暗号資産のレンディング・ウォレットサービス「IZAKA-YA(イザカヤ)」を運営するIzakaya Limitedは、2026年9月17日に日本居住者向けサービスの提供を終了すると発表しました。同社が無登録で暗号資産交換業を行っていたとして金融庁が9月1日に警告を発出してから、わずか半月での終了決定となります。8月下旬から出金遅延が表面化する中で高利回りキャンペーンを継続していた経緯もあり、海外無登録業者によるサービス運用の実態や利用者資産の返還手続きという観点で注目されます。
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日本居住者および海外在住の日本人を対象にサービスを停止

Izakaya Limitedによるサービス終了の対象は、国籍を問わず日本国内に居住するすべての利用者と、海外に居住する日本国籍の利用者です。
同社は新規会員登録に加え、暗号資産の貸出を行うレンディングサービスの新規申し込みおよび利用を停止しました。日本語版の公式サイトについては、2026年9月末日をもって公開を終了する予定です。ただし、出金手続き専用のページに関しては、手続きが完了するまで引き続き利用できるとしています。
厳格な情報提出を求める出金手続きと保証のない対応
同社は預け入れ資産の出金を希望する利用者に対して、指定の出金申請フォームから手続きを行うよう案内しています。出金手続きが完了する具体的な時期は公表されていません。
指定フォームでは、氏名や住所、身分証明書、顔写真に加え、資金の出所や暗号資産の取得・入金経路、勤務先、年間収入、総資産額、出金後の用途などの詳細な申告が求められます。さらに、銀行口座の取引明細や暗号資産取引所の取引履歴など、申告内容を確認できる資料の提出も必要とされています。同社は秘密鍵やシードフレーズ、パスワードを尋ねることは一切ないとしているものの、フォーム内には回答や資料の提出が出金や取引の承認を保証するものではない旨が明記されています。
出金トラブルから金融庁警告に至った経緯
公式サイトによると、Izakaya Limitedは香港に拠点を置き、2023年4月に設立され、同年12月にサービスを開始しました。レンディングのほか、ウォレット、スワップ、購入、送金などの機能を提供していました。
同サービスを巡っては、2026年8月下旬からSNS上で利用者による出金遅延の訴えが相次ぎました。同社は8月24日、不正資金の流入やマネー・ローンダリングの疑いがある取引を確認したとして一部アカウントの送金・出金を一時停止し、全利用者にKYC(本人確認)を義務付ける方針を発表しました。一方で出金を巡るトラブルが表面化する最中、同社は8月25日に「年利100%」や他社からの資産移行で「実質年利150%」とする高利回りキャンペーンを8月31日まで延長していました。
この間、サービスを紹介していた暗号資産業界のインフルエンサーへの批判が集まり、謝罪する発信者も現れました。同社は8月27日付の発表で、インフルエンサーによる紹介は広告・プロモーション活動の一環であり、PR協力者がトラブルを事前に認識していた事実や運営判断に関与した事実はないと説明しています。
その後、金融庁は9月1日に同社が無登録で暗号資産交換業を行っていたとして警告書を発出しました。同社は9月7日に追加確認を進めており、問題がないと判断した取引から順次対応していると説明していましたが、警告から半月で日本向けサービスの終了発表に至りました。
ポイント
- 金融庁が9月1日に無登録での暗号資産交換業について警告を発出したことを受け、Izakaya Limitedがわずか半月で日本向けサービスの終了を決定した点
- サービス終了の対象が日本国内の居住者にとどまらず、海外に居住する日本国籍の保有者にも及んでいる点
- 資産の出金手続きにおいて収入や資産額、取引明細などの厳格な情報提出を求めながら、出金の承認自体は保証されていない点
- 8月下旬に出金遅延が表面化していた最中に「実質年利150%」の高利回りキャンペーンを延長していた経緯があり、サービスの健全性や利用者保護の面で課題を残した点
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