スタンダードチャータード銀行のVC部門、評価額10億ドルのGSRへ出資

スタンダードチャータード銀行の完全子会社であるベンチャーキャピタル部門「SC Ventures」が、暗号資産トレーディング大手のGSRに出資しました。この投資により、GSRの企業評価額は10億ドル(約1,500億円相当)に達したとされています。伝統的な金融大手によるこの動きは、デジタル資産市場への関与をさらに深め、機関投資家向けのインフラ構築を加速させる重要なステップになると見られています。

初の外部戦略株主としてSC Venturesが参画

スタンダードチャータード銀行のVC部門、評価額10億ドルのGSRへ出資

今回の出資により、SC VenturesはGSRにとって2013年の創業以来、初めての外部戦略株主(社外の戦略的投資家である株主)となりました。GSRは暗号資産のマーケットメイク(市場参加者が取引しやすいよう流動性を提供すること)やOTC取引(相対取引)を主力とする企業です。

今回の投資を通じて、GSRはいわゆるユニコーン企業(企業評価額が10億ドル以上の未上場企業)の地位を確立しました。スタンダードチャータード銀行側にとっては、暗号資産市場で実績のある流動性プロバイダーを支援することで、自社のデジタル資産戦略における基盤を強化する狙いがあると見られます。

トークン化と機関投資家向けサービスの拡充

両社の提携は、トークン化(実物資産などをブロックチェーン上のデジタル証券として発行すること)を中心とした資本市場サービスの構築に重点を置いています。これに先立ち、2026年4月にはGSRがSC Ventures傘下のトークン化プラットフォーム「Libeara(リベアラ)」に出資したことが報じられていました。

スタンダードチャータード銀行は、暗号資産のプライムブローカレッジ(機関投資家向けの総合的な決済・貸付サービス)やカストディ(資産保管)事業の拡大を進めています。GSRとの連携を深めることで、より強固で規制に準拠した、スケーラブルな市場インフラの構築を目指すとされています。

Web3投資銀行モデルへの進化を目指すGSR

GSRは、単なるマーケットメーカーから、トークンの発行準備から上場後の流動性管理までを一気通貫でサポートする「Web3投資銀行」モデルへの転換を加速させています。同社は2026年初頭にAutonomous社とArchitech社を買収し、トークンアドバイザリー事業を強化したことが報告されています。

伝統的金融機関の信頼性と、暗号資産ネイティブな企業の技術力・流動性が融合することで、デジタル資産市場の成熟がさらに進む可能性が示唆されています。

ポイント

  • スタンダードチャータード銀行のVC部門がGSRへ投資し、同社の評価額は10億ドルに到達
  • SC VenturesはGSRにとって2013年の創業以来、初の外部戦略株主となる
  • トークン化プラットフォーム「Libeara」との相互出資を通じ、提携関係を強化
  • 伝統的金融のインフラと暗号資産の流動性を組み合わせ、機関投資家向けサービスを拡充
  • GSRはマーケットメイクに加え、包括的なWeb3投資銀行サービスの提供を目指す

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、ブロックチェーン領域を中心に、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン(ST)、ステーブルコイン、NFTなどのトークン活用を専門とする編集チームです。Web3・ブロックチェーン領域に特化したコンサルティングファームである株式会社Pacific Metaが、国内外41カ国・150社以上のプロジェクトを支援してきた知見をもとに、記事の企画・監修を行っています。

ビジネスでの活用から個人の学びまで、ブロックチェーンやトークンに関する情報を、最新動向と実務でのナレッジを踏まえてわかりやすくお届けします。編集部や事業内容の詳細は、公式サイトをご覧ください。

ニュース
ブロックチェーンマガジン by Pacific Meta