ステーブルコイン「USDC」の発行元であるCircle(サークル)社が、開発中のレイヤー1(基盤となるネットワーク層)ブロックチェーン「Arc Network」において、独自のネイティブトークンを発行する計画を明らかにしました。このトークンはガバナンスやインセンティブ設計に活用され、将来的にネットワークをプルーフ・オブ・ステーク(PoS:保有するトークン量に応じてブロック承認権限が割り当てられる仕組み)モデルへ移行させるための基盤となります。USDCの創設以来、同社にとって最も重要なプラットフォーム戦略と位置づけられており、ステーブルコイン大手が自社で金融インフラを構築する動きとして注目されます。
金融サービスを統合する「経済オペレーティングシステム」の構築
Arc Networkは、Circleがステーブルコイン決済に特化して設計しているレイヤー1ブロックチェーンです。同社CEOのジェレミー・アレール氏は、このネットワークを決済、外国為替(FX)、レンディング(貸付)、資本市場などの金融サービスを一体的に処理する「経済オペレーティングシステム」と定義しています。
技術的な特徴として、780ミリ秒というサブセカンド(1秒未満)のファイナリティ(取引の確定)を実現している点が挙げられます。現在はテストネットの段階にあり、USDCをガストークン(ネットワーク手数料)として使用していますが、新たに発行を検討しているネイティブトークンによって、経済的な利害調整やコミュニティ主導の分散型システムへの進化を目指すとしています。
大手金融機関の参画と今後のスケジュール
Arc Networkのテストネットには、BlackRock(ブラックロック)、HSBC、Visaといった世界的な金融機関や決済大手が参加しているとされています。これにより、既存の金融システムとWeb3テクノロジーを融合させた、実用性の高い金融基盤としての期待が高まっています。
アレール氏によると、Arc Networkのメインネット(本番環境)のローンチは2026年内を目指す方針です。ネイティブトークンの供給量やティッカーシンボル(通貨記号)といった具体的な詳細は現時点で公表されていませんが、近いうちにさらなる情報が共有される見通しです。
ポイント
- Circleが独自L1「Arc Network」でネイティブトークンの発行とPoS移行を計画しています。
- 決済やレンディングなどを一体化する「経済オペレーティングシステム」を目指しています。
- 780ミリ秒の高速なファイナリティを備え、現在はテストネットで開発が進められています。
- BlackRockやVisaなどの大手機関がテストネットに参加しており、ビジネス面での期待を集めています。
- 2026年内のメインネットローンチを目標としています。