マレーシア中央銀行は、トークン化債券の取り扱いを目的とした分散型台帳技術(DLT)プラットフォームを立ち上げました。この基盤はトークン化された証券の所有権追跡や移転を管理し、同国の決済システムであるRENTAS+と接続されます。これにより、証券の権利移転に伴う資金決済を中央銀行マネー(中央銀行預金通貨)で直接実行できるようになります。伝統的な中央銀行決済基盤と分散型台帳を直結させる取り組みとして、金融市場インフラの近代化における重要な進展と見られます。
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トークン化証券の移転管理と中央銀行マネー決済の仕組み
立ち上げられた新プラットフォームは、分散型台帳技術を活用してトークン化された債券の所有権や移転履歴をデジタル上で一元管理する仕組みを備えています。
最大の特長は、マレーシアの即時グロス決済システムであるRENTAS+と直結している点です。証券の権利移転と同時に、中央銀行マネーを用いた確実な支払い処理を実行できます。民間が発行するステーブルコイン等ではなく、信用リスクが存在しない中央銀行マネーを決済資産として用いることで、カウンターパーティリスクを抑えながら安全かつ迅速な決済基盤を提供する狙いがあると見られます。
金融インフラの近代化と対象資産の範囲
報道および発表によると、導入されたプラットフォームはSSDS+(スクリプレス証券保管振替システム+)と呼ばれており、同行が内製で開発を進めてきたものとされています。
同システムは、一般的な社債だけでなくイスラム適格債(スクーク)の発行・保管・振替にも対応する設計となっています。また、当初想定されている機関投資家向けのホールセール発行にとどまらず、トークン化された国債や一般投資家向けのリテール社債への対応も可能とされています。
ポイント
- マレーシア中央銀行がトークン化債券の発行や保管、移転を管理するDLTプラットフォームを立ち上げました
- 同国の決済システムRENTAS+と連携し、中央銀行マネーによる証券取引の資金決済を実現しています
- イスラム債(スクーク)を含むホールセール取引に加え、国債や個人向け債券のトークン化にも対応可能な設計とされています
- 信用リスクのない中央銀行マネー決済と分散型台帳を融合させ、カウンターパーティリスク削減と市場決済の効率化を推進する点で注目されます