ハンガリーが暗号資産取引の非犯罪化へ オルバーン前政権の規制方針を転換

ハンガリー政府は、オルバーン前首相の政権下で導入された暗号資産(仮想通貨)取引に対する厳しい刑事罰を撤廃し、非犯罪化する方針を明らかにしました。この方針転換は、同国の暗号資産市場の活性化やEU基準への適合を目指すものとされています。かつての厳しい規制により主要な決済プラットフォームがサービスを停止するなど国内市場が停滞していましたが、今回の決定は業界の再活性化につながる重要な動きとして注目されています。

刑事罰の撤廃と規制緩和の決定

ハンガリーが暗号資産取引の非犯罪化へ オルバーン前政権の規制方針を転換

ハンガリー政府の報道官であるアニタ・コボル氏が記者団に語ったところによると、ハンガリーは暗号資産取引に伴う刑事罰を撤廃する計画を進めています。

ハンガリーでは2025年7月に、前首相であるヴィクトル・オルバーン氏の政権下で厳しい暗号資産規制が導入されました。この規制では、暗号資産と法定通貨の交換や暗号資産同士の取引において、承認された検証機関による証明書の取得が義務付けられており、これに違反した場合には禁錮刑を含む刑事罰が科される可能性があったと報じられています。

今回の決定により、これらの違反に対する刑事罰が取り消され、取引の非犯罪化が進められることになります。

規制強化の影響と政治体制の変化

2025年に導入された厳しい規制は、ハンガリー国内の暗号資産市場に大きな影響を与えました。

主要なデジタル金融プラットフォームであるレボリュート(Revolut)などがハンガリーでの暗号資産サービスを停止せざるを得なくなり、国内の取引量は著しく減少したとされています。さらに、欧州連合(EU)はハンガリーのこの規制がEUのルールに準拠しているかどうかの調査を開始していたと報じられています。

こうした中、2026年4月の議会選挙により親欧州派の「ティサ党」が政権を握り、政治体制が変化しました。新たに就任したゾルターン・タナーチ・イノベーション・技術相は、前政権の規制を「過剰で政治的な動機によるもの」と表現し、市場の流動性向上や競争力強化のために規制の見直しを進める意向を示したとされています。

業界への影響と今後の展望

今回の非犯罪化は、ハンガリーの暗号資産市場に主要なサービスプロバイダーを呼び戻し、市場を再活性化させる契機になると見られています。

新政権は、ハンガリーの規制枠組みをEUの「MiCA(暗号資産市場規制)」などの統一基準に整合させることを目指しているとされています。これにより、法的な不確実性が解消され、事業者やユーザーにとってより安全で予測可能な取引環境が整備される可能性があります。

ポイント

  • オルバーン前政権下で導入された、暗号資産取引に対する禁錮刑などの刑事罰が撤廃される方針です。
  • かつての厳しい検証義務により、レボリュートなどの主要プラットフォームが撤退し、国内市場の取引量が減少していました。
  • 2026年4月の政権交代を受け、新政権は市場の流動性向上と競争力強化を目指して方針転換を決断しました。
  • EUの「MiCA」規制など、欧州共通の基準への適合を図ることで、市場の信頼回復と事業者の呼び戻しが期待されます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、ブロックチェーン領域を中心に、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン(ST)、ステーブルコイン、NFTなどのトークン活用や、AI×ブロックチェーン領域における事業開発・実装に関する情報を発信する編集チームです。株式会社Pacific Metaが、グループ累計260社以上・41カ国以上のプロジェクトを支援してきた知見をもとに、記事の企画・監修を行っています。

ビジネスでの活用から個人の学びまで、ブロックチェーンやトークンに関する情報を、最新動向と実務でのナレッジを踏まえてわかりやすくお届けします。編集部や事業内容の詳細は、公式サイトをご覧ください。

ニュース
ブロックチェーンマガジン by Pacific Meta