米国トレーダーがオフショア予測市場の取引高25パーセントを占めることが判明、新調査で規制外取引の実態が浮き彫りに

米国を拠点とするユーザーが、規制外のオフショア予測市場において年間110億ドルから340億ドルの取引を行っていることが、新しい調査報告で明らかになりました。この調査は、予測市場連合(Coalition for Prediction Markets)の委託を受けてクレーン・アンド・ゼン・コンサルティング(Crane & Zeng Consulting)が実施したものです。米商品先物取引委員会(CFTC)が規制の枠組み作りに取り組み、議会が参加制限を検討する中、米国の強い需要がオフショア市場を支えている現状が示されています。

米国ユーザーによるオフショア市場への巨額アクセスの実態

米国トレーダーがオフショア予測市場の取引高25パーセントを占めることが判明、新調査で規制外取引の実態が浮き彫りに

クレーン・アンド・ゼン・コンサルティングが発表した調査報告書によると、米国ユーザーがオフショア予測市場(米国外に拠点を置く規制外の予測市場)で取引する年間取引額は110億ドルから340億ドルにのぼると推計されています。これは、追跡されているオフショア予測市場全体の取引量の約25パーセント(中央値で212億ドル)に相当します。

調査対象となった主なオフショアプラットフォームには、ポリマーケット(Polymarket)、オピニオン(Opinion)、プレディクト(Predict)、リミットレス(Limitless)、ミリアド(Myriad)などがあります。特に、業界最大手の一つであるポリマーケットの国際版プラットフォームでは、米国のIPアドレスを対象としたジオブロック(地域制限)を適用しているものの、バーチャルプライベートネットワーク(VPN)などを利用してアクセスする米国ユーザーが後を絶たないとされています。調査では、ポリマーケットの年間取引高556億ドルのうち、約30パーセント(106億ドルから267億ドル)が米国ユーザーによるものと推定されています。

規制対応と米国向けライセンスプラットフォームの現状

この調査結果は、米国の規制当局であるCFTCが予測市場に対する新たな規制フレームワークを構築し、議会が参加制限を検討しているタイミングで公表されました。

米国ユーザーが合法的に取引できる環境の整備も進んでおり、2025年12月にはCFTCの監督下で運営される「ポリマーケットUS(Polymarket US)」が立ち上げられました。同プラットフォームは、指定契約市場(DCM)およびデリバティブ清算機関(DCO)として認可されています。2026年5月には米国内のウェイトリスト(事前登録枠)が撤廃され、現在は40以上の州でサービスを提供しています。

しかし、州レベルの規制当局との摩擦は続いており、ネバダ州の裁判所がポリマーケットUSに対して暫定的な差し止め命令を下したほか、ミネソタ州では2026年8月からの取引禁止法が可決されるなど、法的な課題に直面しています。

予測市場の急成長と今後のビジネスへの影響

ブロックチェーン技術や暗号資産を活用した予測市場は近年急激に成長しており、カルシ(Kalshi)などのCFTC認可プラットフォームが米国内で取引高を大きく伸ばしています。一方で、ブロックチェーン基盤のオフショアプラットフォームは、暗号資産ウォレットによる匿名性の高さや、本人確認(KYC)プロセスの欠如を背景に、規制を回避したいユーザーの受け皿になっていると指摘されています。

また、最近ではトランプ大統領のイラン関連の外交発表の直前に、予測市場や伝統的な原油先物市場で不審な取引が行われたことを受け、インサイダー取引の疑いについて議会から調査を求める声が上がるなど、予測市場の透明性に対する監視の目は厳しさを増しています。オフショア市場における米国マネーの流入実態が明らかになったことで、当局による規制強化の動きがさらに加速する可能性があります。

ポイント

  • 米国ユーザーが、オフショア予測市場における年間取引高の約25パーセント(110億ドルから340億ドル)を占めていることが新たな調査で明らかになりました。
  • 国際版のポリマーケットでは地域制限が敷かれているものの、VPN経由などのアクセスにより、年間取引高の約30パーセントが米国ユーザーによるものと推計されています。
  • 2025年12月にCFTC認可のポリマーケットUSが立ち上げられ、40以上の州に拡大したものの、州レベルでの差し止めや禁止措置といった法的な壁に直面しています。
  • カルシなどの認可プラットフォームが急成長する一方で、依然として匿名性の高いブロックチェーン基盤のオフショア市場への需要が根強いことが示されました。
  • CFTCによる規制フレームワークの構築や議会での議論の行方は、今後の予測市場およびWeb3業界のルール形成において極めて重要な意味を持ちます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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