Mastercardがブロックチェーン・セキュリティ標準協議会(BSSC)に参画

米決済大手のMastercard(マスターカード)が、ブロックチェーン業界のセキュリティ基準策定を推進する非営利団体「Blockchain Security Standards Council(BSSC)」に参画しました。CoinbaseやFireblocksといった業界の主要企業と共に、ブロックチェーンネットワークやトークン化された資産の安全性を高めるための枠組み作りを主導します。伝統的な金融分野で培われた決済セキュリティの知見をWeb3業界に導入することで、機関投資家の参入を促す基盤整備が進むと見られます。

Mastercardの参画と役割

Mastercardがブロックチェーン・セキュリティ標準協議会(BSSC)に参画

Mastercardは、BSSCの最上位会員である「チャーターレベル」として参加しました。同社のセキュリティ・ソリューション部門でインテグリティおよび標準化を担当するシニア・バイス・プレジデント、クレア・ル・ギャル氏がBSSCの理事会に加わります。

Mastercardは今後、セキュリティやプライバシーに関するワーキンググループに参加し、数十年間にわたるグローバルな決済ネットワーク運営で得た不正防止やサイバーレジリエンス(サイバー攻撃からの回復力)の知見を提供する予定です。同社はこれまでにも、複数のトークンを扱う「Multi-Token Network」や、信頼性を担保する「Crypto Credential」といったソリューションを展開しており、今回の参画はそれらの取り組みをさらに深めるものとされています。

ブロックチェーン・セキュリティ標準協議会(BSSC)の概要

BSSCは、ブロックチェーンエコシステムにおけるエンドツーエンドのセキュリティに対する信頼を強化することを目的とした非営利のコンソーシアムです。2024年後半に設立され、ブロックチェーンネットワーク全体にわたる技術標準や監査フレームワークの開発に取り組んでいます。

主な参加企業には、Coinbase(コインベース)、Fireblocks(ファイアブロックス)、Anchorage Digital(アンカレッジ・デジタル)、Kraken(クラーケン)、Figment(フィグメント)といった、暗号資産のインフラ、カストディ(資産保管)、取引、投資に関わる主要企業が名を連ねています。BSSCは、ノード(ネットワークを構成するコンピューター)の運用基準や、資産が取引所に上場される前のセキュリティ検証、クロスチェーン(異なるブロックチェーン間の相互運用)のセキュリティ認証などの策定を目指しています。

業界への影響と意義

ブロックチェーン業界では、ブリッジプロトコルの脆弱性を突いた不正流出などが課題となっており、一貫したセキュリティ基準の欠如が機関投資家の資金流入を妨げる一因とされてきました。Mastercardのような伝統的金融(TradFi)の巨人が参画し、共通のルール作りに協力することは、ブロックチェーンが実験的な段階から大規模な実用化へと移行するために不可欠なステップであると見られます。

BSSCによる標準化の取り組みは、断片化されたセキュリティ慣行を統一し、消費者や金融機関が安心してブロックチェーン技術を利用できる環境を整える役割を担っています。

ポイント

  • MastercardがBSSCに最上位会員として参画し、理事会の議席を確保しました。
  • CoinbaseやFireblocksなど、暗号資産ネイティブな主要企業と共にセキュリティ標準の策定を目指します。
  • Mastercardは長年の決済セキュリティや不正防止の知見を、ブロックチェーンの枠組み作りに提供します。
  • 統一されたセキュリティ基準と監査フレームワークの確立により、業界全体の信頼性が向上し、機関投資家の導入が加速する可能性があります。
  • 2025年1月には、資産統合とノード運用に関する最初のセキュリティ標準案がメンバー向けに公開されています。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、ブロックチェーン領域を中心に、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン(ST)、ステーブルコイン、NFTなどのトークン活用を専門とする編集チームです。Web3・ブロックチェーン領域に特化したコンサルティングファームである株式会社Pacific Metaが、国内外41カ国・150社以上のプロジェクトを支援してきた知見をもとに、記事の企画・監修を行っています。

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