eToroが仮想通貨ウォレットのZengoを約7000万ドルで買収、DeFi分野への拡大を加速

ソーシャル投資プラットフォームを運営するeToro Group Ltd.(イートロ)は、暗号資産(仮想通貨)ウォレットプロバイダーであるZengo(ゼンゴ)を約7000万ドル(約108億円)で買収することに合意しました。この買収により、eToroは自社のプラットフォームに自主管理型(セルフカストディ)の機能を統合し、分散型金融(DeFi)分野への進出を本格化させます。規制下にある既存の取引サービスと、自由度の高い分散型技術を組み合わせることで、Web3業界における競争力を高める狙いがあると見られます。

自主管理型ウォレット技術の統合によるDeFi戦略の強化

eToroが仮想通貨ウォレットのZengoを約7000万ドルで買収、DeFi分野への拡大を加速

今回の買収の主な目的は、eToroの投資プラットフォームを分散型金融の領域へ拡張することにあります。Zengoの技術を取り入れることで、eToroは従来の資産運用に加え、トークン化された資産、分散型取引、予測市場、パーペチュアル(無期限先物)契約といった新しいユースケースの提供を目指しています。

Zengoは2018年に設立され、現在200万人以上のユーザーを抱えるウォレットプロバイダーです。買収後、Zengoのウォレット機能はeToroの規制対象事業とは切り離され、独立して運営される予定です。これにより、ユーザーはeToroの管理を介さずに、サードパーティのプロトコルと直接やり取りすることが可能になります。

MPC技術によるセキュリティと利便性の両立

Zengoが提供するウォレットの最大の特徴は、マルチパーティ計算(MPC)と呼ばれる高度な暗号技術を採用している点です。一般的な仮想通貨ウォレットで必要とされるシードフレーズ(復元用の秘密の言葉)を不要にする「キーレス」構造を実現しており、秘密鍵の紛失や盗難のリスクを大幅に低減しています。

このMPC技術では、秘密鍵を単一の場所に保管するのではなく、複数の断片に分割してユーザーのデバイスとサーバーに分散して管理します。これにより、ユーザーは高いセキュリティを維持しながら、生体認証などを利用した簡便な操作で資産を管理できるようになります。eToroはこの技術を統合することで、Web3に不慣れな一般投資家層にとっても、より安全で使いやすい分散型サービスの入り口を提供することが可能になります。

ポイント

  • eToroがウォレットプロバイダーのZengoを約7000万ドルで買収することに合意しました。
  • Zengoが持つMPC(マルチパーティ計算)技術により、シードフレーズ不要の安全な自主管理型ウォレット機能が提供されます。
  • eToroは今回の買収を通じて、トークン化資産や分散型取引などのDeFi関連サービスの拡充を目指しています。
  • 買収後のウォレットは独立して運営され、ユーザーが直接外部の分散型プロトコルを利用できる環境が維持される見込みです。
  • 規制対象の投資プラットフォームと分散型技術を統合することで、Web3業界におけるeToroの存在感が高まることが期待されます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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