コインベース、米国ユーザー向けにグローバルな暗号資産無期限先物取引の提供へ CFTCの承認を獲得

米暗号資産取引所最大手のコインベース(Coinbase)が、米国のトレーダーに対してグローバルな暗号資産のパーペチュアル・フューチャーズ(無期限先物取引)へのアクセスを提供する承認を、米商品先物取引委員会(CFTC)から獲得したと発表しました。コインベースのブライアン・アームストロング最高経営責任者(CEO)は、これまでの規制の曖昧さが取引の海外流出を招いていたと指摘し、今回の承認が業界にとって歴史的な節目になるとしています。本決定により、米国内の投資家は規制に準拠した形でグローバルな流動性に直接アクセスできるようになるとされています。

CFTCによる承認の概要と背景

コインベース、米国ユーザー向けにグローバルな暗号資産無期限先物取引の提供へ CFTCの承認を獲得

コインベースは、米国の規制下にある先物取引業者(FCM)として初めて、米国内のトレーダーにグローバルな暗号資産の無期限先物およびオプション取引への直接アクセスを提供する承認をCFTCから獲得したとされています。

無期限先物取引は、一般的な先物取引とは異なり満期日(決済期限)がなく、ポジションを無期限に保持できるデリバティブ商品です。世界の暗号資産取引量の約80パーセントを占める極めて需要の高い金融商品とされていますが、これまでは米国において明確な規制ルールが整備されていませんでした。

アームストロングCEOは、米国内のルールが不透明であったため、多くの米国人トレーダーが長年にわたり、仮想プライベートネットワーク(VPN)や顧客確認(KYC)の緩いオフショア(海外)の取引プラットフォームを利用して無期限先物取引を行っていたと指摘しています。同氏によると、無期限先物取引の全ボリュームの約半分は、このような手段を用いた米国人による取引であった可能性が極めて高く、業界の公然の秘密となっていたとのことです。

提供されるサービスの仕組みと対象資産

今回の承認に基づき、コインベースは昨年約29億ドルで買収したオフショアの暗号資産デリバティブ取引所デリビット(Deribit)を通じて、米国の顧客をグローバルな市場に接続する仕組みを構築するとされています。

CFTCは2026年5月29日付でコインベースに対しノーアクションレター(行政処分を行わない旨の通知)を発行し、デリビット上で提供される一部の暗号資産無期限契約を外国先物として分類することを認めました。これにより、米国の顧客は規制に準拠した国内プラットフォームを経由して、デリビットの持つグローバルな流動性にアクセスすることが可能になります。

対象となる資産は、デリビット上でデジタルコモディティ(デジタル商品)に分類される無期限契約とされています。これには、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、ドージコイン(DOGE)、およびTRUMPトークンなどが含まれますが、実際にどの銘柄から取り扱いを開始するかは、コインベース側の裁量により決定される見通しとされています。

業界およびビジネスへの影響

今回の決定は、米国の暗号資産市場および関連ビジネスにとって極めて重要な意味を持つとされています。

第一に、これまで海外に流出していた米国人トレーダーの取引需要を、米国の規制に準拠した安全な環境へと呼び戻すことができる点です。これにより、コンプライアンスを重視する機関投資家や個人投資家が、より低いカウンターパーティリスクで無期限先物取引に参入できるようになると見られます。

第二に、グローバルな流動性の統合が進む点です。コインベースがデリビットの流動性と直結することで、断片化されていた市場が一本化され、より効率的な価格形成と資本効率の向上が期待されます。一方で、無期限先物取引は高いレバレッジを伴うことが多く、急激な価格変動による強制ロスカット(清算)のリスクも内包しているため、利用者には慎重なリスク管理が求められるとされています。

ポイント

  • コインベースが、米国のトレーダー向けにグローバルな暗号資産無期限先物(パーペチュアル・フューチャーズ)へのアクセスを提供する承認をCFTCから獲得したとされています。
  • 米国の規制下にある先物取引業者として、顧客をグローバルな無期限先物市場の流動性に直接接続できる初の事例になるとされています。
  • 買収済みのオフショア取引所デリビットを経由してサービスが提供され、デジタルコモディティに分類されるビットコインやイーサリアムなどの無期限契約が対象となる見通しです。
  • これまでVPN等を通じて海外プラットフォームに流出していた米国の取引需要を、規制に準拠した国内の安全な環境へ回帰させる契機として注目されます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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