株式会社gumiは、2026年4月期の通期決算説明資料を公表し、保有する暗号資産の運用をエックス・アール・ピー(XRP)中心に再編する方針を明らかにしました。これまでステーキング(対象の暗号資産を保有・預け入れることで報酬を得る仕組み)中心で行ってきた複数資産の運用から、原則としてXRPに一本化することで運用効率の向上を図ります。2026年4月末時点で約140億円に上るグループの保有暗号資産を順次XRPへ移行し、日本国内における最大のXRP保有・運用事業者を目指すとしています。本方針は、同社の筆頭株主であるSBIグループとの連携強化や、新たな運用手法の導入を背景としており、Web3業界における企業の資産運用戦略として注目されます。
保有資産140億円を順次XRPへ移行、カバードコールも活用
gumiはこれまで、複数の暗号資産を保有し、ステーキングを中心に運用を行ってきました。しかし、暗号資産市場の悪化に伴い利回りが大きく低下したため、現行の運用モデルでは十分な収益確保が難しい構造になっていたと説明しています。
この課題を解決するため、同社は保有する暗号資産を原則としてXRPに一本化する決定を下しました。2026年4月末時点で約140億円規模となるグループの暗号資産残高について、市場価格を注視しながらXRPの取得を継続し、適宜移行を進める方針です。
さらに、単なる現物保有にとどまらず、カバードコールなどのオプション取引も活用します。これはXRPを現物で保有しながらコールオプション(買う権利)を売却し、オプション料(プレミアム)を得ることで、継続的な利回りの確保を目指す投資手法とされています。
筆頭株主SBIグループとの強力なシナジー
gumiがXRPに軸足を置く背景には、同社の筆頭株主であり、資本業務提携先でもあるSBIグループとの深い関係があります。両社は2022年に資本業務提携を締結して以来、戦略子会社gC Labsを通じた運用の最適化や、2025年には上場暗号資産を対象とする共同ファンドの組成方針を示すなど、連携を強化してきました。
SBIグループは、米リップル社との合弁会社であるSBI Ripple Asiaを通じて金融機関向けの国際送金ソリューションを提供しているほか、SBI RemitにおいてXRPを法定通貨間のブリッジ(橋渡し)資産として活用する国際送金サービスを展開しています。gumiが日本最大級のXRP運用事業者を目指すことは、SBIグループが推進するXRPエコシステムとのシナジーをさらに強固にするものと見られます。
暗号資産評価益が大きく寄与し、2026年4月期は通期黒字を確保
同日発表されたgumiの2026年4月期通期業績は、売上高91億8300万円、営業利益8300万円、経常利益21億7000万円、親会社株主に帰属する当期純利益14億5400万円となりました。
暗号資産評価益として26億3261万円などを計上したことが大きく寄与し、通期の全段階利益において黒字を確保しています。同社にとって暗号資産運用は業績を支える重要な柱となっており、今回のXRPへの一本化による運用効率化は、今後の収益安定化に向けた重要な戦略的布石になると見られます。
ポイント
- gumiが保有暗号資産を原則としてXRPに一本化し、国内最大のXRP保有・運用事業者を目指す方針を発表
- 従来のステーキングから、XRPの現物保有とカバードコール取引を組み合わせた新たな運用モデルへ移行し、利回りの改善を図る
- 2026年4月末時点でのグループ暗号資産残高は約140億円であり、価格動向を注視しながら順次XRPへの移行を進める
- 筆頭株主であるSBIグループの国際送金・流動性ネットワーク戦略との高い親和性を背景に、連携をさらに強化
- 2026年4月期通期決算では、暗号資産評価益約26.3億円の計上などにより全段階利益で黒字を達成