Core Scientific、33億ドルの社債発行を計画──AIインフラへの事業転換を加速

ビットコインマイニング大手のCore Scientific(コア・サイエンティフィック)が、33億ドル(約5115億円)規模の社債発行を通じ、人工知能(AI)インフラ事業への転換を本格化させています。同社は高騰する電力コストやマイニング収益の低迷を背景に、既存のデータセンター資産をAI向けに再編する戦略を進めています。この動きは、Web3インフラ企業が計算資源の用途を多角化させる業界の大きな潮流を象徴するものといえます。

33億ドル規模の資金調達と財務基盤の強化

Core Scientific、33億ドルの社債発行を計画──AIインフラへの事業転換を加速

コア・サイエンティフィックの完全子会社であるCore Scientific Financeは2026年4月21日、2031年満期のシニア担保付社債(他の債権より優先的に弁済を受ける権利がある、資産を担保とした債券)を総額33億ドル発行する計画を発表しました。

今回の資金調達の主な目的は、既存債務の返済と準備金の確保とされています。同社は2026年3月25日に、JPMorgan(JPモルガン)およびMorgan Stanley(モルガン・スタンレー)から総額10億ドルの融資枠を確保したことも報じられており、大規模な資本を投じて財務構造の健全化と事業転換を並行して進める構えです。

マイニングからAIインフラへの構造転換

2017年に創業した同社は北米最大級のマイナーとして知られてきましたが、現在は「AI転換のパイオニア」としての立ち位置を強めています。この転換の核となるのは、同社が保有する広大なデータセンターと有利な電力供給契約です。

ビットコインマイニングとAIコンピューティングは、いずれも膨大な電力と冷却設備を必要とする点で共通しています。コア・サイエンティフィックは、マイニング収益が圧迫される中で、これらの既存資産を「AIインフラ」というより付加価値の高い用途へ振り向けることで、新たな収益源の確保を目指しています。

ビットコイン準備金の売却と業界の動向

事業転換に伴う資金確保のため、同社は保有するビットコイン(BTC)の売却も加速させています。2026年3月には準備金から1億7500万ドル相当のビットコインを売却しました。さらに、2026年中には保有するビットコインのほぼ全てを売却する計画を明らかにしています。

このような動きは同社に限ったものではありません。他のビットコインマイニング企業も、AI分野への進出を目的とした債券発行や保有資産の売却を行っており、業界全体で「マイニング専業」から「ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)提供者」へのシフトが鮮明になっています。

ポイント

  • 33億ドルのシニア担保付社債を発行し、AI事業への転換資金と既存債務の返済に充当。
  • 既存のデータセンターや電力契約をAIインフラへ転用し、収益構造を多角化。
  • 2026年中に保有ビットコインのほぼ全てを売却する方針で、仮想通貨からAIインフラへの資産シフトを徹底。
  • マイニング業界全体で、収益性の安定化を目指したAI・HPC分野への参入が共通のトレンドとなっている。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、ブロックチェーン領域を中心に、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン(ST)、ステーブルコイン、NFTなどのトークン活用を専門とする編集チームです。Web3・ブロックチェーン領域に特化したコンサルティングファームである株式会社Pacific Metaが、国内外41カ国・150社以上のプロジェクトを支援してきた知見をもとに、記事の企画・監修を行っています。

ビジネスでの活用から個人の学びまで、ブロックチェーンやトークンに関する情報を、最新動向と実務でのナレッジを踏まえてわかりやすくお届けします。編集部や事業内容の詳細は、公式サイトをご覧ください。

ニュース
ブロックチェーンマガジン by Pacific Meta