ステーブルコイン最大手のTether社が、2026年第1四半期の財務報告を公表しました。同期間の純利益は10.4億ドルに達し、準備金の余剰分にあたるリザーブ・バッファー(超過準備金)は過去最高の82.3億ドルを記録しています。主要資産として1,410億ドル規模の米国債を保有しており、ステーブルコインの裏付け資産としての強固な財務基盤が改めて示されました。
過去最高の準備金バッファーと米国債の保有状況
Tether社が発表した最新の証明報告書によると、同社のリザーブ・バッファーは82.3億ドルに到達しました。これは負債を上回る純粋な余剰資金であり、市場の急変に対する安全網としての役割を果たします。この資産の大部分は、直接および間接的な保有を含めて1,410億ドルにのぼる米国債によって裏打ちされています。
米国債は米政府が発行する債券であり、ステーブルコインの裏付け資産として流動性と信頼性が高いとされています。今回の報告により、同社が世界の金融市場において非常に大きな存在感を持つ米国債保有者であることが浮き彫りとなりました。
資産構成の多様化と収益性
同社は2026年第1四半期に10.4億ドルの純利益を計上しました。準備金の中身は米国債だけでなく、約200億ドルの金(ゴールド)や約70億ドルのビットコイン(BTC)も含まれており、資産の多様化が進んでいます。
特にビットコインに関しては、四半期利益の約15%をビットコインの購入に充てる方針を継続しており、当四半期末時点で97,141 BTCを保有しているとされています。こうした収益力と資産規模の拡大は、ステーブルコインの発行・運営が極めて高い収益性を維持していることを示唆しています。
継続する透明性と信頼性への議論
巨額の利益と過去最高の準備金を記録した一方で、同社の「ウォー・チェスト(軍資金)」とも形容される準備金の実態については、依然として議論の対象となっていると報じられています。
今回の報告書は独立した会計事務所であるBDOによって作成されましたが、ステーブルコインの信頼性を左右する準備金の透明性や管理体制については、市場関係者や規制当局から引き続き高い関心が寄せられています。公表された数値の妥当性や、大規模な資産保有に伴うリスク管理の在り方が、今後も業界の重要な論点となる可能性があります。
ポイント
- 2026年第1四半期の純利益が10.4億ドルに到達しました。
- リザーブ・バッファー(超過準備金)が過去最高の82.3億ドルを記録し、安全網が強化されています。
- 裏付け資産として1,410億ドル規模の米国債を保有しており、世界有数の保有者となっています。
- 準備金には米国債のほか、金(約200億ドル)やビットコイン(約70億ドル)も含まれます。
- 財務規模が拡大する一方で、準備金の透明性を巡る議論は依然として継続しています。