イーサリアム財団は2026年5月1日、ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズに対し、1万ETHを約2300万ドル(約36億円)で追加売却しました。これにより、同財団が過去1週間でビットマイン社へ売却した総額は約4700万ドル(約73億円)に達しています。この動きは、プロトコルの研究開発資金を確保したい財団側の目的と、保有資産のステーキングによる利回り獲得を強化する企業の戦略が合致したものと見られます。
イーサリアム財団による継続的な運営資金の調達
イーサリアム財団は、今回の売却で得た資金について、プロトコルの研究開発、エコシステムの発展、およびコミュニティ助成金を含む中核的な運営活動に充てると説明しています。財団は2026年4月にも、市場への影響を抑えるための時間加重平均価格(TWAP)機能を活用して5000ETHを売却するなど、継続的に運営資金の確保に動いています。
財団はかつて、市場への売り圧力を考慮してイーサリアムの売却を制限する方針を示していました。その一環として、保有するイーサリアムの一部をステーキングに回したり、分散型金融(DeFi)へ資産を展開したりすることで、組織自体の収益源を構築する取り組みも進めています。しかし、今回のようにビットマイン社やシャープリンク(SharpLink)といった、イーサリアムを資産として保有する「トレジャリー企業」への直接的な売却も並行して行われており、財団にとって重要な資金調達手段の一つとなっていることが伺えます。
ビットマイン社によるステーキングの強化と資産保有戦略
今回の購入側であるビットマイン社は、トム・リー氏が率いる企業で、世界最大のイーサリアムトレジャリー企業とされています。同社は単にイーサリアムを保有するだけでなく、保有資産から利回りを得るためにステーキングを積極的に活用しています。
ブロックチェーン分析プラットフォームのLookonchainによると、ビットマイン社は2026年4月30日時点で新たに約16万ETHのステーキングを開始しました。これにより、同社のステーキング済み資産は合計約419万ETH(約95億ドル相当)に達しており、これは同社の全保有量の83%を占めています。先週時点のステーキング比率は約70%であったことから、短期間で資産の運用効率を大幅に高めていることが分かります。
このような大規模なステーキングの背景には、同社が独自に展開するステーキングインフラ「MAVAN」などの活用があると見られ、企業がイーサリアムのネットワーク運営に直接関与しながら資産価値を最大化させるビジネスモデルが鮮明になっています。
ポイント
- イーサリアム財団は1週間で計2万ETH(約73億円相当)をビットマイン社へ売却しました。
- 売却益は、イーサリアムのプロトコル研究開発やエコシステム支援などの中核業務に充当されます。
- ビットマイン社は世界最大のETH保有企業として、保有資産の83%をステーキングに回す積極的な運用姿勢を見せています。
- 財団は自らもステーキングやDeFiでの収益化を進めていますが、運営資金確保のための直接売却も継続しています。
- 財団からトレジャリー企業への大規模な資産移動は、イーサリアムの保有構造の変化として市場の関心を集めています。