仏銀行大手ソシエテ・ジェネラルの暗号資産部門SG-FORGEは、EUの暗号資産市場規則(MiCA)に準拠した米ドル建てステーブルコイン「USD CoinVertible(USDCV)」を、Web3ウォレットのMetaMaskに統合しました。この取り組みはMetaMaskの開発元であるConsensys(コンセンシス)との提携により実現したもので、銀行発行の規制準拠資産を広く普及しているウォレットへ導入することを目的としています。伝統的な金融機関の信頼性とブロックチェーン技術の利便性を組み合わせることで、相互運用可能な金融システムの構築を加速させる動きとして注目されます。
MetaMaskへの統合による利便性と機能の拡充
今回の提携により、USDCVはMetaMaskのモバイルアプリおよびWeb版の両方で利用可能となりました。ユーザーはUSDCVを用いて、法定通貨のオンランプ/オフランプ(法定通貨と暗号資産の交換)や、暗号資産取引、DeFi(分散型金融)プロトコルへのアクセスが可能になります。
また、注目すべき機能として「Gas Station」への対応が挙げられます。これにより、ユーザーはブロックチェーン上の取引手数料(ガス代)をUSDCVで支払うことが可能になります。SG-FORGEのCEOであるジャン=マルク・ステンガー氏は、世界的に利用されているWeb3ウォレットに自社のステーブルコインを導入することで、欧州の規制下で発行された資産のセキュリティとコンプライアンスを維持しつつ、ブロックチェーン技術の利点を活用できる金融システムの実現に貢献すると述べています。
欧州規制MiCAへの準拠とマルチチェーン展開の背景
USDCVは、欧州連合(EU)で施行されている暗号資産市場規則「MiCA(Markets in Crypto-Assets Regulation)」に準拠して発行されています。SG-FORGEは、米ドル建てのUSDCVのほかに、ユーロ建てのステーブルコイン「EUR CoinVertible(EURCV)」も提供しています。
EURCVは2023年にイーサリアム(Ethereum)上で初めて発行されましたが、その後、マルチチェーン展開戦略の一環として、ソラナ(Solana)、XRPレジャー(XRP Ledger)、ステラ(Stellar)といった複数のネットワークへも展開されています。SG-FORGEはこれまでにも、SWIFTと連携したトークン化債券取引の試験を行うなど、伝統的金融とブロックチェーンの融合を推進しており、今回のMetaMaskへの統合もその戦略を具体化するものと見られます。
ポイント
- 仏銀行大手ソシエテ・ジェネラル傘下のSG-FORGEが、MiCA準拠の米ドルステーブルコイン「USDCV」をMetaMaskに統合した。
- ユーザーはMetaMaskを通じて、USDCVによる取引手数料の支払いやDeFiプロトコルへのアクセスが可能になる。
- 欧州の厳格な規制(MiCA)に準拠し、大手銀行のセキュリティを背景に持つ資産をWeb3エコシステムに提供する。
- すでに展開されているユーロ建てのEURCVと同様に、規制に準拠したステーブルコインの利用機会を拡大させる狙いがある。
- 伝統的金融機関が発行するステーブルコインが主要ウォレットへ導入されることで、金融システムの相互運用性が高まる可能性がある。