英国の金融行動監視機構(FCA)は、2027年10月に導入を予定している暗号資産(仮想通貨)規制について、規制対象となる活動の範囲を定義するガイダンス案の意見募集を開始しました。この取り組みは、これまでの規制策定プロセスを補完し、業界に対して規制対象となる活動を明確に示すことを目的としています。現在は限定的な範囲に留まっている英国の暗号資産規制が、包括的な枠組みへと移行する重要なステップとなります。
規制対象となる活動の明確化と意見募集の実施
FCA(英国の金融市場を監督する公的機関)は、今回の意見募集を通じて、規制対象となる暗号資産活動の具体的な解釈について業界からの意見を求めています。対象として挙げられている活動には、ステーブルコイン(法定通貨等と価値が連動するように設計された資産)の発行、取引プラットフォームの運営、暗号資産の取引、カストディ(資産の保管・管理)、およびステーキングが含まれます。
意見募集の締め切りは2026年6月3日に設定されています。規制ルールそのものに関する協議は実質的に完了しており、2026年夏にはルールに関するポリシー・ステートメント(方針書)が公表される予定です。その後、今回の協議内容を反映した規制範囲に関する最終的なポリシー・ステートメントが2026年秋に公表される見通しです。
事業者に求められる認可取得と今後のスケジュール
新たな規制の導入に伴い、対象となる暗号資産サービスを提供する企業は、金融サービス・市場法(FSMA)に基づきFCAの認可を取得することが義務付けられます。
認可の申請期間は2026年9月30日から2027年2月28日までと定められており、企業はこの期間内に手続きを行う必要があります。2027年10月の規制施行に向け、事業者は約1年前から具体的な認可取得プロセスの準備を進めることになります。
英国における暗号資産は、現時点では金融プロモーションや金融犯罪対策などの分野に限定して部分的に規制されていますが、FCAは声明の中で、新制度が導入されるまではこれらを除き概ね規制されていない状態にあると指摘しています。新規則の策定により、英国における暗号資産の監督体制が本格的に強化されることになります。
ポイント
- 2027年10月の包括的な規制導入に向け、FCAが対象範囲に関する意見募集を開始しました。
- ステーキングやカストディ、取引プラットフォーム運営など、規制対象となる活動の定義を明確化する狙いがあります。
- 認可の申請期間が2026年9月末から2027年2月末に設定され、事業者は具体的な準備段階に入ります。
- 英国における暗号資産の監督が、従来の限定的なものからFSMAに基づく本格的な認可制へと移行する点で注目されます。