暗号資産運用大手のグレイスケール(Grayscale)は2026年4月20日、ハイパーリキッド(HYPE)の現物ETF(上場投資信託)である「Grayscale HYPE ETF」の登録届出書(Form S-1)の修正版を米証券取引委員会(SEC)に提出しました。今回の修正における最大の変更点は、資産の保管を担うカストディアンをコインベース・カストディ(Coinbase Custody)から、米国初の連邦規制を受けるデジタル資産銀行であるアンカレッジ・デジタル・バンク(Anchorage Digital Bank)へと変更したことです。この動きは、現物ETFの承認に向けた準備プロセスの一環と見られます。
カストディアンの変更と運営体制の継続
グレイスケールが新たにカストディアンとして指名したアンカレッジ・デジタルは、2017年に創業されたデジタル資産専門の金融機関です。同社は米国通貨監督庁(OCC)から憲章を受けた連邦規制対象の銀行であり、暗号資産カストディアンとして高い実績を有しています。
一方で、ETFの事務手続きを行うトランスファーエージェント(名義書換代理人)については、引き続きバンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNY Mellon)が担当することが記載されています。カストディアンの変更理由は明記されていませんが、規制対応や運営の安定性を考慮した選択である可能性があります。
ステーキング機能の扱いと上場計画
今回の修正届出書においても、現時点ではETFにステーキング機能(保有する暗号資産をネットワークの維持に寄与させることで報酬を得る仕組み)は組み込まれていません。将来的にステーキング機能を追加する場合には、改めてSECの承認が必要になることが明記されています。
本ETFは、承認された場合にはナスダック(Nasdaq)にティッカーシンボル「GHYP」で上場する計画です。グレイスケールは2026年3月20日に最初の届出書を提出しており、今回の修正によって審査プロセスが継続されていることが示されました。
HYPE現物ETFを巡る市場の動向
ハイパーリキッド(Hyperliquid)は、独自のL1ブロックチェーン上で構築された分散型取引所(DEX)プロトコルであり、HYPEはそのネイティブトークンです。現在、HYPEの現物ETFを申請しているのはグレイスケールだけではありません。
2025年9月にはビットワイズ(Bitwise)が、同年10月には21シェアーズ(21Shares)がそれぞれ申請を行っています。21シェアーズについては、2026年4月15日に第2次修正届出書を提出したことが記録されています。複数の運用会社が相次いで申請や修正を行っていることから、HYPEを対象とした現物ETFへの関心が業界内で高まっていると見られます。
ポイント
- グレイスケールがHYPE現物ETFの申請を修正し、カストディアンをアンカレッジ・デジタルに変更しました。
- アンカレッジ・デジタルは米国初の連邦規制を受けるデジタル資産銀行であり、信頼性の向上を図った可能性があります。
- 承認された場合、ティッカーシンボル「GHYP」としてナスダックへの上場が予定されています。
- 現時点でステーキング機能は含まれておらず、将来的な導入にはSECの別途承認が必要です。
- ビットワイズや21シェアーズも同様のETFを申請しており、HYPE現物ETFの実現に向けた競争が続いています。