ドイツ連邦議会財務委員会、長期保有暗号資産への非課税措置の廃止案を却下

ドイツ連邦議会の財務委員会は、緑の党が提出した暗号資産の1年間保有による非課税措置を廃止する法案を却下しました。これにより、ビットコインをはじめとする暗号資産を1年以上保有した後に売却した場合に得られる利益に対する非課税ルールは、現時点で維持されることになります。この決定は、ドイツにおける暗号資産の投資環境の安定性や、今後の税制議論に影響を与える可能性があるとされています。

否決された法案の内容と背景

ドイツ連邦議会財務委員会、長期保有暗号資産への非課税措置の廃止案を却下

緑の党が提出した法案は、1年以上保有した暗号資産の売却益に対する非課税措置を廃止し、他の投資資産と同様の税率体系で課税することを求めていました。緑の党は、現在の非課税措置は不当であるとし、これを廃止することで年間約114億ユーロの追加税収が見込めると主張していました。

しかし、この法案を支持したのは左翼党のみであり、財務委員会で十分な支持を得られず却下される結果となりました。

各政党の主張と反対の理由

この法案に対しては、複数の政党から懸念や反対の意見が示されました。与党連合のCDU(キリスト教民主同盟)およびCSU(キリスト教社会同盟)は、この提案が税制上の抜け穴を塞ぐものではなく、むしろ新たな抜け穴を生み出す可能性があると指摘しました。また、暗号資産を貴金属や外国の法定通貨といった伝統的な資産とは異なる方法で課税することへの懸念も示されています。

また、SPD(ドイツ社会民主党)は、財務大臣が提示する独自のアプローチを待つ姿勢を示し、今回の法案の採択を見送りました。

さらに、批判派からは、この提案が実現した場合、暗号資産投資家に対して株式投資家よりも重い税負担を課すことになり、課税の公平性を欠くという意見も上がっていました。

ドイツの暗号資産投資環境への影響

ドイツは現在、個人投資家が暗号資産を1年以上保有した後に売却した場合、キャピタルゲイン課税が全額免除される仕組みをとっています。この税制により、ドイツは長期的な暗号資産ホルダーにとって非常に魅力的な国として認知されてきました。

今回の法案却下により、現在の1年超の保有で非課税というルールは維持され、長期投資家にとってのメリットが守られた形となります。ただし、政府内では財務大臣が主導する独自の税制改革方針なども議論されており、今後の政府の動向が注目されると見られます。

ポイント

  • ドイツ連邦議会財務委員会が、緑の党による暗号資産の1年間保有に対する非課税措置の廃止案を却下しました。
  • 現行の1年以上保有した暗号資産の売却益を非課税とするルールが維持され、長期投資家にとってのメリットが確保されました。
  • 緑の党は年間約114億ユーロの税収増を見込んで提案しましたが、支持した政党は左翼党のみにとどまりました。
  • 与党のCDUおよびCSUは、提案が新たな税制上の抜け穴を作るリスクや、伝統的資産との課税バランスの不整合を指摘して反対しました。
  • 一方で、SPDは今後発表される財務大臣の独自戦略を待つ方針を示しており、政府主導による今後の税制見直しの動向が注目されます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、ブロックチェーン領域を中心に、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン(ST)、ステーブルコイン、NFTなどのトークン活用や、AI×ブロックチェーン領域における事業開発・実装に関する情報を発信する編集チームです。株式会社Pacific Metaが、グループ累計260社以上・41カ国以上のプロジェクトを支援してきた知見をもとに、記事の企画・監修を行っています。

ビジネスでの活用から個人の学びまで、ブロックチェーンやトークンに関する情報を、最新動向と実務でのナレッジを踏まえてわかりやすくお届けします。編集部や事業内容の詳細は、公式サイトをご覧ください。

ニュース
ブロックチェーンマガジン by Pacific Meta