欧州の主要経済圏であるドイツ、イタリア、スペイン、フランスの4カ国において、投資家の4人に1人(25%)が暗号資産に投資していることが明らかになりました。ドイツ第2位の証券取引所を運営するボーゼ・シュトゥットガルト・グループ(Boerse Stuttgart Group)のデジタル資産部門が調査結果を引用し、デジタル資産への関心の高まりを報告しています。このデータは、伝統的な金融機関が暗号資産サービスを導入する戦略的な重要性を示唆しています。
欧州主要市場における暗号資産の普及実態
市場調査会社Marketagentが2025年8月から2026年1月にかけて実施した調査によると、欧州主要4カ国の18歳から70歳の投資家6,000人のうち、25%がすでに暗号資産への投資経験を持っています。
国別の導入率ではスペインが約28%と最も高く、ドイツ(25%)、イタリア(24%)、フランス(23%)がそれに続く形となっています。また、暗号資産投資家の36%が今後5年以内に再投資する可能性が高いと回答しており、市場のボラティリティ(価格変動)にかかわらず、継続的な投資意欲があることが示されました。
投資の障壁と規制による信頼向上
普及が進む一方で、投資家の多くが知識不足や複雑さを課題として挙げています。調査対象者の60%以上が「十分な情報を得られていない」と感じており、ドイツでは65%、スペインやフランスでは70%以上の投資家が暗号資産を「複雑すぎる」と捉えています。
こうした中、欧州連合(EU)の包括的な暗号資産規制であるMiCA(Markets in Crypto-Assets:暗号資産市場規制)が、投資家の信頼を高める要因となっています。回答者の約半数が、MiCAのような明確な規制枠組みによって、デジタル資産がより安全で魅力的なものになると回答しました。
金融機関に求められる暗号資産サービス
今回の調査では、投資家が既存の銀行や証券会社に対して暗号資産へのアクセスを期待している状況も浮き彫りになりました。投資家の約35%が、より優れた暗号資産サービスを提供する銀行があれば、メインバンクの変更を検討すると回答しています。
ボーゼ・シュトゥットガルト・デジタル(Boerse Stuttgart Digital)のCEOであるマティアス・フェルケル博士は、欧州全体で暗号資産の普及が続いており、銀行や資産運用会社にとって明確な戦略的機会であると述べています。特に、規制に準拠した安全な取引・保管ソリューションへの需要が高まっていると見られます。
ポイント
- ドイツ、イタリア、スペイン、フランスの投資家の25%が暗号資産を保有。
- 国別ではスペインが約28%で首位、次いでドイツが25%の普及率。
- 投資家の60%以上が知識不足を感じており、教育と簡便なアクセスの提供が課題。
- EUの規制案「MiCA」が投資家の信頼を支える重要な要素となっている。
- 投資家の35%が優れた暗号資産サービスを求めて銀行の切り替えを検討する可能性。