米超党派上院議員が財務省に書簡を送付、ステーブルコイン規制における州の監督権限維持を求める

米国の超党派上院議員グループは、スコット・ベッセント財務長官に対し、ステーブルコイン規制における各州の監督権限を維持するよう求める書簡を送付しました。これは、ステーブルコインの連邦規制枠組みである「GENIUS法」の実施に向け、財務省が4月に公表した規則案に州の認証手続きに関する詳細が欠けていたことを受けたものです。議員らは、手続きの不透明さが各州や事業者に対して不確実性を生んでいると指摘し、明確な指針の策定を求めています。

超党派上院議員グループによる財務省への書簡送付

米超党派上院議員が財務省に書簡を送付、ステーブルコイン規制における州の監督権限維持を求める

2026年6月16日、シンシア・ルミス上院議員が主導し、キルステン・ジリブランド上院議員ら民主・共和両党の7名の上院議員が、スコット・ベッセント財務長官宛てに書簡を送りました。この書簡は、ステーブルコイン規制を進めるにあたり、各州が持つ監督権限を尊重し、維持するよう財務省に強く求める内容となっています。

GENIUS法における連邦と州の規制バランス

今回の要請の背景にある「GENIUS法(Guiding and Establishing National Innovation for U.S. Stablecoins Act)」は、2025年7月に成立したとされるステーブルコインに関する連邦規制の枠組みです。この法律は、ステーブルコインに対して米ドルなどによる完全な裏付けや、時価総額500億ドル(約8兆円、1ドル=160円換算)を超える発行体への年次監査を義務付けるなど、厳格な連邦基準を設けています。

一方で同法は、州独自の規制が連邦基準と「実質的に同等」であれば、時価総額100億ドル以下の発行体については州が監督する余地を残しています。実際にニューヨーク州など、独自にステーブルコイン規制を整備してきた州も存在しており、連邦と州の役割分担が想定されていました。

財務省の規則案がもたらす不確実性と議員らの懸念

米財務省は2026年4月にGENIUS法を実施するための規則案を公表しましたが、この規則案には、各州が連邦から「同等」であるとの認証を受けるための具体的な手続きやスケジュール、要件が記載されていませんでした。

議員らは書簡の中で、この手続きの不透明さが各州に不確実性を生んでいると指摘しています。明確な手続き指針が示されなければ、認証プロセスが将来的に州の参加を事実上閉ざしてしまう形で運用されかねないと懸念を示しました。

また、一部の州議会は2年ごとにしか開催されない例もあるため、一度限りの申請期間を設けるのではなく、州が制度を整え次第いつでも認証を申請できる柔軟で継続的な枠組みが必要であると主張しています。そのため議員らは、申請、審査、認証の各プロセスを明確にした文書での手続き指針を発出するよう財務省に求めています。

Web3ビジネスにおける重要性と影響

この動向は、米国内でステーブルコイン関連事業を展開するWeb3ビジネスパーソンにとって極めて重要です。連邦と州の規制上の境界線が曖昧なままであると、事業者はどの規制に従うべきかという判断に迷い、コンプライアンス上の不確実性が高まる可能性があります。特に時価総額100億ドル以下の比較的小規模なステーブルコイン発行体にとっては、州の監督権限が維持され、その認証手続きが明確かつ柔軟に行われるかどうかが、今後の事業運営や市場参入の容易さに直接影響を与えるものと見られます。

ポイント

  • 超党派の米上院議員が、スコット・ベッセント財務長官に対し、ステーブルコイン規制における各州の監督権限を維持するよう書簡で求めました。
  • ステーブルコインの連邦規制枠組みである「GENIUS法」は、米ドルなどによる完全な裏付けや年次監査を義務付ける一方で、一定の要件を満たす州に時価総額100億ドル以下の発行体の監督を認めています。
  • 財務省が4月に公表した規則案には、州の認証手続きに関する具体的な要件やスケジュールが明記されておらず、これが不確実性を生んでいると指摘されています。
  • 議員らは、一度きりの受付ではなく、各州が準備でき次第いつでも申請できる柔軟で継続的な枠組みと、明確な文書による手続き指針を求めています。
  • 州の監督権限の維持や手続きの明確化は、特に比較的小規模なステーブルコイン発行体が二重規制や不確実性を避けて事業を展開する上で重要になると見られます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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