製品名を中心とした商標登録を行ってきましたが、今回のように社名ロゴや多様な関連商標をまとめて申請したことは、韓国市場への本格的な参入を視野に入れた準備段階である可能性が指摘されています。
規制対応と競合他社の動向
今回の商標申請の背景には、韓国国内で議論が進められている法規制への対応があると見られています。韓国では現在、海外のステーブルコイン発行体が国内で流通業務を行うにあたり、現地支社の設立を義務付けることなどを盛り込んだデジタル資産基本法の整備が議論されています。
また、ステーブルコイン市場における競合であるサークル(Circle)社の創設者兼CEOが今年4月に韓国を訪問し、現地の金融機関や取引所との連携を模索するなど、グローバルな発行体による韓国市場の開拓競争が活発化しています。テザー社の今回の動きは、こうした規制強化や競合の動向を先読みし、韓国内でのブランド保護や事業基盤を早期に確保するための先制的な措置であるとの見方が強まっています。
ポイント
- テザー社が韓国特許庁にKRWTやWONTETHERを含む複数の商標申請を行ったことが明らかになりました。
- この動きにより、韓国ウォンに価値を連動させた新たなステーブルコインが発行されるのではないかという憶測が市場で広がっています。
- 申請には社名ロゴやTether Gold(XAUT)なども含まれており、韓国市場への本格的な参入に向けた事前準備である可能性が指摘されています。
- 韓国で議論されているステーブルコイン規制(現地支社設立の義務化など)を見据え、競合他社に先んじて事業基盤を確保する意図があると見られています。