経営破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの元CEOであるサム・バンクマン=フリード氏の控訴が棄却され、懲役25年の判決が維持されました。アメリカの連邦第2巡回区控訴裁判所は2026年6月12日、3人の裁判官からなる控訴審において同氏の救済申し立てを全員一致で却下しました。この決定は、数十億ドル規模の不正流用が明るみに出たFTXの破綻劇における法的責任の追及が、改めて確定的なものとなったことを示しています。
控訴審の判断と指摘された顧客資金の私的流用
今回の控訴審において、第2巡回区控訴裁判所のバリントン・パーカー判事は、有罪判決を支持する明確な理由を述べました。パーカー判事は、バンクマン=フリード氏が顧客、投資家、規制当局に対して「FTXの顧客資金は安全である」と公に保証していた一方で、裏ではFTXを私的な貯金箱のように扱っていたと指摘しています。同氏は顧客から預かった資金を、不動産の購入や政治献金、他社への投資につぎ込んでいたとされており、こうした行為が詐欺および共謀の罪に該当すると改めて認定されました。これにより、2024年に言い渡された懲役25年の実刑判決が覆ることはありませんでした。
トランプ大統領への恩赦申請とその実現性
バンクマン=フリード氏は、司法の場での争いとは別に、ドナルド・トランプ米大統領に対して正式な恩赦(大統領の権限によって刑罰を免除または軽減する措置)を申請していました。しかし、トランプ大統領は2026年1月の時点で、同氏への恩赦に対して否定的な考えを示しているとされています。そのため、恩赦によって刑期が短縮されるなどの救済措置が実現する可能性は極めて低いとみられます。
ポイント
- FTXの元CEOであるサム・バンクマン=フリード氏の控訴が全員一致で棄却されました。
- 2024年に言い渡された詐欺罪と共謀罪による懲役25年の判決が改めて支持されました。
- 裁判所は、同氏が顧客資金の安全をアピールしながら私的に流用していた実態を厳しく指摘しました。
- トランプ大統領への恩赦申請が行われたものの、大統領自身が否定的な姿勢を示しているため、救済の可能性は低いとみられます。
- 暗号資産業界における過去最大規模の不正事件において、経営トップの法的な責任追及が改めて確定した点で注目されます。