イーサリアム市場に構造的変化の兆し:規制リスクの後退と機関投資家の需要回復が背景

イーサリアム市場に構造的変化の兆し:規制リスクの後退と機関投資家の需要回復が背景

2026年4月中旬、イーサリアム(ETH)市場は単なる価格反発を超えた構造的な強気局面に入りつつあります。直近24時間でETH価格は約8〜9%上昇し、ビットコインをアウトパフォームする動きを見せました。この背景には、米規制当局によるDeFiへの前向きな姿勢、現物ETFへの資金流入、そして企業による大規模な蓄積という3つの要素が重なっていると考えられます。

DeFi規制のリスク後退と技術レイヤーとしての評価

イーサリアム市場に構造的変化の兆し:規制リスクの後退と機関投資家の需要回復が背景

市場が最も注目しているのは、2026年4月13日に米証券取引委員会(SEC)スタッフが発表したDeFi(分散型金融)に関する声明です。この声明では、カストディ(資産保管)を持たない、投資助言を行わない、注文執行に関与しないなど、特定の条件を満たすユーザーインターフェース(UI)やウォレットについては、ブローカーディーラーとしての登録なしでの運営に異議を唱えない方針が示されました。

これは、DeFiが「中立的な技術レイヤー」として成立し得ることを当局が初めて明確に認めたものと捉えられています。イーサリアムネットワークの主要な用途であるDeFiにおいて、制度的なリスクプレミアムが低下したことは、ネットワークの長期的な価値向上に寄与する可能性があります。

機関投資家と企業による「ストック型需要」の拡大

需給面では、短期的なトレードではなく、長期保有を目的とした「ストック型」の需要が強まっています。イーサリアムの現物ETF(上場投資信託)には3日連続で資金が流入しており、週次ベースでは2026年の年初来最高水準を記録しています。

また、企業による大規模なETH取得も進行しています。米ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場するBitmine(ビットマイン)社は、総供給量の約4%に相当する約487万5,000ETHを保有していることが明らかになりました。同社は直近1週間でも約7万ETHを追加取得しており、ビットコインで見られたような企業財務戦略としてのETH組み入れが本格化していると見られます。

オンチェーン指標が示すネットワーク利用の回復

ネットワークの活動状況を示すオンチェーンデータも、市場の構造変化を裏付けています。2026年に入り、イーサリアムのアクティブアドレス(一定期間内に送受信を行ったユニークなウォレット数)は明確な増加トレンドにあり、直近では急激な上昇も確認されています。これはDeFiやレイヤー2の利用拡大を含めた、実需の回復を示すシグナルとされています。

さらに、米国主体の需要を測る「Coinbase Premium Gap(コインベース・プレミアム・ギャップ)」も改善傾向にあります。長らくマイナス圏にあった同指標がプラス圏へ向かっていることは、米国の機関投資家や大口投資家による買い圧力が強まっていることを示唆しています。

ポイント

  • 米SECの声明により、特定の条件を満たすDeFiインターフェースの規制リスクが低下し、技術の中立性が評価され始めています。
  • イーサリアム現物ETFへの資金流入が年初来最高水準に達しており、ポートフォリオへの組み入れという長期的な需要が形成されつつあります。
  • Bitmine社が総供給量の4%を超えるETHを保有するなど、企業による大規模な資産蓄積がビットコインと同様の構造で進行しています。
  • アクティブアドレスの急増やCoinbase Premiumの改善は、実需の回復と米国主体の強い買い意欲を裏付けるオンチェーン上の根拠となっています。
  • 今回の上昇はレバレッジ主導の短期的なものではなく、規制・資金・利用の3側面が好転したことによる市場構造の転換点である可能性があります。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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