東京都、円建てステーブルコインの社会実装を支援する補助金制度を開始

東京都、円建てステーブルコインの社会実装を支援する補助金制度を開始

東京都は2026年4月17日、円建てステーブルコインの普及を後押しする「ステーブルコイン社会実装促進事業補助金」の公募を開始しました。この事業は、次世代の決済インフラとして期待されるステーブルコインを活用し、社会課題の解決や決済の利便性向上を図るプロジェクトを支援するものです。1件あたり最大4000万円を補助することで、都内におけるデジタル金融の社会実装を加速させる狙いがあると見られます。

補助金制度の概要と対象となる事業範囲

東京都、円建てステーブルコインの社会実装を支援する補助金制度を開始

今回の補助金は、資金決済法上の「電子決済手段(法定通貨の価値と連動することを目指すデジタル資産)」に該当する日本円建てステーブルコインを活用した事業が対象です。東京都内に本店または支店を置く事業者が、2026年度末までに都内で実装や検証を完了させることが主な条件となっています。

補助率は対象経費の3分の2以内で、1件あたりの上限額は4000万円に設定されました。対象となる経費には、外部プラットフォームやウォレットなどの基盤利用料、法令やセキュリティに関する専門家への相談および監査費用、そしてシステム開発費が含まれます。ただし、事業者自身によるステーブルコインの発行業務や、コインの価値を裏付けるための資金自体は補助の対象外となります。

公募期間は2026年4月17日から6月30日までとなっており、Jグランツ(補助金の電子申請システム)や郵送で申請を受け付けた後、東京都が設置する審査会での評価を経て選定される予定です。

ステーブルコイン普及に向けた東京都の姿勢と市場の動向

東京都はこれまでも「セキュリティトークン(ブロックチェーン技術等を用いて発行されるデジタル証券)発行支援事業」などを通じて、金融のデジタル化を積極的に推進してきました。今回の制度開始により、都の支援策は決済領域の基盤となるステーブルコインへと本格的に拡大した形です。

国内の円建てステーブルコイン市場では、現在実用化に向けた動きが活発化しています。

  • JPYC社が展開する「JPYC」は、2025年10月に発行量が1500万を突破し、実用化フェーズに移行しています。
  • SBIホールディングスとStartale Groupは、信託型のステーブルコイン「JPYSC」を2026年4月から6月にかけてローンチする計画です。
  • 3大メガバンクも共通基盤を用いた実証実験を進めており、金融庁が共同発行を支援する方針も示されています。

このような背景から、東京都による今回の補助金制度は、多様なプレイヤーが参入する市場において、具体的なユースケース(活用事例)の創出を官民一体で促進する重要な役割を果たすと見られます。

ポイント

  • 東京都が円建てステーブルコインの社会実装を支援するため、1件あたり最大4000万円を支給する補助金制度を開始しました。
  • 補助対象は、資金決済法上の「電子決済手段」に該当する円建てステーブルコインを活用し、社会課題解決や利便性向上を目指す事業です。
  • システム開発費やセキュリティ監査費、専門家への相談費用などが補助の対象となり、2026年6月30日まで公募が行われます。
  • 国内ではJPYCやSBI・StartaleによるJPYSCなどの実用化が進んでおり、行政による支援が加わることで、次世代決済インフラの整備がさらに加速する可能性があります。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、ブロックチェーン領域を中心に、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン(ST)、ステーブルコイン、NFTなどのトークン活用を専門とする編集チームです。Web3・ブロックチェーン領域に特化したコンサルティングファームである株式会社Pacific Metaが、国内外41カ国・150社以上のプロジェクトを支援してきた知見をもとに、記事の企画・監修を行っています。

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