韓国の葬儀会社がイーサリアム連動レバレッジETFで約3300万ドルの含み損を抱える 規制の不備が浮き彫りに

韓国の葬儀会社がイーサリアム連動レバレッジETFで約3300万ドルの含み損を抱える 規制の不備が浮き彫りに

韓国の葬儀サービス大手であるブモサラン(Bumo Sarang)が、顧客の積立金を含む運用資金をイーサリアム関連の2倍レバレッジETFに投資し、約3300万ドルの巨額な含み損(未実現損失)を抱えていることが明らかになりました。この投資損失は同社の2025年監査報告書によって発覚し、韓国国内における葬儀積立金に対する規制の甘さに注目が集まっています。暗号資産市場のボラティリティが、本来安全に管理されるべき顧客資金にまで影響を及ぼした事例として、業界内外で大きな議論を呼んでいます。

約3300万ドルの巨額損失が発生した経緯

韓国の葬儀会社がイーサリアム連動レバレッジETFで約3300万ドルの含み損を抱える 規制の不備が浮き彫りに

韓国で7番目に大きな葬儀サービス会社であるブモサランは、イーサリアム(ETH)を大量に保有する企業であるビットマイン(Bitmine)の株価に対して2倍のレバレッジをかける「T-REX 2X Long BMNR Daily Target ETF」に、595億ウォン(約4000万ドル)を投資していました。

しかし、イーサリアムおよび関連市場の下落やボラティリティの高さから、2025年末時点でこの投資の帳簿価格は102億ウォンにまで急落しました。その結果、493億ウォン(約3300万ドル)の含み損を抱える事態となっています。同社の広報担当者は、グローバル市場のボラティリティによる短期的な含み損であり、会社の財務バッファーの範囲内で十分に管理可能であると説明しています。しかし、顧客から集めた前払金を極めてハイリスクなレバレッジ商品に投じていた事実に対し、批判の声が上がっています。

金融規制の盲点となった葬儀積立金

今回の事態は、韓国におけるプリペイド(前払い)式の葬儀サービス業界に対する規制の甘さを浮き彫りにしました。

韓国の葬儀会社は、顧客から将来のサービスのために長期間にわたって前払金を回収するビジネスモデルを採用しています。しかし、これらの企業は金融当局ではなく公正取引委員会(FTC)の管轄下にあります。

現行の規制では、顧客から預かった前払金の50%を保全することが義務付けられているものの、残りの50%については運用の制限がほとんどありません。そのため、今回のようにリスクの高いレバレッジ型暗号資産関連商品への投資が可能となっていました。韓国経済新聞が国内の葬儀サービス会社75社の2025年監査報告書を分析したところ、約42.7%にあたる32社で、総資産が顧客からの前払金総額を下回っていることが判明し、業界全体の財務健全性が懸念されています。

今後の規制強化に向けた動き

今回の巨額損失発覚を受け、韓国では葬儀サービス業界に対する監視の目を強めるべきだという議論が再燃しています。現在、韓国の国会には、この分野における投機的な投資や関連当事者への融資を禁止することを盛り込んだ6つの法案が提出されていると報じられています。これまで金融規制の対象外であった葬儀相互扶助市場に対し、今後は安全な資金管理を義務付ける厳格な法整備が進められる可能性があります。

ポイント

  • 韓国第7位の葬儀会社であるブモサランが、イーサリアム連動の2倍レバレッジETFへの投資により、約3300万ドルの含み損を抱えていることが判明しました。
  • 投資先のETFは、大量のイーサリアムを保有するビットマイン社の株価に連動するハイリスクなレバレッジ商品であり、市場のボラティリティが損失を拡大させたとされています。
  • 韓国の葬儀会社は金融当局ではなく公正取引委員会の管轄下にあるため、顧客から預かった前払金の運用に対する法的なリスク制限が不十分であったことが背景にあります。
  • 調査対象となった韓国の葬儀会社のうち約42.7%が、顧客前払金に対して資産が不足している状態にあり、業界全体の健全性が問題視されています。
  • 国会には投機的投資を禁止する法案が提出されており、今後は顧客資金の保護に向けた規制強化が進む可能性があります。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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