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ブロックチェーン総研by Pacific Meta

DCCがトークン化国債の実機検証へ。Canton Networkを活用し24時間運用のオンチェーンレポ実現を目指す方針

Progmatが事務局を務めるデジタルアセット共創コンソーシアム(DCC)は、トークン化国債に関する中間整理を公表し、2026年11月より検証用環境を用いた実機検証フェーズを開始します。本検証は銀行や証券会社、保険会社など69組織による検討結果をまとめたもので、既存の振替国債の仕組みを維持しながらブロックチェーンと連動させる技術的枠組みを検証します。国内金融機関における円資金調達の枠を超え、海外機関投資家との通貨をまたぐレポ取引(クロスカレンシーレポ)などの効率化を実現できるかが注目されます。

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監修:ブロックチェーン総研編集部

株式会社Pacific Metaが運営する編集チームです。ステーブルコイン、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン、NFTなどのトークン活用や、オンチェーン金融、AI×ブロックチェーン領域の事業開発・実装、暗号資産の基礎知識と国内取引所の使い方まで、ブロックチェーン事業の支援で得た知見をもとに記事の企画・執筆・監修を行っています。編集部や運営会社の詳細は公式サイトと編集方針をご覧ください。

振替国債の法的枠組み維持と24時間稼働の新システム

今回の構想では、米国の方式をそのまま導入するのではなく、日本の法制度や税制に適した「振替国債」をそのままブロックチェーンに載せる設計が採用されました。米国では証券に対する権利を証券そのものと同等として扱う法体系が存在しますが、日本の法律では単なる請求権(債権)にとどまるためです。また、振替国債には利子の源泉徴収が免除される実務上の利点があり、登録国債が全体の1パーセント未満にとどまる国内市場において、機関投資家が実際に活用するための不可欠な条件と判断されました。

帳簿の管理においては、平日日中のみ稼働している既存システムではなく、24時間365日稼働してブロックチェーンと連動する新システムの記録を正式な記録(正本)とする方針です。欧州の一般データ保護規則(GDPR)が定める忘れられる権利といったプライバシー規制に対応するため、ブロックチェーン上には顧客IDのみを記録し、氏名などの詳細情報は各金融機関のデータベースで管理する分散型の構成をとります。これにより、既存システムが停止している夜間や休日でも取引の権利確定が可能になります。

外貨調達の需要とCanton Networkによる検証基盤

金融安定理事会(FSB)が2026年2月に公表したレポートによると、日本の国債レポ市場は250兆円超とされ、世界全体の2500兆円超の約1割を占めています。国内の大手金融機関は日本銀行の口座を通じて無利息で日中資金を調達できる仕組みがあるものの、日銀のバランスシート縮小に伴う環境変化や、日銀に口座を持たない海外ヘッジファンドなどの参加者、さらには外貨の調達においては既存の仕組みでは対応が難しい課題がありました。

このため、トークン化した日本国債を担保に差し出してデジタル化されたドルを24時間いつでも時間単位で借り入れるクロスカレンシーレポが最有力なユースケースと位置づけられています。2026年11月に開始される実機検証では、米DTCCのトークン化サービスでも採用されている分散型台帳技術「Canton Network」上にサンドボックスを構築します。トークン化国債やトークン化預金、ステーブルコインを発行し、国内外のレポ取引基盤と接続したうえで、2027年春の中間整理公表に向けて現場の実務者が操作性や実装条件の評価を進める計画です。

ポイント

  • DCCが69組織による検討を経て、2026年11月からトークン化国債の実機検証フェーズを開始する点
  • 法的性質や利子の源泉徴収免除のメリットを維持するため、既存の「振替国債」をそのままブロックチェーンと連動させる主案を採用した点
  • 夜間や休日でも権利確定を可能にするため、顧客IDと金融機関側のデータベースを組み合わせた24時間稼働の新システムを正本とする点
  • 日銀の口座を持たない参加者や外貨調達の需要を見据え、日本国債を担保にデジタルドルを時間単位で調達するクロスカレンシーレポを重視している点
  • 海外の機関投資家との相互運用性を考慮してCanton Networkを検証基盤に選定し、2027年春の中間整理公表を目指している点

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