2026年4月の予測市場における月間取引高が、前年比で約588%増となる298億ドル(約4.5兆円)に達し、過去最高を記録しました。ポリマーケット(Polymarket)やカルシ(Kalshi)といったプラットフォームが急速な成長を遂げる一方で、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の分析により、利用者の7割以上が損失を出している実態が浮き彫りになっています。市場の拡大が続く中で、利益の極端な偏りと個人ユーザーの収益性が大きな課題として注目されています。
記録的な市場拡大と主要プラットフォームの動向
予測市場は過去1年間で急激な成長を見せており、先月の月間取引高は298億ドルという驚異的な数字を記録しました。この成長を牽引しているのは、ブロックチェーンベースの分散型予測市場であるポリマーケットと、米国で規制を受けて運営されているカルシの2社です。
市場調査によると、取引の対象は従来の暗号資産関連のテーマから、スポーツ、政治、地政学的なイベントといった現実世界の出来事へとシフトしています。特にカルシでは取引高の約85%をスポーツ関連が占めており、主流層への普及が進んでいると見られます。これらのプラットフォームは、最新の世論や予測を反映する「リアルタイムのセンチメントダッシュボード」として、主要な金融メディアや検索エンジンにも統合され始めています。
WSJの分析が示す収益構造の歪みとプロの台頭
市場全体が活況を呈する一方で、参加者の収益状況は厳しい現実を示しています。WSJがポリマーケットの約160万アカウントを分析した結果、利用者の70%以上が損失を抱えていることが判明しました。さらに、利益の分配は極めて不均衡であり、わずか0.1%のアカウントが全利益の67%を独占しているというデータも示されています。
この背景には、高度なデータ分析を駆使するプロのトレーダーや、自動化された取引ボットの存在があります。分析レポートでは、一般的な個人トレーダーが損失を出す一方で、膨大なデータにアクセスできる専門的な取引業者が利益を上げている現状が指摘されています。また、損失を出しているユーザーは、極端な価格設定(10セント以下、または90セント以上)の契約で頻繁に取引を行う傾向があることも、学術的な研究によって明らかになりました。
ポイント
・2026年4月の月間取引高は298億ドルに達し、前年比で約588%の成長を記録しました。
・ポリマーケットの利用者のうち70%以上が損失を出しており、一般的なユーザーの損失額は1ドルから100ドルの間に集中しています。
・利益の67%をわずか0.1%のアカウント(約2,000件未満)が占めており、収益の極端な集中が見られます。
・市場の成長は、暗号資産関連よりもスポーツや政治といった現実世界のイベントへの関心によって支えられています。
・個人ユーザーと、データやボットを活用するプロのトレーダーとの間にある格差が、市場の健全性における議論の焦点となっています。