ゴールドマン・サックスがビットコイン・プレミアム・インカムETFを申請

米金融大手のゴールドマン・サックスが、オプション取引を利用して収益を得る新しいビットコイン関連のETF(上場投資信託)を米証券取引委員会(SEC)に申請しました。このファンドは、ビットコインの現物価格に連動する商品のオプションを売却することで、投資家に対して毎月の分配金を提供することを目指しています。大手金融機関が独自の仮想通貨関連ファンドの組成に動いたことは、ビットコイン市場の成熟と機関投資家向け商品の多様化を示す重要な動きと見られます。

カバード・コール戦略による収益の創出

ゴールドマン・サックスがビットコイン・プレミアム・インカムETFを申請

今回申請された「ゴールドマン・サックス・ビットコイン・プレミアム・インカムETF」は、ビットコインを直接保有するのではなく、主に既存のビットコイン現物ETP(上場取引型金融商品)に純資産の80%以上を投資する仕組みです。

最大の特徴は、保有するビットコイン関連資産に対して「カバード・コール」と呼ばれるオプション戦略を組み合わせる点にあります。この戦略では、ビットコイン現物ETPのコール・オプション(あらかじめ決められた価格で買う権利)を投資家に売却することで、その対価として「プレミアム(オプション料)」を受け取ります。このプレミアムが、投資家への毎月の分配金の原資となります。

入力テキストによると、ゴールドマン・サックスはこのオプション売却の比率をビットコイン露出の40%から100%の範囲で調整する計画です。これにより、ビットコインの価格上昇による利益の一部を放棄する代わりに、相場が横ばいや緩やかな下落局面でも安定した収益を得ることが期待されます。

ゴールドマン・サックスによる初の独自仮想通貨ファンド

今回の申請は、ゴールドマン・サックスが仮想通貨市場において「投資家」から「発行体」へと役割を広げる大きな転換点になるとされています。

同社はこれまで、ブラックロックやフィデリティが提供するビットコインETFの主要な保有者として知られており、2024年末時点では約20.5億ドル相当の仮想通貨ETFを保有していたと報告されています。自社ブランドの仮想通貨関連ファンドを立ち上げることで、顧客に対してより高度に構造化された投資機会を直接提供する狙いがあると見られます。

同様の動きは他の金融大手でも見られており、モルガン・スタンレーも独自のビットコインETFを立ち上げています。こうした動きは、Web3業界のビジネスパーソンにとって、ビットコインが単なる投機対象から、伝統的な金融手法を用いた利回り商品(イールド商品)へと進化していることを示唆しています。

今後のスケジュールと見通し

提出された書類(Form N-1A)に基づくと、このファンドは申請から75日後の発効を目指しており、順調に進めば2026年6月下旬から7月上旬頃にローンチされる可能性があります。

ただし、現時点ではティッカーシンボル(銘柄コード)や上場先、具体的な手数料などは確定していません。また、SECによる承認が前提となるため、今後の審査状況が注目されます。

ポイント

  • ゴールドマン・サックスが2026年4月14日に「ビットコイン・プレミアム・インカムETF」の登録書類を提出しました。
  • ビットコイン現物ETPのオプションを売却する「カバード・コール戦略」を採用し、毎月の収益分配を目指します。
  • 資産の少なくとも80%をビットコイン関連商品に投資しますが、ビットコインを直接保有はしません。
  • ゴールドマン・サックスにとって初の自社発行仮想通貨関連ファンドとなり、同社の戦略転換を象徴する出来事といえます。
  • 承認されれば2026年夏のローンチが見込まれますが、現時点でティッカーや上場先は未定です。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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