東証スタンダード上場のショーケースは、2026年5月21日、マイナンバーカードとブロックチェーンを活用した次世代デジタルウォレット「ProTech Wallet(仮称)」の実証実験を完了したと発表しました。この取り組みは、同社が提供するオンライン本人確認サービス「ProTech ID Checker」におけるものです。実証実験では、ブロックチェーン技術を用いて、複数のサービスで何度も本人確認を行う手間の解消を目指す仕組みが検証されました。
実証実験で確認された処理性能と技術的特徴
今回の実証実験では、マイナンバーカードのICチップ読み取りから、本人確認情報の検証、そしてSolana(ソラナ)ブロックチェーンへの記録までの一連のプロセスを30秒以内で完了できることが確認されました。Solanaは、高速なトランザクション処理と低コストが特徴のブロックチェーンプラットフォームとされています。
また、データの改ざん検知や真正性の検証には「SHA-256」ハッシュアルゴリズムが用いられ、その検証に成功しました。SHA-256は、入力されたデータから元に戻せない固定長の値を生成し、データの改ざんを検知するために広く使われる暗号技術とされています。
この仕組みを導入することで、2回目以降の本人確認時にはデジタル証明書を活用し、ユーザーの操作を「1タップ」にまで簡略化できる可能性が示されました。
プライバシー保護とユーザー主導の情報管理
本実証で検証された「ProTech Wallet(仮称)」は、個人情報そのものを中央サーバーに保存せず、ハッシュ値のみをブロックチェーンに記録する設計となっています。これにより、個人情報の漏洩リスクを低減させる狙いがあるとみられます。
本人確認の結果は、再利用可能なデジタル証明書である「Verifiable Credentials(VC)」として発行され、ユーザー自身が管理するウォレットに格納されます。VCは、暗号技術を用いて信頼性を担保し、改ざんを困難にするデジタル証明書の国際標準規格とされています。
さらに、利用するシーンに応じて必要最小限の情報だけを開示できる「選択的情報開示」にも対応しており、プライバシーに配慮した安全な本人確認プロセスの構築が図られています。
今後の展開とスケジュール
ショーケースは今後、金融機関、エンターテインメント業界、地方自治体などとの連携を進め、本技術のユースケース拡大を目指すとしています。
正式なサービスの提供開始時期については、2027年内を目標に掲げて開発を進めていく計画です。
ポイント
・マイナンバーカードとSolanaブロックチェーンを連携させたデジタルウォレット「ProTech Wallet(仮称)」の実証実験が完了しました。
・カードのICチップ読み取りからブロックチェーンへの記録までを30秒以内で処理し、2回目以降の本人確認操作を1タップに簡略化できる可能性が示されました。
・個人情報を中央サーバーに保持せず、SHA-256によるハッシュ値のみを記録することで、セキュリティとプライバシーの向上が図られています。
・国際標準規格である「Verifiable Credentials(VC)」の仕組みを活用し、必要な情報のみを開示する「選択的情報開示」に対応しています。
・今後は金融機関や自治体等との連携を推進し、2027年内の正式サービス開始を目指しています。